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2.ギルドの思惑。

あとがきに最新作情報。


久々の更新で申し訳ないっす_(:3 」∠)_









「……え、エンシェントドラゴン?」

「うん、そうなんだよね。ダンジョン最奥にいる、って言ってたけど」

「でもでも、それって確定情報じゃないんだよね?」




 ギルドを出て、ボクはミクリアとリュカさんの二人と合流した。

 そして、ギルドの中で出された課題について説明する。リュカさんはあからさまに目を丸くして、ミクリアは首を傾げながら訊いてきた。その反応も当然だろう。

 だって、彼の竜はあくまで存在が囁かれている『噂』に過ぎないのだ。



「……そう、だね。ギルド長は、正確な情報を言わなかった」

「それ、受ける必要あるの……?」

「うーん……」



 だから、少女の言う通り。

 疑問を呈するのが普通であって、そもそも達成可能かすら怪しかった。つまりは最奥まで到達したは良いものの、エンシェントドラゴンなんていませんでした、ということもあり得る。その場合、当然ながらクエストは失敗ということになるだろう。

 だとすれば、そもそも受ける方が馬鹿らしい。

 そんな結論になっても、おかしくなかった。だけど、



「でも、なにか気になるんだ」

「気になるって、何がですか……?」



 ボクがそう口にすると、次に首を傾げたのはリュカさん。

 彼女はあの日以来、丁寧になった口調でそう言った。それにまだ慣れないものの、ボクはしばしの思考の後にこう答える。



「ギルド長の言葉には、確信めいたものがあった。そんな気がする」――と。



 すると女性陣は顔を見合わせて、小さくため息をつくのだった。

 そして、ミクリアが肩を竦めてこう告げる。



「だったら、行くしかないよね」

「えぇ、リーダーである師匠が言うのであれば」



 それに対して、同意するように頷くリュカさん。

 ボクは二人のどこか諦めたような笑みに、こう言うのだった。





「それじゃ、行こうか! ……あとリュカさん、師匠はやめて?」――と。










 ――一方その頃、窓越しにヘリオスたちを見る者たちがいた。




「ギルド長。オレはこんなクエスト、滅茶苦茶だと思いますがね」

「はっはっは! そう言うな。これも、試練というものよ」




 受付の男性、ドンガの意見に笑って答えるギルド長。

 そんな上司の反応に、部下であるドンガは大きくため息をついた。この老人の気紛れや思い付きは、いまに始まった話ではない。しかしながら、今回は滅茶苦茶だった。

 そもそも実在さえ、どこの誰が言い出したか分からないドラゴンの討伐だ。受ける方も受ける方だが、依頼する方も依頼する方だろう。



「ギルド長、そこまで言うなら考えがあるのでしょうね?」

「んー……? まぁ、少しな」

「少しって……」



 そう思いながらも訊ねると、返ってきたのは曖昧な反応だった。

 やはり、この上司は駄目かもしれない。



 ドンガがそう思って、自分の仕事に戻ろうとした時だった。






「あの少年になら、彼の竜も姿を現わすじゃろうて」

「あ……? 何か言いましたか、ギルド長」






 静かな口調で、ギルド長がそう口にしたのは。

 ドンガは眉をひそめて訊き返した。

 すると、





「なーに、ちょっとした忘れ形見の話じゃよ」






 長は静かに窓の外。

 そこから天に昇る太陽を見上げるのだった。




 


https://book1.adouzi.eu.org/n6663hx/

勉強がてら、異世界恋愛も書いてみました。

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