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狐の住む岸辺  作者: マイソフ
第5章 日没、あるいはソード・ビーチ
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6月6日 午後7時 ゴールド・ビーチ


 昼間にあらかじめ前進させて置いた砲兵連隊の一部が、準備砲撃を開始した。連合軍はまだ狭い範囲しか確保していないから、密集地帯への砲撃は痛手であった。早速、艦砲が応射する。射程の短いドイツの歩兵砲も海岸付近へ展開して、さかんに火を噴く。


「進め」


 戦車が再び海岸を目指す。揚陸した対戦車砲が、昼間撃破されたイギリス戦車の影に隠れていて、ドイツ戦車が数台不覚を取る。とにかく連合軍はやたら弾薬を持っている。


 海の方向から新しいキャタピラ音が聞こえてくる。連合軍は戦車輸送船を座礁させて、片道切符で戦車を送り出したのである。形勢は逆転した-かもしれない。夜間のことである。当分増援の見込みのないドイツ軍としては、大事を取るしかなかった。装甲車に便乗したバイエルラインは怒鳴る。


「さがれ、さがれ!」


 このイギリス海軍の臨機の処置で、ゴールド・ビーチはどうにか1日持ちこたえることになった。


 最も重要な一日は、終わった。連合軍は5つの上陸地点のうち2つで撤退を余儀なくされたが、ドイツ軍は激しく消耗した。消耗しきるまでにすべての拠点を追い落とすことが出来るか、先に崩れて大崩壊を起こすのか。多くのものが、まだ翌日以降にかかっていた。


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