異世界に転生した男の主人公は、なぜチートスキルを持っているのか

　皆様こんにちは。

　異世界転生物も以前のようなパワーはなくなり、なろうでのメインコンテンツからは外れてきたように感じる今日この頃。いかがお過ごしでしょうか、加藤良介でございます。

　

　今回のテーマは「異世界に転生した男の主人公は、なぜチートスキルを持っているのか」について、考えていきたいと思うのです。

　異世界転生に限りませんが、小説家になろうで描かれる主人公たちには「チートスキル」なる、原理不明の力を持っていることが多く見受けられます。

　調べた訳ではないので印象で語りますが、特に、男の主人公はその傾向が強いのではないでしょうか。男に比べると女の主人公の持っているチートスキルは弱い印象です。

　原理不明、説明不要なのですから、男だろうと女だろうと関係なくチートスキルを持っていてもおかしくありません。

　しかし、私が知る限りでは、男の主人公の方が圧倒的に多いのです。

　なぜでしょう。

　今回も炎上覚悟で、挑発的な考察をしていきましょう。

　①　そういうものだから

　少年漫画的に発想すると、これはデフォルトです。ですので、特に理由はありません。

　主人公は強いのが当たり前で、人が持っていない、彼だけの特殊な力がある事は、理由などなく大前提なのです。

　少年漫画の主人公で、特殊な能力を持っていない人物を探すのは、とても困難です。

　指先一つでダウンさせる人から、腕が伸びる人、オラに元気を分けてくれの人まで、バリエーションも豊富です。

　その流れに乗って「なろう」の主人公たちもチートスキルを持っているのでしょう。

　②　弱いと活躍できないから

　ドラえもんが居ないのび太君に、何ができると言うのでしょう。

　お話に、エンターテインメントになりません。

　無力な小学生の苦悩と葛藤なんてものは、文学でやって下さい。

　「小説家になろう」でこれをやっている人がいたら凄いですよね。

　③　男はすぐに死んじゃうから

　生命体として雄と雌を比較すると、大抵、雄の方が弱い事が多いです。

　筋力などのパワーはありますが、生命力そのものが低い事は、男女の平均寿命からも見て取れます。

　男は「チートスキル」が無いと、直ぐに死んじゃうのです。少なくとも「なろう」では。

　翻って、女主人公はどうでしょう。

　私が「小説家になろう」において、真っ先に思い浮かべる女主人公は、「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった」に登場する「カタリナ様」です。

　私の中では元祖、悪役令嬢はカタリナ様なのですが、彼女は肝心かなめのチートスキルを持っていません。

　ゲームをプレイした記憶は持っていますが、これをチートスキルと呼んでいいのかは微妙です。本人もうろ覚えでしたしね。

　魔法も使えますが、特に巧みという訳ではなく、彼女の上はいくらでもいます。

　カタリナ様は、確かにゲームをプレイした記憶の助けを得てはいますが、基本的にはその溢れんばかりの人徳によって、物語を切り開いていきます。大好きです。

　さて、これを男のキャラで同じことが出来るでしょうか。

　能力は普通か、ちょい上ぐらい、ある程度の知識はあるがチートスキルは持っていない。しかし、高いコミュニケーション能力を生かして、人間関係を構築して大活躍する人物。

　過分ながら心当たりがありませんし、想像すら困難ですね。

　あっ、何の脈絡も必然性も無く、みんなから好かれている説得力皆無の主人公は除外してくださいね。彼らには洗脳のチートスキルがありますから。

　お考えいただきたいのは、リアルな人間関係で活躍できる男の主人公です。

　いませんよね。

　いたとしても、申し訳ありませんが、ちょっと気持ち悪い。

　つまり何が言いたいかと申しますと、カタリナ様の生き方は、男には無理という事です。

　勿論、カタリナ様がスペシャルと言うことも有りますが、同じ様に社会性を生かして活躍しているなろう女主人公はいるでしょう。

　想像が出来ますし、気持ち悪くもありません。

　④　男にはチートスキルが必須

　男が社会で活躍するには、他を圧倒するような力が必須と言う事なのかもしれません。

　それが無いと、力の有る者に屈服させられるのです。社会的にも金銭的にも精神的にも。

　それらの鬱憤を晴らすために、異世界に転生した男の主人公は、神様からチートスキルを貰うのです。

　ドやるためというより、これが無いと生きていけないほど、生命力が弱いと考えるべきです。

　ここで言う生きるとは、生命活動と言うことではなく、虐げられることなく、生き生きと生活するという意味です。

　ぶっ飛んだ能力という根拠がないと、威張れないという事でしょう。

　現実社会には力による裏打ちが無くても、常に自信満々という頭のおかしい男(私)もいますが、なろう主人公の中では少数派でしょう。

　男には誰にも真似の出来ないスペシャルな能力が無いと、お話を進めることが出来ないのです。

　

　⑤　力こそパワー

　はい。名言頂きました。

　頭脳系主人公と言うジャンルもありますが、男主人公の基本はやはりこれです。

　火力は、すべてに優先するのです。

　煩い御託は要らないのです。

　降りかかる面倒事や理不尽は、圧倒的なパワーで薙ぎ払うのが気持ちいいのです。

　「薙ぎ払え」

　また。名言を頂きました。

　いいですか。やっつけるのではなく。薙ぎ払うためにチートスキルは必要なのです。

　オーバーキルこそ、なろう主人公に求められている所作なのです。

　知略も小細工も他人の力も要りません。自分が所有している力だけで薙ぎ払いたいのです。

　それが、男の基本的な願望なのでしょう。

　結論

　男主人公にはチートスキルは必須である。

　無いと死んじゃう。

　　　　　　　　　　　　　　　　以上