表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狐の住む岸辺  作者: マイソフ
第13章 クロス・カウンター
116/132

7月11日 午前11時 ベルリン

「成功したのか」


「まだ確報はない。しかし……」


 同志たちは迷っていた。シュタウフェンベルクは、成功の情報を-彼自身確認したわけではない-伝えていないのである。


「ベルヒデスガーデンとの連絡は途絶している」


 オルブリヒト大将は、今日何度目になるか分からない指摘を行った。


「何かが起こったことは確実だ」


「ヒトラーは死んだのか」


 何度繰り返しても、誰かがそれを口にしたとたん、議論は振り出しに戻ってしまう。


 オルブリヒト、シュタウフェンベルク、そしてその上官のフロム大将は、いずれも「ワルキューレ」と呼ばれる非常事態プロトコルを発動する権限を持っている。国内で暴動が起こった場合、非常事態宣言を発すると同時に、各地の予備部隊や兵科学校部隊を召集して要所を制圧する作戦である。これを利用して、各地のヒトラーに忠実な部隊、特に親衛隊を押さえてしまおうと言うのである。


 しかし老齢の将軍たちには実行の決断がつかない。つかないまま、ずるずるとシュベッペンベルクの帰りを待ちわびている状況であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ