ウッディさんに捧ぐ
みてみんにて交流のある方にファーストガンダムのザコメカ、ファンファンをフェルト化していただいた。軽い冗談のつもりだったのに、ありがたいこってす。この場を借りて御礼申し上げます。読んでおられるかは分かりませんけど。
「なんでファンファンなんだよ。ウッディさんはなんでまたあんな棺桶に乗って出撃したんだ。死亡フラグ確定じゃん」てなツッコミ入れたくなる人も多いかと思います。そこで自分の超個人的な考察をここで開帳したいと思います。
ウッディさんは補給部隊のエライ人なのでハードな戦闘訓練を受けてるわけではないのでしょう。軍人が全員戦闘のエキスパートってわけもないでしょう。たぶん、操縦できる兵器がその場ではファンファンしかなかったのでファンファンに乗り込んだのでしょう。
それはいいとして補給部隊の指揮官ならなにも自ら兵器に乗って最前線に出る必要などないのです。戦闘は専門家に任せて後方支援に徹しろやってのが正しい判断です。にもかかわらずファンファンなどという申し訳程度の武装を積んだホバー車輌で赤いモビルスーツの前に踊り出る……ここから導き出されるのは実はウッディさんは死に場所を求めてたんじゃないのかという仮説。
最愛の婚約者を失い、ウッディさんはもう生きる意味を見失ってたんじゃないでしょうか。もちろん軍人がそんな青臭い弱音など吐いてられません。士気に関わります。自殺などもってのほか。軍規が乱れます。
自惚れるんじゃないとアムロを正論で叱咤しつつも、実はウッディさん自身、アムロの胸ぐら掴んでなんで婚約者を助けられなかったと言いたい気持ちを抑えてたのかもしれません。軍人が言っていい言葉ではありません。
それを先にアムロに謝罪されてしまったので、努めて平静を装っていたウッディさんもつい冷静さを欠き、いかにもな軍人面でアムロを責めてしまったとも考えられます。
私はガンダムを愛しているなどともっともらしいことを言いながら、本当は婚約者の死に関わったガンダムなど見るのも辛かったのかもしれません。でも、その婚約者が命懸けで守ったガンダムと、そのクルーたちに出会ってウッディさんもひとつの気持ちの整理がついたのかもしれません。もう思い残すことはないと。
そこへ敵部隊の攻撃。ウッディさんは内心、しめたと思ったのかもしれません。目の前には赤いモビルスーツ。
戦闘にかけてはプロと言っていいアムロの制止を振りきり、ファンファンなんぞに乗ってノコノコ赤い彗星の前に踊り出る……撃墜されるのは火を見るより明らかです。
あの結婚式のイメージはありえたかもしれないひとつの未来を、アムロがニュータイプの能力で垣間見たのかも。
そう考えると、あのウッディさんの一連の言動は胸を締め付けるものがあります。
もちろんこれは自分の勝手な想像です。制作サイドがそこまで考えてたのかは知りません。でも作品にあれこれ想像を膨らませるのもユーザーの楽しみ方のひとつでしょう。




