2.ギルドの思惑。
あとがきに最新作情報。
久々の更新で申し訳ないっす_(:3 」∠)_
「……え、エンシェントドラゴン?」
「うん、そうなんだよね。ダンジョン最奥にいる、って言ってたけど」
「でもでも、それって確定情報じゃないんだよね?」
ギルドを出て、ボクはミクリアとリュカさんの二人と合流した。
そして、ギルドの中で出された課題について説明する。リュカさんはあからさまに目を丸くして、ミクリアは首を傾げながら訊いてきた。その反応も当然だろう。
だって、彼の竜はあくまで存在が囁かれている『噂』に過ぎないのだ。
「……そう、だね。ギルド長は、正確な情報を言わなかった」
「それ、受ける必要あるの……?」
「うーん……」
だから、少女の言う通り。
疑問を呈するのが普通であって、そもそも達成可能かすら怪しかった。つまりは最奥まで到達したは良いものの、エンシェントドラゴンなんていませんでした、ということもあり得る。その場合、当然ながらクエストは失敗ということになるだろう。
だとすれば、そもそも受ける方が馬鹿らしい。
そんな結論になっても、おかしくなかった。だけど、
「でも、なにか気になるんだ」
「気になるって、何がですか……?」
ボクがそう口にすると、次に首を傾げたのはリュカさん。
彼女はあの日以来、丁寧になった口調でそう言った。それにまだ慣れないものの、ボクはしばしの思考の後にこう答える。
「ギルド長の言葉には、確信めいたものがあった。そんな気がする」――と。
すると女性陣は顔を見合わせて、小さくため息をつくのだった。
そして、ミクリアが肩を竦めてこう告げる。
「だったら、行くしかないよね」
「えぇ、リーダーである師匠が言うのであれば」
それに対して、同意するように頷くリュカさん。
ボクは二人のどこか諦めたような笑みに、こう言うのだった。
「それじゃ、行こうか! ……あとリュカさん、師匠はやめて?」――と。
◆
――一方その頃、窓越しにヘリオスたちを見る者たちがいた。
「ギルド長。オレはこんなクエスト、滅茶苦茶だと思いますがね」
「はっはっは! そう言うな。これも、試練というものよ」
受付の男性、ドンガの意見に笑って答えるギルド長。
そんな上司の反応に、部下であるドンガは大きくため息をついた。この老人の気紛れや思い付きは、いまに始まった話ではない。しかしながら、今回は滅茶苦茶だった。
そもそも実在さえ、どこの誰が言い出したか分からないドラゴンの討伐だ。受ける方も受ける方だが、依頼する方も依頼する方だろう。
「ギルド長、そこまで言うなら考えがあるのでしょうね?」
「んー……? まぁ、少しな」
「少しって……」
そう思いながらも訊ねると、返ってきたのは曖昧な反応だった。
やはり、この上司は駄目かもしれない。
ドンガがそう思って、自分の仕事に戻ろうとした時だった。
「あの少年になら、彼の竜も姿を現わすじゃろうて」
「あ……? 何か言いましたか、ギルド長」
静かな口調で、ギルド長がそう口にしたのは。
ドンガは眉をひそめて訊き返した。
すると、
「なーに、ちょっとした忘れ形見の話じゃよ」
長は静かに窓の外。
そこから天に昇る太陽を見上げるのだった。
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