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狐の住む岸辺  作者: マイソフ
第6章 疾風マイヤー
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6月7日 午後9時 ラヴノヴィル村


 ラヴノヴィル村は、ユタ・ビーチの北西5キロばかりにある海岸の小村である。海岸から沼地を抜けたところにあるこの村は、撤退してきたアメリカ第82・第101空挺師団の再編のために使われていた。運よく脱出した第82空挺師団のコンラッド中尉は、薄暗いカンテラの元でも、新しい部下とのコミュニケーション確立に余念がない。


「バーノルズ、次の質問だ。中隊の補給序列はどうなっているか」


「管理班はバット曹長が指揮しており、第1小隊はグレゴリー軍曹、第3小隊はバートランド軍曹の担当です、サー」


 ここであげられたふたりの軍曹は小隊軍曹と言って、管理班から各小隊への補給など小隊の総務を担当する。


「よくできた。ではこれは誰だ」


 コンラッドは傍らの軍曹をぐいと押し出した。口ごもる若い兵士を見て失笑がさざめく。


 多くの上官が戦死して、中尉のまま中隊長として200人近い部下を預かることになったコンラッドであったが、寄せ集められた生き残りたちを有機的に結び付けるにはやはり時間が不足している。それでも、とコンラッドは思う。優秀な空挺部隊だからこそ半日でここまで進めるのだ。


 コンラッドが何かいいかけたとき、聞きまちがえようもない音が、彼らのいる民家の外で響いた。砲撃の弾着音である。


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