音楽の雑談 KANの「エキストラ」って曲がやばい
今回は曲の紹介です。
以前も本エッセイ「音楽の雑談」でもお話しましたが、私はKANさんのファンです。
世間的には一発屋の類だと思われているかもしれませんが、今でも現役のミュージシャンです。
そんなKANさんが、2020/11/25に新曲を発売されました。
タイトルは「エキストラ」
彼のお家芸の、ピアノによる弾き語りのバラードです。
音楽的には取り立てて特筆するような点も無く、ただ、静かにゆっくりと進行し盛り上がるシーンも無く静かに終わります。
途中でバイオリンの弦楽が入りますが、ほんの一瞬だけです。
初めて聞いたときは、いつも通りのKANらしい曲だなぁと、気にも留めておりませんでしたが、何度か聞いているうちに脳に染み渡ってしまいました。
歌声が素晴らしいことは今更いう事ではありませんが、本曲の素晴らしい点は、ズバリ「歌詞」です。
始めにお伝えいたしますと、残念ながら私は他者との共感力が乏しい為か、詩を理解する能力、詞藻といものが存在しません。
一部の例外を除き、漢詩も和歌も俳句もラップも私の心を動かしません。
西洋の詩に至っては怪文書にしか思えないほどです。
正に、(。´・ω・)?「何言ってんだ。こいつ」な状態な訳でございます。
自分で言っていて悲しくなってきましたが、事実なのでしょうがない。
しかし、この「エキストラ」の歌詞が突き刺さりました。
クリティカルヒットです。
どんな歌詞かご紹介させてください。
ああ、もちろん、これは私が好きで勝手にやっていることなので、ステマではありません。一応念のために。
解説文も書いているので著作権的にもOK・・・・・・のはず。
「エキストラ」
作詞、作曲、編曲 KAN
例えばそれは地下鉄の駅で
誰かを待っているあなたの後ろを
家路を急ぐように早足でただ通り過ぎていくだけ
私にとっては大切な一瞬でも
あなたに気づかれることは無くて
話の筋には何ら影響しない私はエキストラ
あなたがいるシーンに少しでも
写り込んでいれればそれだけでいい
かなわぬ恋なんて言うに及ばぬ
途方にくれるような片思い
大好きです 好きです
大好きです 好きです
決してこの思いが届かなくても
大好きです
それだけ
例えばその日はレストランのシーンで
ピンとも合わない隅っこの席で
さも楽しげにでも声は出さずに笑って座ってるだけ
窓の外の雪を見てはため息
どんな顔してれば溶け込めるだろう
かなわぬ恋なんて言うに足りない
気が遠くなるような片思い
大好きです 好きです
大好きです 好きです
たとえそのシーンがカットされてても
大好きです
それだけ
大好きです 好きです
大好きです 好きです
明日この映画が打ち切りになっても
大好きです
それだけ
いかがでございますでしょうか。
もう、捉え方によっては陰キャの妄想+ストーカーみたいな危ない歌詞ですが、大丈夫。
この人は見てるだけです。
「根性無し。三枚目でもいいから出演しろ」と言いたくなりますが、これがいい。
これが日本人的恋愛の奥ゆかしさと言うものです。
ガツガツ行って、ブチューとキスするのはアメリカ人がやっていればいいんだよ。(凄い偏見)
俺らには無理だから。
相手の方はどんな人なんでしょうね。
学校や会社などの同じコミュニティの一員なのか、単に生活圏が被っている人なのか分かりませんが、どちらにしろ関わりの薄い人なんでしょうね。
大好きなその人を遠くからそっと見ているだけ。
明日突然、こんな薄い関係が終わっても、好きという気持ちは変わらない。
いいですなぁ。そんな風に誰かを好きになれるなんて素敵でございます。
一歩間違えると自分の片思いに酔っているだけのナルシストの曲ですが、KANさんが歌うと景色がまるで違って見えるから不思議ですね。
何でしょうね。誠実な人を主人公にした歌を歌わせたら日本一だと思う次第でございます。
因みにPVでは歌っている間は、真っ黒なピアノと、KANの両手だけを真上から撮っているだけ。ビアノの黒い部分に白字で歌詞の字幕が流れます。
動きの無いシックな映像なのですが、曲が終わるとKANが上を向いてピースします。
何やってんだよ。爺さん。もう、最高過ぎるよ。
終わり
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
リンクコード https://www.uta-net.com/song/294000/




