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国民的歌手のクーデレ美少女との恋愛フラグが丈夫すぎる〜距離を置いてるのに、なんで俺が助けたことになってるんだ!?  作者: 午前の緑茶
第四章 勉強会編

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第15話 お誘い

「明日勉強会やろうって話になってるんだけど、潤も来る?」


 5時間目の休み時間、体育館の更衣室で着替えている時だった。服を脱ぎながら市川が誘ってきた。


「勉強会?」

「そう。期末テスト近いじゃん? 藤崎とも話したんだけど、せっかくだし色んな人誘おうってなっててさ」

「なるほどね……」


 勉強会か。確かにいいかもしれない。自分一人でやったところで、なかなかやる気が出ないし、機会があるなら出てみるのはアリか。


「あ、ちなみにクラスの女子も参加予定」

「そっか。ごめん、今回はパスで」


 あ、危ない。危ない。そういう情報は真っ先に教えてくれ。女子と関わる機会が増えるような所にわざわざ行くとか、絶対勘弁だ。自殺行為にしかならない。


 断られた市川は唇を尖らせるけど、それ、全然可愛くない。


「えー、残念だなぁ。用事ないなら来てよ。潤ともっと話したいしさ」

「俺と何話すんだよ」

「……ほら、シャートンとか?」

「お、言ったね? 俺は今すぐでもいいけど?」

「あ、やっぱり結構です」


 せっかく話す気満々になったというのに、すげなく断られた。残念。


「まあ、シャートンは別としてもさ、暇ならいいじゃん。それとも何か用事でもある感じ?」

 

 相変わらず押しが強い。これは何も用事ないと言えば頷くまで誘われる流れだろう。

 別に勉強会自体に参加することはいいけど、女子がいることが問題だ。


「あー、ごめん。実はもう秀俊と約束あってさ。そっちと勉強会することになってるから」

「そっかー。じゃあ仕方ないか」

「悪いね。他の人も何人か一緒にやる予定だし、一緒には出来ないからさ」

「おっけー。まあ、また誘うよ」


 ひらひらと手を振って藤崎達の方に戻っていく。とりあえず適当にでっち上げてみたが上手くいったみたいだ。女子と関わるなんて冗談じゃない。


 ほっと小さく息を吐く。脱力していると、肩を重みを感じた。


「おい、今の話なんだよ」

「聞いてたのか」


 俺の肩に腕を乗せる秀俊。


「市川から勉強会誘われてさ。断るのに適当にでっち上げてた」

「勉強会? いいじゃん。どうして参加しないんだ?」

「クラスの女子も来るっていうし、流石に大人数じゃ勉強にならないでしょ」

「あー、確かにな。話して終わる未来しか見えないな」

「でしょ? まあ、適当に言っただけだから気にしないでよ」


 肩をすくめてみせる。市川を誤魔化せれば良かっただけなので既に目的は達成している。


「勉強会かー。一緒にやるか?」

「お、意外と乗り気? 全然いいけど。俺的には割とピンチだから助かる」


 珍しくやる気を見せる秀俊。俺としてはありがたい。女子が参加するから断っただけであって、一人だと勉強出来ないタイプなので助かる。


「でも、俺と秀俊だけだったら、分からない問題絶対解決しないと思うんだけど」

「それなー。俺たち同じくらい順位だもんな」

「確か秀俊って、委員長の桂木と仲良かったよね?」

「あー、桂木ね。同じ中学だからな」


 桂木は自分のクラスの委員長で、この前の中間テストでは5番だったのを覚えている。あれだけ頭が良いなら、色々助けてもらえるだろう。


「そしたら桂木誘おうよ。分かんなかった時とか頼りになるだろうし」

「ああ、いいよ。そしたら俺が誘っておくわ。断られたら、その時は別な人でもいいだろ?」

「うん、全然いいよ」


 別に桂木にこだわっているわけではないので、誰だって構わない。クラスの女子と関わる機会にならないなら問題なしだ。

 こうして秀俊と勉強会をする約束が決まった。


 急ではあったけど、期末テストも近いし、自分としてもありがたい。明日は頑張ろう。そう思っていたのだが。


 翌日。


「あ、潤。勉強会のことなんだが、桂木は用事あるって断られた」

「そっか。それは残念」

「まあ、でも安心して。ちゃんと頭良い人確保してきたから」

「お、やるじゃん。誰?」

「山田さん」

「え?」

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― 新着の感想 ―
[良い点] お勉強会来た! 逃げ場のない中、これでもかとてれさせられる山田さんの未来が見える(*´ω`*)
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