表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
信玄の厠  作者: 厠 達三
17/651

ラグビーブーム

 いま現在かつてないほどラグビーがキております。普段からそんなに人気あったっけ? と言わずにはおれないほど大量のファンがメディアに露出してますねえ。

 自分が知らないだけでそれくらいの潜在ファンが元々いたのかもしれませんが。いや、社交辞令はよそう。その大多数がにわかファンってことは誰にでも分かるしご本人たちにもその自覚はあるのでしょう。

 ラグビーであれペタンクであれEスポーツであれ、メディアに取り上げられるほどブレイクすりゃその尻馬には誰しも乗っかりたいですもん。女のコとハイタッチしたいですもん。あわよくば交際まで持って行きたいですもん。もうラグビー関係ナシ。ある意味、男らしい。


 もちろん、ブームを起こすのなんてアスリート、関係者各位の努力だけでも無理。ジャイアントキリング! とか、歴史的一勝! とかメディアが繰り返し大々的に取り上げてくんなきゃブームにはなりえません。一番得するのがメディアであれ、たとえ一過性の瞬間最大風速でもブームのひとつでも起きてくんなきゃ裾野は広がりませんから。にわかファンが大量生産されたとしてもそれはそれで歓迎すべきことだってのは分かってるんです。

 まあラグビーの賭け事とかやってる不謹慎な人たちにはブームになろうがなるまいがどこ吹く風なんでしょうけど。ある意味、男らしい。


 またにわかが……と思わなくもないけど、にわかでも何でもそのスポーツの振興に一時的にせよ貢献してるんだから、にわかにすらなれない自分のような人間こそ

関係者にとってはクソの役にも立たない鼻つまみ者なんだろうな。

 それは分かってるんだけど、どうにもにわかというものに反感を覚えてしまうのはブームが過ぎ去ったあとはほとんどの人がさっさと忘れてしまう、忘れてしまうどころか封印したい黒歴史化までしてしまいそう、って偏見があるからです。祭りが終わったあとのあのなんとも言いようのない虚しさが無駄に増幅されるような気がしてしまうのですね。こんなこと考えちゃってる時点でもう自分自身、にわかの一人なのかも。


 そこいくとプロ野球の観客席でオレンジ色のタオル振ってる人たちのなんと爽やかなこと。いや、オレンジ色じゃなくてもいいんですけどね。

 ちょっと前までは巨人ファンという人種は信用ならないくらいに思ってたのに、今ではエールさえ送りたい気分です。にわか以上に変節漢なワタシ。

 大体トップクラスの選手がどんどんメジャーに流出してるこのご時世で国内のファンを続けるってのも凄いことです。その間にも卓球ブームとかバレーブームとかあったし、今のラグビーブームのまっただ中でさえ、メディアに注目なんかされてなくっても球場へマジメに足運んで声援送ってるんです。彼らこそ(まこと)のファンというものなのでしょう。


 今のプロ野球界はまだ暗黒時代と呼べるほど衰退してるわけではないのでしょう。それでも一時期の隆盛を考えるにつけ、かなり下火にはなってるようです。今こそ、彼らのファンパワー、そして球界の底力が試されているのです。


 そういえば横浜ベイスターズが数十年ぶりに優勝するかしないかって年に巨人ファンを公言してたアーティストが横浜ファンに鞍替えしてたけど、彼は今でも横浜を応援し続けてるんだろうか? こんな時こそ応援ソングの一曲でも贈ってほしいもんです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ