表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/291

第26話 野蛮な地球人


 神界に帰れなくなった、アナスタシアは泣き喚いた。煩いしうざいしで、何度も結界の外に捨てようとしたが、その都度光一やレイ先生に止められた。


『あーん! 神界に帰れなーい!』


 こいつ女神なんだよな? 女神と言うか女としてアウトな顔してるぞ。


「あのよ……お前、光一の家に置いてもらえるんだからちっとは大人しくしろよ。良い歳こいてびーびーびーうるせえよ」


『おのれ悪魔めえ! 世界の破壊者め!』


 鳴滝さんの真似か? ごっこ遊びができる余裕はあるんだな。


「俺は、某通りすがりのカメラ小僧のライダーかよ」


『なんで、どうして、私の神気が回復しないのよ! あんたのせいでしょ!』


 俺のせいにされても困るんだが仕方ない。


「━━その時奇跡はおこった」


『奇跡が起きたていで、私を追い出そうとしてんじゃないわよ! 起きてないわよ! 奇跡でなんでも解決できると思ってんじゃないわよ!』


「お前のネタに合わせたんだろうが」


 全く、R○は最強キャラなんだぞ。最終的に奇跡でゴリ押しできるからな。せっかくナレーションの真似までしたのに。


『しょーもないネタすんじゃないわよ! 消されるわよ!』


「それこそ消されない奇跡を探そうぜ」


『きいー!!!』


 なんだか猿みたいに怒ってるな。神界に帰れなくて余裕がないのか?


「はあ。洋一、アナスタシア様で遊ぶのはやめなさいよ」


「いやー上手いこと追い出せないかなって思ってさ。蘭なんか良い案ない?」


『聞こえてんのよ! 目の前で追い出す相談するんじゃないわよ!』


 あーもう、うるさい。ただのロリっ子なら匿ってやるが、こいつがいると厄介ごとの匂いしかしないから、可及的速やかに追い出したい。


「とりあえず、出て行ってくれない?」


『出てったら直ぐ死ぬわよ! 神気が無い私は、ハンバーガーの肉抜きみたいなもんよ! スカスカなのよ!』


「お前、地球に詳しすぎだろ」


 レイ先生は、アナスタシアが女神だって聞いてから、何故かアナスタシアにひたすら土下座をしている。


 レイ先生が話の腰を折りまくるから隔離するしか方法がなく、ちょっと面倒だったんだぞ。


「お前がいたら、又コポオちゃんとか来ちゃうだろ。他所行けよ、紗香さんに悪影響だろうが」


『悪影響ってなによ! ってかあの子! 私が封印してから神気纏って私より神みたいじゃない!』


「あっ良いねそれ、女神は紗香さんに交代! お前はどっかで霞食って生きてろよ」


『交代できるかああああああ!!! 霞食って生きるとか私は仙人じゃないのよ!!』


 こいつ弄りがいがあるなー。ツッコミスキル高過ぎだろ。


「アナスタシアって女神なんだよな?」


『そうよ!』


「じゃあチートくれよ」


『無理よ!』


 即答かよ、チートよこせよ。俺TUEEEさせろよ。


「なんで?」


『私が担当してこっちに来た人達にしか渡せないのよ。それにほいほいチートなんて渡してたら、世界が破滅するってーの!』


「ふーん。つかえないな」


 あっまた顔が赤くなってる。


『きー!! あんた達は知らないでしょうけどね! アスベルク王国がこっちに向けて忍びを放ったのよ! やられちゃえば良いわ!』


 忍び? 忍者もいるのか? もはやなんでもありだなこの世界。


「アナスタシア様、何故忍びが? そもそも魔力大活性の影響で魔境化してるんじゃないんですか?」


 そう言えば魔王も逃げ出すレベルになってるんだよな? なら辿り着くの無理じゃね?


『私の転移者だから余裕なのよ!』


 ん? こいつ今なんて言った?


「おい、お前この世界に何人地球人放り込んだ」


『ぴゅーふーぴゅーふーぴゅー』


 アナスタシアめ、下手くそな口笛でごまかそうとしているな。ならこっちにもやり方がある。


「畑仕事と素振りで鍛えた握力が炸裂するぜ! 喰らえ、必殺のアイアンクロー!!」


『いだああああああい! はなしゅて! はなしゅてよー!!』


「言え、何人だ。後は性別と年代だ。10代か20代か30代か」


『詳しく言えないわよ! 個人情報だからね! 勇者召喚がこの世界にはあるのよ、私が管理してる人達はわかるけど。下法や他の神に呼ばれた人までは知らないわよ。どー言うわけか、この世界って色々な世界の人が集まりやすいのよ! それに過去私経由で勇者召喚された人は、一部を除いて寿命で死んでるわよ!』


 アイアンクローの力を強める。


「お前の管理している世界だろ、頭捻り潰すぞ。お前が送った人数は何人だ」


『いぎゃああああ最近ではさっ3人でひゅ!!!』


「そのうちの1人の忍者がここに来ると?」


『そうでひゅ!』


「何故来る?」


『魔王をたおしゅために!』


 魔王を倒すってまさかこいつ……。


「魔王を指差してみろ」


 また俺を指差しやがった。ムカつくから指を逆に曲げてやる。


『ぎゃあああああああ痛い痛い痛い!!』


「この糞バカがあああああ! なにしてくれてんだよ! お前ノリで神託したんだろ? 魔王がいるから倒してちょんまげーとか言ったんだろ!」


『しょ、しょげな事はなかとですたい……』


 変な訛りでごまかそうとしてやがる。俺が魔王じゃないって認めたくせに、性懲りもなくまた魔王扱いしやがった、しかも世界中に向けて


「貼り付けて結界の境界線に晒しておく。お前が貼り付けにされてりゃ忍者も帰るだろ。結界は抜けられない訳だし」


『おっおたしゅけおー!』


「洋一、それを見られたら誤解が解けるどころか魔王認定されるよ」


『あっあの時はどうかしてたんでしゅ…… ……やけくそだったんです、もう1人の転生者は神託を告げたら、殺すぞって言うし。光一君は農夫だし、忍者の子に話したら、面白そうでござるー! って言ってくれたからだから!』


「おい、お前1人やたら交戦的な奴がいるがそいつ大丈夫なのか?」


『あの人は私を恨んでるんでしゅ』


 恨まれる? まあそりゃそうだろうな。


「そりゃ恨まれるわ、光一だって相当不満が溜まってだろーが」


『光一君も私を殺す気!? 』


 怯えた目で俺と蘭を見る


「はあ、光一はそんな事しませんよ。恩気を仇で返すような子じゃないですし」


「俺はぶん殴る位はいいと思うがな」


『地球人は野蛮だよおおおお!!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ