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狐の住む岸辺  作者: マイソフ
第9章 マルクス
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第6章~第9章への解説


 ガイル=フォン=シュベッペンブルクという姓は、「シュベッペンブルク分家のガイル氏」というニュアンスで、成功・繁栄したドイツ系貴族がよく使うタイプの名字です。間にフォンが入ったり、ツーが入ったり、オッペルン=ブロニコウスキーのように何も入らなかったりします。執筆当時はこのことがわからず、ガイルの方を略して、シュベッペンブルク将軍と書いてしまいました。


 ヴィットとマイヤーの人物描写については、ストーリーの都合を優先させて、やや実物とは違っていることを自覚しながら執筆しました。


 ロンメル将軍は連合軍の上陸地点がどこになると思っていたのでしょうか。リデル・ハート編"Rommel Papers"などの記述に従うならば、最大の問題は最初の上陸地点ではなく、その後の予想にありました。OKWは連合軍の投入可能な戦力を実際より大きく見ていて、ロンメルもこの見方を取っていました。ですからOKWとロンメルは等しく、第2次上陸に備えて、他の海岸(特に第15軍管区)からの兵力引き抜きには慎重であったのです。


 実際には、フランス地中海岸のG軍集団戦域から多くの歩兵師団がノルマンディーに投入され、8月にこの地域に実際に第2次上陸があったとき、なすすべもなく壊走することになりました。


 ミッチャー大尉は架空の人物であり、その出撃ももちろん架空の事件です。この事件は全体として、連合軍がまだ投入できる資源(例えば沿岸航空軍団)を持っていたことを強調するために筆者が用意したものです。ドイツ軍が上陸作戦全体を失敗させることは、彼我の持っている資源のバランスから言って、ほぼ不可能であったと筆者は考えています。


 セオドア・ルーズベルト准将は、上陸戦闘で失態の多かった第90歩兵師団長に任じられ、その直後に心臓発作を起こして死亡しています。文中でも触れましたが、建国以来の名家であるルーズベルト家には共和党員になった系統と民主党を支持した系統があり、後者の当主がフランクリン・ルーズベルトで、前者の系統から妻エレノアを迎えました。セオドア・ルーズベルト大統領の弟の娘です。ですからセオドア・ルーズベルト大統領の長男であるセオドア・ルーズベルト(3世)准将は、フランクリン・ルーズベルト大統領の妻のいとこです。


 ガイルの司令部が爆撃された事件は、航空偵察によるものとされていましたが、どうもエニグマ暗号解読で位置を知られたためではないかと思われます。


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