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あなたはだあれ?

「…さん?皆谷さん?」

「へっ?」

「どうしたのボーっとしちゃって、あ、もしかして気になる子でもいた?」

どうやら私は思い切り変な方向を見ながら硬直していたらしい、とはいえ目の前でいちゃいちゃされたらすごく反応に困るわけで、

「そんな、流石に入学初日で運命の人を見つけるほど私は運は良くないよ」

と未だにいちゃいちゃを続ける音野さんを前に私は取り留めのない話題で間をつなぐことにした。

「ところで、後ろの子は音野さんの知り合いかな?」

「ああ、この子は中野 倞(なかの けい)ちゃんだよ、倞ちゃん、こっちがクラスメイトの皆谷さんだよ」

「え、えーと、皆谷真奈です」

「真奈ちゃんだねーよろしくー」

よろしくと言うなり中野さんは私に抱きついてきた、音野さんのときといい彼女は抱きつくのが好きなのだろうか?

「ちょ、ちょっと中野さん!」

「えー、照れなくてもいいんだよー真奈ちゃん」

「そ、そういうことじゃなくてっ!」

あたってるのだ、立ってる人が座ってる状態の人に抱きついたら女の子のどこの部分が顔にくるとか言うまでもなく分かるだろう。それにしても、制服の上からでは分からなかったが中野さん結構あるんだな…。

「ほらほら、倞ちゃんそろそろ放してあげないと、皆谷さん困ってるよ?」

見るに見かねた音野さんが助け船を出してくれたおかげで私は中野さんから解放された。

ありがたい、これ以上抱きつかれていたら自分の決して豊かとはいえない体型とのギャップに絶望していたところだろう。

「あう、ごめんね真奈ちゃん、あまりにも真奈ちゃんが可愛くてつい…」

「あはは…」

「倞ちゃんは女の子に抱きつくの子供の時から好きだよね…」

「だって女の子っていいにおいするし、可愛いんだもん」

今度は私の頭を撫でる方向にシフトした中野さんを見ながら、私は先ほどからの疑問をぶつけることにしてみた。

「もしかして、音野さんが数時間前にどうのこうの言ってたのはもしかして…」

「そう、倞ちゃんのことだよー」

「二人はどういった関係なのかな?さっきも子供の時からとかなんとか言ってたし」

少なくとも数時間前に初めて出会いました、というような関係ではないだろう。

「まあ、倞ちゃんと私の間柄は見ていればなんとなーくわかると思うけどね、実は倞ちゃんが家の都合で中学2年の時に隣の県に引っ越しちゃってさ」

「なるほど、それで数時間前に久しぶりの再会という事なんだ」

「そうなの、倞ちゃんのいない学校生活なんて全然楽しくないなぁなんて思って家が近いからって理由で適当にここに入学したけどあの話を聞いてたらもしかしたら倞ちゃんに会えるかも…と思ったらさ、本当に会えたんだ!」

「私も、涼ちゃんと会ったときは奇跡か何かだと思ったよー、進学先は絶対女子校って決めてたからまさか会えるとは思わなくってさー」

「ほとんど毎日連絡はとってたんだけど、流石に進学先だけは気まずくて聞けなくてね、それに入学の手続きだなんだで最近は連絡できなかったからね」

「これも『百合の花園』のおかげ…」

「ほら一年生はいつまでも教室に残ってないでそろそろ帰りなさーい」

突然教室のドアを開けて入ってきた教員は教室に残っていた私たちを含む大多数に向かって帰宅を促した。

「あー、もうこんな時間になっちゃったね」

音野さんから質問をされてから、なんと1時間ほど経っていた。

「じゃあこの話の続きは私行きつけの喫茶店でしようか、ここから近いし3人で行こうよ」

「いいね涼ちゃん、私あそこ行くの久しぶりなんだよ」

「音野さん、私も行っていいのかな?」

「もちろん!親睦も兼ねて皆谷さんともう少しお話がしたいからね」

「じゃあお言葉に甘えさせてもらうね」

というわけで学園を出田私たち3人は音野さんの行きつけという喫茶店へと向かうのであった。

割と間が空きましたが第二話です。

まだまだ手さぐりな感じですが、意見感想お待ちしております

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