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ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!  作者: 櫛田こころ


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第6話 これポイ活と言えるか?

 出前で頼んだ宅配ピザだったが。


『ファーム』でも作らせてみたが、外見こそは違ってもきちんとこちらには届いたし。ディスプレイ内のクルスも食べているらしい。


 農園システムでいいのか、ミッションと言うやり方で『経験値=ポイント還元』にすることは可能だったが。


 広告リワードよりも稼げた気がしたのだ。一回で、七百円分は大きいのではないか。まだ還元してないので使用は出来ないが、先にピザを食べていた兄にも聞く必要があるなとタブレットを差し出した。



「お兄ちゃん、こんなでいいの?」

「ふぁ? ……おーおー、基礎整えたらってパターンか。多い方やけど、普通や」

「そ? じゃ、レシピも他に増やしておくか。なんか、クルスの活動ゲージ低いから、寝そうだし」

「せやせや。ちょい特殊なAIやかんな? トラッシュせんように労わったり」

「なにそれ? 放置ゲームとかで、リタイアからまた強くなるとか? 私、そーゆーのは苦手だからやだなあ……お手入れでポイ活に出来るか、あとで調整してみる。あ、これ美味しい」

「パストサラミ、ベーコンにブルスト満載。上のチーズはチェダーベースの濃厚。たまにゃ、こーゆージャンキーなもん食いたくなるわぁ」

「とか言いつつ、会社の社食でもカツカレーとか食べてんでしょ」

「うぐ」



 外回り、気分転換。


 弁当持参が難しい場合は仕様がないと藍葉も思うくらいだ。藍葉自身も毎回毎回自炊は足への負担が大きいので、たまには使いたい。けど、事業として役立つならと宅配弁当の案を思いついたのも本当。


 ジュースで適度に喉を潤し、ピザやポテトとかもある程度堪能したら……自分で組み込んだ『ユーザー機能』で、広告閲覧をしない代わりの作業を始めていく。


 美晴はその間、ゴミのまとめとかをきちんとしてくれているのだが……藍葉が小さい頃から普通にやってくれるので、別段特別扱いではない。



「えーっと。まずはランク昇格」



 クルスのチュートリアルがひとつ完了したので、ポイントをもう一度確認したら……彼のランクを『落武者』から『村人』へと昇格するのに、これだけでいいか悩んだ。


 少し性格設定を美晴寄りにしてみたので、食事をした後だと『睡眠』で一日が終わってしまう。なら、ミッションをもう一つ増やしてポイントへの道筋もひとつ組み込めばいいのでは?


 と思い立ったら、藍葉は自分専用のリモコンを通じて、お風呂の湯沸かしをした。



「おん? もう入るん?」

「ちっがーう。お兄ちゃんが入ってよ。匂いすごいから、さっぱりしてみて? クルスの活動内容にもちょっと入れてみてる」

「おー? 風呂入って……ああ、介護抜きにさっぱりさせんとか? 不潔思われたら嫌やわ」

「好きな入浴剤も使っていいよー」

「ほな、遠慮なく」



 と、美晴は上機嫌で去っていくが、藍葉は遠隔操作で美晴の携帯番号を少し拝借し。その位置情報で、クルスも入浴したくなるミッションを導入してみた。


 流石に、敷地探索とご飯一食を作るだけでポイントがそこそこ貯まっても……ランク昇格はもったいない。であれば、身綺麗にしている間の衣装デザイン時間くらいは欲しかったのだ。

次回はまた明日〜

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