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ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!  作者: 櫛田こころ


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第24話 『定食』とは何か??

 クルスは、新たな連絡板の指示を見て首を傾げてしまう。



「『てーしょく』って、なんや?」



 疑問が浮かんだら、連絡板に新たな書き込みが為された。絵と一緒に説明があり、それを『作れるように』ということらしい。


 主食、主菜に副菜、汁物。


 種類は豊富だが、これは宴用にではなく『一食分』に必要な品目だそうだ。そのために、まずは畑と貯蔵庫から材料を揃えるこから始めた。



「飯か。村やと、スープとパンがあればええとか思っとったけど」



 猪の丸焼きだなんて、結婚などの祝いの席でおこぼれを預かる程度。パンも作り置きが多かった。麦のような穀物を粥にして食べるのもごく稀。


 だが、宝物を埋めて得たこの土地には、見たことも食べたこともない食材が大量に実っている。門の外は豪雪地帯であるのに、風呂場やその周辺はとても温かい不思議なところだが。


 ともあれ腹が減っているので、クルスは急いで作ることにした。



「コメ……は大丈夫。肉の実使っての仕込みは今から。野菜たっぷりのスープにサラダ……美味そうやな」



 肉が木に成っているのはもう今更だと思っているが、この生活を続けさせてもらっている『管理者』へはいくらか従事するくらいはしないと。せっかく生き延びているのだから、今後この建物に誰か来ても無礼のないようにしなくては。



「……俺んついでとは言え。自分で飯作れんのかなぁ?」



 除雪作業中に、敷地の向こうで色々整えてくれていたのは見たものの。食事を用意するのまで手が回らないかもしれない。クルスの生活を覗き見する代わり、と言っては従属させるつもりがあるかも怪しいが。



「まあ、俺も食べれるし……ええか」



 いずれ対面するとかどうかはわからないにしても。もう十日くらい自分を生きながらえさせてくれている『恩人』のような相手には変わりない。


 貴族諸侯らの企てにしては、この生活は穏便過ぎる。何か策を講じたとしても、クルスは管理者を裏切ろうとは今のところ考えられなかった。



「コメ盛った。サラダ、スープ……大丈夫。メイン言う揚げ物も出来た……これでええんかな?」



 自分用はともかく、管理者側には丁寧に盛り付け。連絡版の下にある『提出スペース』へ盆ごと入れれば、瞬時に消えてしまう。その後に、『問題無し』などと文言が見えたら仕事は一旦終わりだ。



「よっしゃ! たらふく食うぞ!!」



 おかわりは山ほどある。


 なんなら、明日の分まで用意はしてあるが今は今食べられる量を食べるまで。今日はもう夜なので作業はあと片付け以外特にない。風呂にもゆっくり浸かれると思えば……と、手を合わせてからメインの『カラアゲ』とやらを口に入れたのだ。



「サクッと……うんまあ!?」



 味付けが、『ショーユ』とやらの木の実の黒い汁を使うレシピ……を見た時はめちゃくちゃ疑ってはいたのだが。実際にレシピ通りに作れば、独特の風味に慣れれば美味いこと間違いなしなのは今回も同じだった。


 せっかくだから、畑の見回りを少ししてから風呂に入ろうなどと、単純思考から意欲的になるまでの効果が出たのはいいものの。


 食べ過ぎのあとは、すぐに動けなかったので自分を叱るしか出来ないでいた。

次回はまた明日〜

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