表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/90

妹がいるらしい


『テーレレ テレーレレ テレ…』


「…んっ!!」


反射的に体を動かし、アラームを止める。


昨日、ニュースを見て驚いたので寝る直前まで、パソコンで色々調べてみた。

スマホは担任との電話の後に充電切れになったので使わず放置した。


調べた結果、何故か昔から男性の出生率が低く、女性中心の社会が成り立ってきたみたいだ。

江戸時代とかは男性1に対し女性5くらいで、その時から一夫多妻が当たり前の社会になったらしい。


だが、問題は昭和の始めにベビーブームが起き、男性が婚期を逃した女性や子どもが欲しくなった女性に襲われる事件が多発したため、女性嫌いの男性が増加しはじめた。


女性を嫌いになり逃げていく男性が増える一方、男性を求める女性は増加。

ベビーブームで生まれた子供も圧倒的に女の子が多くなり、その女の子達も母親の影響で男性に積極的に。

男性は甘やかされるが、成長したら襲われ…。


…などなど、様々な問題が起きてしまった過去があるみたいだ。


今現在はニュースで言っていた通り、男女比1:10。

男の方がいいと思う男性が増えて男性の同性愛者50%越え。

だがしかし男性の生まれる確率は相変わらず。


…これはもしかしたら、前も後ろも守らなければいけない事態になるかもしれない。男の二人に一人は…その…だからね。


(…まあでも、襲われるなんていくらなんでもあるわけないし。なんなら別に…。…それよりも早く準備して学校に行ってみないと。編入…か。緊張するなぁ。分からないことばかりだし。でも、女の子が多ければいいなー)


そんなことを呑気に思いながら、時間に余裕はあるのでゆっくりと身支度を整える。


神アニメの「デート・ア・○イブ」で見たことあるような紺色の制服が俺の高校の制服らしい。


取り敢えず夏なので、薄地のズボンと長袖Yシャツを着る。夏なので上はYシャツだけで良いだろう。半袖Yシャツは探したが無かったので仕方がない。


着替え終わり鏡を見る。

…ふむ、コスプレをしたような中々新鮮な感じだが、なかなか似合っているではないか。


着替えた後は朝食の準備に取りかかる。

冷蔵庫にあった食パンをトースターで焼き、コーヒーを飲みながら食べる。


俺は普段ご飯を食べながらスマホを見る癖があるので、スマホを開く。ミュートにしていたので気付かなかったが、大量のメッセージが届いていた。


ー メッセージ ー


母親 『修くん大丈夫!?先生から学校休んだって聞いたけど。編入なのに修くんに付いていってあげられなくてごめんね。私は仕事で当分日本に帰れないから、芽亜めあに頼んでしばらく様子を見てもらうことにしたからね。』


母親 『修くん、メッセージ見たら返信お願いね。』


母親 『修くん、大丈夫!?』


母親 『修くん、心配だから朝一で芽亜めあに様子見に行くようお願いしたからね。』


…などなど続いておりって、心配しすぎだわ。

ってか、芽亜って誰やねん。そんな知り合い、前世にはいなかったぞ。

それに…


(母親は俺が幼い頃に父さんと離婚して隣町に引っ越していたはず。別人って事…かぁ?それとも…。それに、連絡先に父親がないってことは、この世界にはいないのか、父さん。…もしかして…男友達の大半も。)


ただ、過去に戻っている訳ではなさそうだ。

少なくとも男が少なくなっているという要素が加わっている。

つまり…前の世界にいた父親や男友達はきっと…。


「…男が少なくなるのは寂しいなぁ。…まあ、女の子にモテモテになれるなら…いい…かなぁ。…俺の今までの男友達よ、俺の記憶の中で安らかに眠れ!」←薄情


寂しいのは事実だが、その分この世界で楽しめばいいだろう。

過去の男友達の弔いをした後、心配してくれた母さんに「スマホの充電切れてただけだから、安心してね」と返信をする。


その後、スマホをスクロールして母親からでは無い、もう一件のメッセージを開いた。


ー メッセージ ー


妹 『お兄ちゃん、大丈夫?心配だから朝、アパートに行くね!』


…妹…だと!?

妹なんていたこと無かったぞ。

連絡先にあったからもしかしたらとは思っていたが、本当にいるとは…。


…ハッ!!気がついてしまったぞ!


「働きたくない」という願い事はもしかして、「母親と妹が俺のこと心配過ぎて一生面倒を見てくれる」とか、そういう叶い方なのではないか!?


母親一人だと俺の面倒を見きれないかもしれないから、神様が妹を創ってくれたのかもしれない。

でも、母親と妹に養ってもらう兄って、それは流石に情けないから嫌だな…。


それにしても妹ってどんな子だろう?

俺に似てるのかなぁ。

……気になる。


そんな事を考えつつ、取り敢えずは学校の準備をすることにした。



ー しばらくして ー


ピンポーン


学校に行く準備を済ませテレビを見ていた時、インターホンが鳴った。


「はいはーい」


玄関の鍵を開けると、そこにはランドセルを背負った夏らしい白いワンピースの小さな女の子が。

黒髪でショートヘア、肌は白く長いまつげにぱっちりとした目をしていて、身長は俺の溝内くらいの高さだ。

俺にはあまり似ていない…かなぁ。

可愛いけど…。


その子は、俺のことを見た瞬間、とても嬉しそうな顔をして、にっこりと微笑んだ。


(……えっ…天使?…いや…天使だ。)


笑顔がとてつもなく素敵な女の子だと思った。

一瞬、外の太陽の光のせいか、白い翼が生えた天使に見えた。


「…えっと、…どちら様?」


多分、今までの流れから考えて「朝一で様子を見に来るという芽亜という名前の子」=「妹」=「目の前にいる女の子」ってことだろう。

でも、初めて見る女の子だから、首を傾げて正直に聞いてみた。


すると、女の子は悲しい顔をして次に怒った顔をして、右足を振りかぶり、俺の股間を思いっきり…って…


「ぎぃゃーゃーあぁぁ!」

「お兄ちゃんのバカ!」


冷静に解析している場合ではなかった。

股間を蹴られた。

玉が上に上がって来ようとして気持ちが悪い。


「ぬぅぉー!うぁーー!」


お兄ちゃんと呼ばれたことに気がついてはいるが、痛みでそんな事を考えている場合ではなかった。

…好戦的なのか!?

だとしても玉はやめてくれ!

俺の玉には価値があぁぁぁあ痛い。


「お、お兄ちゃんが悪いんだからね。芽亜の事を冗談でも…ど、どちら様って言ったんだから。ひ、久しぶりに会ったからといって実の妹忘れないでよね。…本当に悲しかったんだから」

「…うぅー、くっ、ぐぉぉー!」


目尻に涙を浮かべ切ない顔をしながら、こっちを妹(芽亜)が見ているが、ピョンピョン跳ねながら痛みを和らげる。

普通ポカポカお腹のあたりを叩くくらいだと思ったのに涙。


そんな俺を見て妹はさっきとは変わって焦り始めた。


「…ご、ごめんね、お兄ちゃんがそんなに痛がると思わなくて…!

ど、どうすればいいの?お兄ちゃん。ねぇ…ご、ごめんね。…本当に…ごめんね」


尚も苦しむ俺に対して流石に反省したのか、涙目になって素直に謝ってきた。

くっ、そんな可愛い顔されたら許しちゃうじゃないかぁ。


「…芽亜よ、男の急所は絶対に蹴ってはいけません。…分かったか?」

「ご、ごめんなさい」

「…ふぅ…。うん、素直でよろしい!まあ、俺も悪かったよ。冗談言って悪かったな。さて、もうお兄ちゃんは大丈夫だからな」


俺はそう言いながら、妹の頭をなでなでする。

さっきまで玉を抑え…。


前世では妹などいなかったので、よくアニメで見るような対応をしてみる。

妹が居たら撫で撫でしてみたかったのだ!

細く柔らかい髪の感触がとても心地よい。


「っ…!」


お、妹の顔が真っ赤になった。

反応も表情もかなり可愛い。

俺の中で何かが更に目覚めそうだ。


神様、僕にこんなに可愛い妹をありがとうございます!


「…さて、出会いは散々だったが俺は心配しなくて大丈夫。あ、そうそう、芽亜聞きたいんだが、母さんが仕事で帰れないって言ってるけど、お前は母さんと二人で住んでいるのか?」


俺のスマホに入っていた連絡先は母さんと担任と妹のみ。

他に家族がいたら知らないといけないし、いないなら妹を一人にしたら心配だと思って聞いてみた。


「…?そうだよ!お兄ちゃんが高校生になってからお母さんと二人暮らしだし…。どうしたの?気になる事でもあったの?」

「あー、少しね。母さん海外行ってるんだろう?一人で大丈夫か?夕飯とか。寂しくないか?」

「…大丈夫だよ!もう慣れちゃったし。家事全般きちんとやってるよ!」


妹は無い胸を張って答えたが、俺は妹が少し表情を曇らせたのを見逃さなかった。

人の感情の変化には敏感に生きてきたからね。

…顔色を伺って生きてきたとも言えるが。


いくらなんでも母さん。妹一人は酷いって。いくら妹がしっかりしていたとかても…だ。

この世界では当たり前なのか?


「そっか、芽亜は偉いな。だけど、お兄ちゃんは芽亜が心配だから母さんのいない間はここで暮らしなよ。一人よりは二人の方が良いだろ?それに…お兄ちゃんはもっと芽亜と仲良くなりたいし」


俺は小学生の妹が一人で寂しくご飯を食べるところを想像すると、いたたまれなくなったので提案した。

小学生が一人でご飯って、もし自分だったらって思うと寂しいしね。

…親の離婚を経験した俺は、夕食で一人になった時の寂しさも知ってるからね。


「…良い…の?お兄ちゃん」


少し考えた様子の後、首を少し傾げ上目遣いで妹が見てきた。

…ヤバい、可愛い抱き締めたい。


「もちろん、可愛い妹の為だ。今日高校終わったら家に迎えにいくから。また、何かあったら電話するね」


そう言うと、妹は満面の笑みを浮かべて抱きついてきた。

腰にしっかりと手を回しお腹に顔を擦りつけてくる。

…ふぅ…最高だ。


「ありがとう!お兄ちゃん大好き!!」

「ははっ、ありがと!お兄ちゃんも大好きだぞっ!」


俺はそんな妹の頭を撫でつつ、「素敵な妹をありがとう!」と俺の人生を変えてくれた神様?に感謝をしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この世界観で超絶貴重な男の玉蹴り上げるの?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ