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魔法と魔人と王女様  作者: 月立淳水
幕間3
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おまけ:人物紹介(3)(三人の保護者)

幕間のおまけコンテンツ、人物紹介その3、三人の保護者たちです。多少のネタバレを含みます。興味ない方は次話に進んでください。

大崎おおさき 綾子あやこ


 大崎純一の母。地球新連合国の職員。


 落ち着きがあって思慮深く、一方で情熱的に仕事に取り組む、典型的なキャリアウーマン。実際、外交官としての職務能力は職場でも一目おかれているばかりか、相手の国々にも怖がられているほど。


 なんだかだで重要な役回りを演ずることになってしまう彼女。


 セレーナとの友情に身を献じようとするジュンイチに対しては、母として、あるいは敵として、何度も立ちはだかります。


 すべての人類の母たる存在である地球、それを象徴する重要なキャラクターとしての母です。


 ほんと、なんでこんな出来た人が、あんな男と結婚したんでしょうね。


***


「自分の人生よ。自分で決めなさい。この母に従って安穏な人生を送るか。この母を敵に回してでもエミリア王女との友情をとるか」


「さあ、今すぐ本国に電信を打ちなさい!貴国は、我が地球新連合を、母なる地球を相手にする覚悟がおありか、と!」



大崎おおさき 譲二じょうじ


 大崎純一の父。半分主夫の道楽者。


 自宅併設の小さな小料理屋の主人ではあるんですが、そこでちょっとでも儲けて家計を助けようなんて気は毛頭無いようです。


 料理の腕は、いたって平凡。料理屋をだましだましやっていく程度には十分だけれど、妙な創作料理はお世辞以上の賛辞が得られることは無いようです。ただ、その気さくな人柄で特に売り上げに貢献しない常連はいくらかはいる模様。


 ジュンイチからもさほど信頼されているでもなく、ほかに相談する相手がいない本当に困った時にだけ相談される存在。


 でも本人はあまり気にしていません。


 彼は子供の理解者。子供が実は大人でありたいと思っていることを誰よりも理解しています。


 だから、本当は口出ししたいこともぐっとこらえて黙って見ている。


 それが理想的な父親なのかどうかは別にして、彼は彼で、いろいろ考えてるんです。


***


「ま、若いうちは何でもしてみろ。飛び越えられないかもしれない谷間も、飛んでみれば案外向こうに飛びつけたりするもんだ」



■アルフォンソ・グッリェルミネッティ


 エミリア王国の国王。作中でほとんど本名が出てこない不遇の人。


 宇宙一のお金持ち国家であるエミリア王国の国王ですが、政治のほとんどを摂政に任せているため、あまり政治に口出しはしない模様。もちろん象徴的な存在としての国務や外国訪問は非常に忙しく、政治に携わる暇さえないというのが実情。


 ただ一方、一人娘セレーナのことまで摂政や諸侯に任せていることにちょっと不安も感じています。王妃の早世という不幸に見舞われ忙しい自分と娘のことを精一杯考えた結果ではあるのですが、あまりに物分りよく運命を受け入れる娘を見るにつけ、違う選択があったのではないかと思うことも。


 その一方で、一国の国王として、民に寄り添うことは当然として、時には冷酷な判断をしなければならないことも理解しています。その冷酷な判断の対象がたとえ実の娘だったとしても。


 エミリアという国が乗っている危ういバランスのことを、摂政ウドルフォ・ロッソとともに最もよく理解していて、強国であり続け、さらに強い国にして娘の代につなげなければならないという強い義務感さえ持っています。


 決して誰にも罰せられない国王だからこそ、彼の苦悩は誰よりも深いのです。


***


「やめなさい。お前が私の前でその権利を使えば、お前は裁判を受けなければならない。……ウドルフォ、分かってやれぬか、我が娘の気持ちを。この子は、ジュンイチ殿を戦争に巻き込みたくないのだよ」




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