うどん県大躍進
なにやらK川県がゲーム規制条例案なるもので注目されております。悲しいことに自分はソースの大部分がワイドショーなので詳しくは分からず。サブカル好きとしては非常に不本意なのですが、そのワイドショーに頼った情報のみの構成でいきます。
県知事だか議員さんだか知りませんが、なんでも「我々はゲーム、スマホのすべてを否定したいわけではない」とか仰ってるご様子。というか前段にこういうことを言いたがる人はたいてい頭から全否定してるもんです。ま、そこらへんは個人の思想、信条なので別にいいと思います。これに高校生が反対署名集めたってのはご愛嬌というか、付帯事項みたいなもんなのでここではスルーします。
で、ゲームを規制したい根拠ってのは何なのか。子供の体力の低下、ゲーム依存などが挙げられているようです。しかしその原因はゲームと言えるのかという疑問はあります。
あの胡散臭い教育評論家なる肩書の人物も「ゲームより家族との団欒など、有意義な時間の使い方がある」とかいう論旨で一定の理解を示してるっぽいです。
まず体力の低下。でもこれはある意味当然でしょう。今は体力より知識を付ける方が有利ですから。アスリートになりたくてもなれないなら勉強していいとこに就職した方がいいに決まってます。体力はあるに越したことはないけど、塾や勉強で遊びまわれないんなら体力落ちるのも当然だと思います。高◯名人もコメントしてたように、今の日本、子供は極端に遊ぶ時間もスペースも削られてます。ゲームしか娯楽がないと言われれば確かにそうだと思います。
お次はゲーム依存。これも原因がゲームにあるとは到底思えません。子供がゲームに依存してしまうのはまず家庭に原因がある気がしてならないのです。ここらへんは専門家ではないので素人考えなのですが。でも、子供がゲームばっかりやってて家族と会話もしないというのはどう考えても家庭が崩壊してるとしか思えないのです。そんな中で「家族との団欒が大切」なんて言われましても……
ろくすっぽ育児もしないでゲームだけ与えて放っておいて、それでゲームばかりやってるから取り上げようなんてのはとてもまともな親のやることとは思えません。ゲーム依存はもう少し研究の余地があるように思えます。素人が思いつきで規制すればいいとか言うほどはた迷惑なこともありません。
そんなわけでK川県の規制案には個人的にはかなり懐疑的です。こういう規制をしたがる人のパーソナリティーはほぼ間違いなくゲームが嫌い。ゲームやったら子供はバカになると考えるタイプの人です。
ひと昔前ならゲームやったらバカになる。そのまた昔はテレビ見てたらバカになる。もっと昔はマンガ読んでたらバカになる。はるか昔は小説読んだらバカになると言ってたそうですから驚きです。今はさしずめスマホがその対象でしょうか? いつの時代もこういう人はいるものです。IT企業に就職するより一次産業に従事するのが尊いと考えたがる人々です。いや、それ自体は否定はしません。一次産業がないと生活は成り立ちませんから。でも、それは行政が一次産業をしっかりサポートしてるのが大前提です。ま、こういうことを言う人は大抵そのサポートすらしてませんけどね。「保護を手厚くすると産業は衰退する」とか何とか言って。
マイクロソフトがウィンドウズ95でIT革命を起こしていた頃、この国は自動車の生産効率や販売台数を誇っていました。遅きに失した感はあったけど、国産OS開発の機運が高まった際も企業や政府の横槍があったために潰えたという話も聞きます。というか、当時の政治家でOSがどういうものか、理解してた人などほとんどいなかったのでしょう。これとほぼ同じ構図が今回のK川県の規制案、または教育評論家の言葉に見え隠れしている気がして仕方ありません。
例えば同じ条例案が京都府で出されたらどうでしょう。京都はゲーム会社、任天堂の本社があります。恐らく規制案などバカバカしいと議会にも上げられないでしょう。この辺りに地方の哀れがにじみ出ています。
東京の一極集中、地方の衰退なんてありきたりな格差論をよく見ますが、それがいかに空虚なものかがこの規制案を見てるとよく分かります。K川県は是非、この条例を可決して有意義な実験場になっていただきたいものです。




