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魔法と魔人と王女様  作者: 月立淳水
幕間3
85/176

おまけ:人物紹介(4)(三人の強敵)

幕間のおまけコンテンツ、人物紹介その4、三人の強敵たちです。多少のネタバレを含みます。興味ない方は次話に進んでください。

■ウドルフォ・ロッソ


 エミリア王国の、三大公爵家の筆頭の当主であり、王国の摂政。


 現在の国の在り方。

 将来の国の行く末。

 いずれそのかじ取りをするであろう次代セレーナ・グリゼルダ・グッリェルミネッティ。


 彼は、そのすべてに常に心を砕き続けています。


 セレーナの若すぎる考え方の危うさに悩み、それを正そうと奔走する彼は、作中で一番の苦労人。


 だからこそ、セレーナの敵として立ちはだかってしまうことになります。


 また、ちょっとした野心家でもあります。


 複雑に絡み合う諸侯の血筋、王家にもっとも近い血筋であることを誇りとするロッソ家の、その誇りを守るために、いろいろと画策をしているようです。


 ちなみにアルフォンソの妃、つまりセレーナの母の輿入れでは他の公爵家にまんまと出し抜かれ、その後添えの輿入れにも失敗し、最後の策として我が子の養子入り、という手に出たようですが、さて、その策の成否は、結局は何年ものちにならなければ分からないでしょうね。相手がセレーナでは一筋縄ではいかないでしょう。


***


「殿下、この摂政めの言葉は、陛下のお言葉にございます」


「我が王国が何に寄って立つか、殿下がご存じないとは思えませぬ」



■コンラッド・マルムステン


 ロックウェル連合国の国務統括本部長。五十七歳。


 ロックウェルにおける大臣の中の大臣とも言うべき座にこの年齢で就いていることは彼の才能のなせる業。


 第一部だけのチョイ役かと思いきや、最終盤まで関わってきます。


 小心者で臆病で疑り深い、と書くとちょっとジュンイチに似ていますが、そんな性格と、表向きは尊大で物怖じしない態度、加えて卓越した政治の才能が組み合わさってこそ、この地位にあるようです。


 ロックウェルの複雑な政治機構の中で方向を見失わず泳ぎ続ける政治的嗅覚は抜群。


 本来はセレーナごときが太刀打ちできるような相手ではなく、政治的駆け引きとなれば瞬殺です。


 陰のラスボスみたいなものですね。


 もちろん、すべてが終わった後も、彼はさらに謀略を巡らせて一ミリでも宇宙の覇権に近い位置にロックウェルを置こうとすることでしょう。


***


「もちろん、分かっていますとも。我がロックウェルに幹をつかまれ、その根は地球からも抜き取られ、弱り枯れ果てていくしかない大輪の花、ですかな」


「良い、お友達をお持ちですな」



■ラウリ・ラウティオ


 セレーナの転入直後、大崎純一の高校に同じように転入してきた高身長の金髪美男子。


 彼は謎の人物として突然ジュンイチたちの高校に現れます。


 ですが、すぐに彼の正体は知れ、ジュンイチのライバルとして立ちはだかります。


 その正体は、地球で新連合国と対抗する勢力、自由圏連盟の送り込んだ諜報員。いわゆるスパイという奴です。


 宇宙の大国同士が火花を散らしあう中で、小国同士の共同体である自由圏も必死で生き残りの道を探ります。そんな中に降って湧いた、エミリア王女と新連合人の奇妙な組み合わせ。急遽その元に高校生と言っても通じる程度の容姿の者が送り込まれることになりました。それが、ラウリ。


 彼は二人の仲違いを招き、あわよくばその副産物としてエミリア王国の弱みでも握ろうと二人に近づきましたが、結局ジュンイチの力で彼もリタイアへ。


 彼が、ジュンイチたちや、セレーナに、どんな気持ちを抱いていたのか。


 彼はそれだけは決して口にせずに、自らの運命を抱えて沈んでいくことになります。


***


「分かっているとも。君は君のすべきことをしているだけだ。だが、それが、いずれ、あの王女を傷つけることになる。これは助言じゃない。警告だ」


「さて、では、僕の心に残った最後の友情の一滴を、ここで絞り出してしまうことにしよう。さっきの話の続きだ。それで君たちとはさよならだ」



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