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狐の住む岸辺  作者: マイソフ
第13章 クロス・カウンター
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7月11日 午後3時 ベルリン


「本日、我らが敬愛する総統閣下に危害を加えようとする、一部の敗北主義者たちの邪悪な企てが行われた。総統閣下は爆弾をもって襲撃され、幾人かの忠実な将軍と閣僚が貴い犠牲となった。しかし神はゲルマン民族のためにヒトラー総統を守り給い、総統はほどなく政務に復帰される予定である。総統は憎むべき爆破犯人であるドイツ予備軍参謀長、クラウス・シェンク・フォン・シュタウフェンベルクの逮捕を命令された。すべての予備軍は、総統またはOKWのヨードル作戦部長による直接の指示のほかは、実行してはならない」


 ゲッペルスの放送原稿は、驚くべきことにベルリンのラジオ局からすんなり放送された。ワルキューレ指令に従って、放送局はすでにある訓練部隊が警備していたのだが、この部隊は何を防ぐべきか、具体的な指示を受けていなかったのである。現職の宣伝大臣のメッセージを阻止することを、反乱グループは想定していなかった。というより、反乱グループはゲッペルスの身柄を確保すべきであった。


 反乱グループにとって最も大きな衝撃は、シュタウフェンベルクを名指しで犯人扱いされてしまったことであった。証拠を残さない脱出方法を用意していなかったのだから当然なのであるが、計画の細部を知らされていない者に取っては、これは重大な失敗と見えた。厄介なことに、将官クラスの大物ほど、反乱グループから細部を知らされていなかったのである。


 目に見えて動揺を始めたのは、予備軍司令官のフロム大将である。彼はワルキューレ警報に署名していて、言い逃れできなかった。


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