プロ意識
例えば漫画家さんなんかは大変です。絵が描けるのはもちろんのこと、魅力的なキャラを産み、時に小説より面白いストーリー作る人もいます。その上で厳しい締め切りに追い立てられまくりです。プロアマ同人、その人数も半端ありません。漫画雑誌も創刊される一方で廃刊に追い込まれる数も膨大です。流れを掴んだ時の勢いは凄いのでしょうが、売れっ子になれるのなんてひと握りでしょう。いや、それはどの業界も一緒か。
しかし漫画は絵があるだけにかなりシビア。確かな実力があっても流行に乗れてない絵柄だと人気が出ないなんてことはザラにあります。ひどい時には読者にハブられてるんじゃないかとさえ疑ってしまいます。
だったら優秀な原作者と組めば、とも思えますが、波に乗れない時はとことん乗れないものらしく、どんなにいい原作、作画でも容赦なく打ち切られる事例も少なくありません。今更自分ごときが言うまでもないことですが。
確かに同情してしまいそうなほど気の毒極まりないのですが、中には不屈の闘志で挑み続ける作家さんもおられます。それこそが本当のクリエイターという気がするのです。職人気質とでもいいましょうか。よく分かりませんが。横文字にするから妙に浅薄なイメージになるのかもです。
ペンネーム変えて成年コミック誌で糊口をしのいだり(絵柄でモロバレではあるのですが)、時にゲーム業界でお仕事貰ったり、同人活動で地道にやったり、もしかするとかつてのアシスタントのもとでアシスタントやってるなんて逆下克上もあったりするかもです。それは自分だったらイヤだな。
でもそこまでやるのは尊いと思うし、才能ある人なら耐えるべきだとも思う。それこそプロの姿勢だとも思うのです。
しかしいくら本人に熱意があってもそれが実を結ぶのかは甚だ不明。ヒットと言わないまでも、手応えもなにもなければ仕事を継続するのも困難でしょう。
たまたま創刊された雑誌があって、そこの連載を幸運にもゲットできても、打ち切られない保証はありません。安定した人気を得ても雑誌自体がなくなるリスクもひと昔前とは比べ物になりません。
自分の好きな絵柄の漫画家さんなんかも結構キャリアはあるんだけど、何故かヒットに恵まれないんだこれが。絵は間違いなく上手いと思うんです。冗談抜きに。ストーリー力は……残念ながらそれほどでもないかな? でもキャラは魅力的なので致命的にセンスがないなんてことはないはず。本人のオタク知識もなかなかのもので、マニア受けしそうな一面もあります。でも不幸なことに連載作品はことごとく打ち切りに。
原作者と組んだ作品も個人的に好きだったんだけど、それも打ち切りに。もう、どーせいっちゅうんじゃい! と、ファンの自分でさえ言いたくなるほどなのですから作家さん本人はもっと苦悩されてたことでしょう。。
結局、その作品を最後にその作家さんの漫画は読んでません。しばらくは雑誌を転々とされてたようですが、やっぱり人気はあまり出なかったようです。その作品てのも明らかに時代に迎合したような作風で、絵も上手いだけに逆に読んでてツラかったです。
その作家さん、今も現役なのかな……できるなら現役でいてほしいな。今ならWEB漫画とかもあるし、あの人の実力ならいつかブレイクできると自分は思ってるんですけどね……
校了してから気になったのでウィキってみると、原作は別の人で2010年頃に単行本20巻ほどの連載作品をものしておられました。やっぱり実力あったんだなと嬉しく思うとともに、その作品だけ全く知らなかった自身のアンテナのポンコツぶりを猛省するばかりです。




