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No.Ex 対米鯖第三≠五臨時偵察小隊 ④

シナリオ部隊とマネージャー部隊がたこシあ!!脚そ考!!って言いながら一生殴り合ってそうなALLFO初期開発チーム

あまりにも想像し易い


MIZUHASI「このクソ広いフィールドを徒歩で歩かせるって正気?乗り物があってもキツくない?」

???「………たとえばこんなシチュエーションが「うるさい。リアルで歩かせてどれくらい嫌になるか経験させるよ」……………ごめんなさい」



「ああ、ミゴ君の随伴要員だが、ランカ君達は確定でお願いしたい。アメリカの有力なプレイヤーに声をかけてもらえるかな?」


「ん?いいよー」

「誰ならいいかなぁ?MCちゃんあたり?」

「じゃない?ねぇ、センセ、アメリカの人だけの方がいいの?」


「うむ。あまり他所の勢力を入れるとUADDのヘイト方向が分散し過ぎるからな。これでもし我々が物資配達に失敗してもヘイト方向を散らせるし、当事者のアメリカのトッププレイヤー層に改めてアサイラムの脅威を体験させておくのは良い事だ」


 相変わらず悪どい。

 ただ先生の裏の顔を散々見てきた今となっては驚きはない。

 問題は私のサポートにつく様に指名されたギャルズ三姉妹です。

 MCって、確かアメリカのトップクランのプロゲーマーだったような?一体どんな伝手があるというのだろう。今から声をかけられて簡単に動いてくれるプレイヤーではないはずなのに。


「桜パイセンにはどうするー?」

「君達から声をかけておいてくれないか。私だと角が立つからな。人員は出さないが物資を出してくるだろう」

「りょー」


 ……最近知ったが、この3人の言う桜パイセンなる人物はロシアサーバーのトッププレイヤーである白銀の騎士の事らしい。

 特に役割も与えられてないこの3人組が何故大幹部級に近い扱いなのか以前はまるで理解できなかったけど、今ならわかる。

 彼女達は特定の役割や部下を持たずに自由に出歩く事で生産組組合から独立した人脈を作る役割を持っている。厳密には役割を正式に与えられているわけではないけどほっといても勝手に人脈を作ってくる人員と言えばいいのか。放置しておく事で最大級の戦果を齎すタイプと言えばいいのか。

 その人脈の広さは意味不明なくらいで、それこそどうやって知り合ったのか世界でも名が売れてるトッププレイヤーからゲームを始めたばかりの初心者にも根を張っている。


 ただ、彼女達の動きは生産組組合の為ではない。

 単純に仲良くなったら面白そうな相手を選んで近づいているだけ。邪念がない故か、組織の為という義務感がない故か、彼女達は色んなプレイヤー達から好かれている。それも上澄みに近いプレイヤーから不思議と気に入られやすい。

 色んなサーバーのトップに近い連中と彼女達はコミュニケーションを取れる。一つ築いた人脈から連鎖的に広げていく。これはちょっとやそっとゲームが上手い程度では逆立ちできないオンラインゲームならではの強さだ。

 とどのつまり、彼女達が本気で周囲に助けを求めたらトップクラスのプレイヤー達がゾロゾロ救援に現れる可能性があると言う事なのだから。その戦略的価値は単騎でプロゲーマーに匹敵するプレイヤー1人分の価値を軽く凌駕する。


 今回の場合、彼女達が戦闘部隊に加わるほど強くないのも負けた時の言い訳になるから本当に絶妙なチョイス。

 更に言えば、アメリカの最上位層とアサイラムとDDの連合チームをぶつけて戦力差まで見ようとしているのだろう。


 されどこのままだと流石に生産組組合から出す戦力が少な過ぎる。さて誰がついていくか。牽制し合う様に皆が視線を散らす中、我関せずと堂々と手を挙げる人が。


「俺が行く。俺なら負けても看板に傷はつかんし偵察には1番適しているはずだ」


 気の抜ける様な幼児の声でありながら、これ以上になく男らしい言葉を使うのはただ1人。

 魔人バブぅさんがピンと手を挙げていた。


「決闘の時は戦う機会を逃したからな。加えてボウズなら新しい手札を見せてくるはずだ。アイツならそうする。その分析は俺に任せろ」


 気の抜けるような幼児の声に反して堂々とした言い回し。

 他の戦闘部隊も魔人バブぅさんの宣誓に色めき立つも、決闘の事を持ち出された途端に下火になる。


 アサイラムが明確にその存在を世界に知らしめた例の決闘時、ハンさんをはじめとした戦闘職が総出で出撃したが、全戦力がアサイラムのトップの目を引き付ける為に向かったわけではない。一部のメンツだけは転移門からやってくる海外の有力なプレイヤーといち早く接触する為の準備に奔走していた。

 …………と、後から先生から教わった。


 その中には魔人バブぅさんも含まれている。


 戦闘能力は戦闘部隊の大幹部クラスにも劣らないが魔人バブぅさんの本質は検証チームの取り纏め。検証チームは生産職に近いようですがノリが違う。

 生産職の本質が職人系ならば検証チームの本質は研究者だ。研究者は職人よりも実利よりも興味で動く。この自由人達の頭を押さえつける事が可能な人物はあまりに少ない。

 故に勝手に海外プレイヤーとトラブルを起こさないように魔人バブぅさんは抑えに回るしかなかったのだ。


「(……それに、魔人バブぅさんはあの人達には厳しいし)」


 若い時から知っていて付き合いも長い為か大幹部達はギャルズ三姉妹にどうしても甘くなる。それが彼女達の強みでもあるのだろう。けどそれが通じないタイプもいる。魔人バブぅさんの様に一般化されない我を持つタイプ。彼がお目付役としていればギャルズ三姉妹も迂闊な真似はできない。


 同意する様に頷く先生を見てこれもまた全て織り込み済みだったのだろうと私は察する。


 こうして私はUADDの妨害工作及びアサイラム戦力偵察の命を受けて秘密裏に出撃した。


 

???「いや騎馬動物あってもダメでしょ」

???「撮影で馬乗ったことあるけど結構体力使うわよ、精神的にもね」

???「騎乗してるとシームレスに戦闘に移れなくないですか?逃走しがちになりそう。でも逃げてたら探索になるんですか」

???「ぐぬぬ………じゃあ騎乗戦闘系のツリーを強化して……………「他にやる事あるでしょ」」

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― 新着の感想 ―
thisコミュニケーション読んできたんですが最高に面白かったですね。いい漫画をオススメされたのでこちらからも何個かオススメしますねスカベンジャーズアナザースカイと魔法少女と麻薬戦争がオススメです。
魔人バブゥ、某エタゼロみたく戦闘時にはおしゃぶくわえてそう(偏見)
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