プロの姿勢
自分には到底ムリだけど、プロの作家さんなら漫画家であれ小説家であれゲーム作家であれ映像作品であれ、お金もらって売り上げ出さにゃならん商業作品なら買ってもらってナンボなわけで、そりゃ各方面に出張っては宣伝しまくってホラ吹いてでも売りまくらなきゃならんわけです。いくら作った本人に自信がなかろうが納得いってなかろうが不本意なデキであろうが。素人の投稿作品みたく見向きもされなくても構わないなんて特権はないのです。
なにしろその作品には作家一人どころじゃなくて大勢のスタッフが関わっていて、その嫁さん、子供の人生や将来もかかってるわけです。そんでいざ発売ってな段になってその作家本人が「いや〜この作品、実は気分乗らなくて途中で手ぇ抜いちゃったんだよね〜。もう発売やめね?」などと言いだそうものなら多くの人が路頭に迷ってしまいます。そんなワガママ許されるわきゃありません。ここは嘘でもなんでも吹いてもらわにゃ困ります。イベントではそりゃ作り笑顔でもして「私の渾身の一作です」みたくハッタリかまして一本でもいいから売り上げアップに貢献していただかなければ! いくら本人が納得いってなくっても。それがプロの姿勢ってもんでしょう。
ワイドショーになんの関係もなさそうな俳優が座ってると思ってたら案の定、新作映画だかドラマだかの宣伝するわけです。視聴者にはミエミエでも白白しくっても、それも大事なプロの仕事なわけです。確かにやってる本人もバカバカしいんじゃないかと他人事ながら心配になってしまいますが、多くの人が関わって作られた作品、自分一人のワガママで「いや、俺はそんな媚びるようなマネ、ありえないっす」なんて言ってる奴はプロとは言えんでしょう。まあ、いないと思うけど。
発表イベントの場かなんだかよく知りませんが、「さあ? 別に……」とか言って周囲を凍らせた女優さんなんかも一時期干されてましたっけ。その態度が女優さんなりの考えに考えた宣伝、ってんならまあ理解できなくもないのですが、それが話題になって映画かドラマかよく知らないけど大ヒットした、なんて話も聞かないので可もなく不可もない作品だったのでしょう。その女優さん自身、納得いってない仕事だったのかもしれません。それだったらなおのこと、嘘でもいいからお愛想振りまいてその可もなく不可もない作品が少しでも売り上げ出せるよう努力するのがプロの姿勢だと個人的には思うのですが。
あまりにもバッシングされまくってたので逆に擁護する意見や、(周囲が)大人げないとかいう意見もあったと記憶します。個人的な意見としては人間なんだからそういう気分の日もあるよね、とも少しは思います。しかし彼女はプロなのです。女優さんという虚像が売り物のお仕事です。自分のように素人の投稿作品投稿して満足できる人間とはレベルそのものが違います。プロであるなら納得いってない仕事でも、媚びて愛想振りまいてユーザーに買ってもらって売り上げ出さなきゃ話にならんのです。そもそもそういう世界に彼女は自らの意志で踏み込んでんですから、そこは当然了解済みであると周囲は考えてるわけです。
……と、個人的には思うのですが…… う〜ん、自分は頭が固いのでしょうか?




