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No.Ex 対米鯖第三≠五臨時偵察小隊 ⑩

ランスは主人公が人をかなり選ぶタイプだけどゲーム自体が面白いのとなんだかんだ一番外しちゃいけないところでは外さないからギリ許せる凄い塩梅のキャラしてて凄いなって、以上3作目攻略中のミニ丸語からでした



「へー、大変なんだねー」

「じゃあ今回の輸送成功したらもう抜けちゃったら?」

「うちきたらいいじゃん?」


「いやでも俺アメリカ人だし……」


「関係なくなーい?」

「ゲームなんだから楽しだもん勝ちだぜーにぃちゃん?」

「もっとフリーダムにやっちゃおーぜ?れっつえんじょい!」


「か、考えとくっ」


 …………キャバクラ。

 私の脳裏に過ったのはこの単語。

 UADD主導で馬車は出発したが、その空気感はやはり軽い。何せその指揮官に対してギャルズ三姉妹が囲んで楽しげに話しているからだ。

 緊張感がまるでない。


 というか他のUADDメンバーもいるのに曲がりなりにも輸送部隊の中心人物を堂々と引き抜こうとしているのはどうなのだろう。

 いえ、引き抜きという意識が薄いのか。

 実際うちの組織で有力だがあまり他者と連まないタイプのプレイヤーも彼女達が勧誘してきたケースが多いという噂を聞いたことがある。

 私が何故かお目付け役みたいなポジションになっていた生産組組合お抱えのアイドルグループ擬きである2×Hも最近は私に代わって色々とアドバイスを与えている……というより彼女達も普通にメンバーとして活動していると聞く。レアキャラとしてかなり人気があるらしい。


 こんな風に気を抜いていていいのかと思うが、索敵や軽い露払いはアメリカプロゲーマー達がやってくれている。

 プロゲーマーは強い。同時に遊びに積極的な存在なのだと見ていて感じた。


 常に索敵を怠らず、敵がいると見れば即座に軽く打ち合わせをして攻撃に。

 こちらが何かを言うよりも速く敵が処理されていく。


「こ゛の゛人数だと゛ビッグラ゛ッシ゛ュ必須です゛けど、こ゛の゛調子だと゛大丈夫そ゛う゛です゛ね゛ぇ」


 ALLFOでは1パーティ15人が最大数となっているが、これは単純な限度ではない。パーティが組めないだけで20人でも30人でも一緒に活動する事は出来る。

 しかしほとんどのプレイヤーは基本的に15人を超過する人数で共に行動する事を避ける傾向にある。


 その原因となるのが、ビッグラッシュ。

 簡単に言ってしまえばアサイラム統領が二度ほど引き起こしたモンスターの大襲撃『スタンピード』の小規模版。

 ただ、小規模と言っても数は多い。スタンピードでは恐らく万単位で発生するものと検証班は推測しているが、無双ゲーですら万と言わずとも数千単位で敵が出てきたら”小規模”などと言う言葉で片づけられない。


 プレイヤーの数が多ければ多いほど、その規模に応じてモンスターの集団が襲撃を仕掛けてくる。


 境界線もなくゴリ押しで世界を探索できそうなALLFOの探索が難しいのはこの要素によるところも大きい。大人数でのゴリ押しをしようとすると確実にビッグラッシュが発生して混戦必須となる。そして蘇生魔法のないALLFOではビッグラッシュで徐々に人数を減らされていくので、折角大人数を動員しても意味がなくなる。

 ただ、プレイヤーが万単位になってくるとビッグラッシュを押し返せるようになる。

 これはシナリオボス戦で起きるプレイヤーの一斉移動でよく見られる。ビッグラッシュによって発生するモンスターの数には恐らく限度があるのだ。


 ではそのまま万単位のプレイヤーで一斉に未探索領域に進み続ければシナリオボスをスルーして攻略を出来そうと考えそうだが、そうなると立ちはだかるのが不繋圏外の状態異常。この状態異常の研究はまだ完全ではないが、恐らく疑似的なランクダウンを発生させている。そうなると今まで押し返せていたビッグラッシュが押し返せなくなってあっけなく壊滅するのだ。


 ビッグラッシュに関しては想定済みで私もどう動くか頭の中で考えていたのだが、プロゲーマー達が嬉々としてモンスターを狩っていく。彼らにとってはボーナスタイムくらいにしか考えてないのかもしれない。


「貴方と゛は゛同じバッフ゛ァーと゛して゛話して゛み゛た゛かった゛ん゛です゛よ゛ぉ、ミ゛ゴさ゛ん゛」

 

 私がもう少し援護をしようかとプロゲーマー達の動きを追っていると、グリモクロールさんがにへらっと擬音をつけたくなる怪しげな笑みを浮かべながら話しかけてきた。






 

―――――――――――――――――――――――――――

【うあででを】蛹苓・ソ蜍「蜉帷嚀谿コ縺冷劭【ぶっこわぁす!】


 

ホワイトサクラ【⌘】:グリを合流させた。 


ホワイトサクラ【⌘】:うあどどは9人


ホワイトサクラ【⌘】:生合からは12人。そっちの読み通り今の先生のお気に入りも代表として参加している。赤ちゃん師匠もいたし偵察込みの出動かな?


ホワイトサクラ【⌘】:AGTは9人


ホワイトサクラ【⌘】:こっちは8人


ダイスを振ったら負け【⌘】:一応聞くけど特記戦力は?


ホワイトサクラ【⌘】:AGTは全員かな。特に挙げるならM、C。


ダイスを振ったら負け【⌘】:あーね。あの人は速攻で潰しといた方がいいかもね。予定外を引き起こしそう 


ホワイトサクラ【⌘】:でもグリがいるし余裕でしょ


ダイスを振ったら負け【⌘】:あの子はなかなか強いよなぁ。ちゃんと戦略に関する知識が深いし


ホワイトサクラ【⌘】:滅茶苦茶真面目だよね。リアルの戦術論とプロゲーマーの戦術論をオンラインゲームに落とし込むための研究とかずっとやってるし、筋金入りだね


ダイスを振ったら負け【⌘】:堅実に勝てる作戦立案をできるなら、逆にどうすればチームが最小効率化してしまうかも心得ているってわけだわな。まあバレない程度でやってもらおう


ホワイトサクラ【⌘】:そこそこ頑張るって言ってたね。緊張はしてなさそう。その代わり、あとで会話してあげてね


ダイスを振ったら負け【⌘】:シンプルにファンって言われるとなんか変な気分なんだけどな


ホワイトサクラ【⌘】:私の所にもゲーム初めてあまり間も置かずに『貴方が一番頭が良いと思ったので部下として使ってください』って急に押しかけてきたからね。優秀な副官って立ち位置が好きみたい。それも自分で見いだしたトップの下でトップを押し上げる事に無上の歓びを感じるみたいな。それでいて自分がどれだけ練り上げた策略もセンスで突破されて理不尽に押し潰される事にも悦びを覚えてるM気質


ダイスを振ったら負け【⌘】:なかなか面白いパーソナリティしてるよな


ホワイトサクラ【⌘】:アセクシュアルでクエスチョニングだからこそ見えるモノがある、って誇らしげに言ってるからね。人と違う事を恐れていないし、それを美点としてみることができる強い子だよ。あの子の審美眼は信頼できる


ダイスを振ったら負け【⌘】:じゃあ、サクライチオシのグラちゃんのお手並み拝見だな。   

  

ホワイトサクラ【⌘】:何人も内通者紛れ込ませておいて白々しい~


ダイスを振ったら負け【⌘】:基本スタンドアローン状態だし内通者と言い切れない。特にあの人がどう動くかはわからん。俺もあんまり会話してないし。変に遠隔指示出しするとダメそうだったから好きにやってくれとは言っておいたけど

 

ホワイトサクラ【⌘】:内通者同士協力させずに自由に動かして偶発性を高めて本命を誤魔化すって文字にすれば簡単だけどよくできるよね。私でもその度胸は真似できないや


ダイスを振ったら負け【⌘】:どれほど先読みしても人間なんか簡単に予測を超えてくるからな。でたとこ勝負よ


ホワイトサクラ【⌘】:そう言えばデデの陣営に紛れてる内通者は絞り込めたの?


ダイスを振ったら負け【⌘】:概ね。金メちゃんセンサーに一発で引っかかった。ウチのウソ発見器は優秀よ。


ダイスを振ったら負け【⌘】:一応他に居ないか壁の補修ついでにねこが壁の上から監視してるけど今の所なにも報告は上がってきてない


ホワイトサクラ【⌘】:貴方みたいに内通者同士を協力させない事で総数を不明にするなんて手法を使ってくるほど敵は自勢力の手綱を握れてないと思うけどね


ダイスを振ったら負け【⌘】:最悪を想定しておくだけだ。今回の襲撃に限っては割と確実に勝てると踏んでるけどな


ホワイトサクラ【⌘】:そこまで強いの?


ダイスを振ったら負け【⌘】:ウチから出す特記戦力2名がなかなか仕上がってるし、協力者サイドの特記戦力との相性がめっちゃいいんだよな


ホワイトサクラ【⌘】:そっちもお手並み拝見だね


  

ギャルズ三姉妹に引っかかって薄暗い事務所に連れ込まれるとそこにはちょっと目つきが悪い魔王がニコニコしながら待っていて…………

美人局に引っかかった男はもれなく悪魔の契約を結んでしまうという…………

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― 新着の感想 ―
ノート達だと膨れ上がったヘイト率のせいで常時ビッグラッシュ状態になってそうだけどそこらへんどうしてんだろ
かしこォ…
更新感謝ナリ  グリグラ……これは強い  内通者同士を協力させない 巻き添え連座回避できるし変につるんで挙動がバグるよりかはいいんだろうけど潰し合ったり警戒し合って行動能力落ちたりなど、もし内通者…
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