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No.Ex 対米鯖第三≠五臨時偵察小隊 ①

団子事件の続きは設定厨隔離施設行きになります。


ミゴパートです

時系列はDD襲撃ちょい前




「失礼します」


 12月某日。私は先生に呼び出されて会議室に向かう。

 要件やメンバーは不明ですが、先生の秘書的なポジションの大越闘さんから他言無用でとのメッセージが届いたので私は本当に内情を知りません。


 先生の部屋ではなく会議室の時点で私以外に呼び出されているメンバーがいるのは察していましたが、そこに集まっていたメンバーを見て私の背筋がキュッと伸びる。


 今の生産組組合という組織は一つのゲームの組織であるというよりは少し企業めいた部分がある。

 運営側のギルドや教会も無視できない発言力を有し、公共事業にも積極的に取り組んでいるからでしょう。日本のプレイヤーの中で生産組組合を単なるプレイヤーの集まりと認識しているプレイヤーはほぼいないと言っても過言ではないと思う。

 


 それだけ組織が大きくなると、人をまとめる立場の人が自然と必要になります。

 生産組組合が日本一の大企業なら、それに関連した多数の子会社を抱えている訳ですからね。

 所謂『大幹部』と言われるメンツはこの子会社の社長や生産組組合という大企業の取締役に近い存在です。

 

 では私を含めた『幹部』とは。

 

 チームを率いているメンバーもいるので一概には言えないですが、主任から課長までの役職付きの人間といえばいいのでしょうか。なので同じ幹部でも見えない格の差がある。

 例えば、部下を持たずに一芸で強い影響力を有している100fbさんやDevilMaskさんは幹部の中では最低クラスの格になる。けれど母体の生産組組合直下に近いメンバーなので、イベントでの会議では呼ばれたりします。

 


 要するに、会議の規模や種類に応じて招集されるメンバーが変わるって事ですね。そして、プライベートな会議ほどランクの高いメンバーしか召集がかからないという事。


 今この会議室にいるのは、先生とは本当に昔からの付き合いである大幹部級ばかり。その昔からの付き合いの中でも人並外れた能力があると認められたプレイヤーだけです。


 組合長の剣にして盾。世に名が出ていない事が不思議でしかない生産組組合の対人殲滅兵器こと抜刀斎さん。

 最近ですが、12人の聖女たちの出すユニーククエスト全てを突破したとの話を聞きました。私も1つ突破しましたが、アレを余裕でクリアしたそうです。

 本人に聞いたので間違いではないでしょう。

 部下を持たないのに誰もがその位置にいる事に疑問を持たない武の化身みたいな人だ。

 あの人が出撃するだけで海外から侵入したPK団体が翌日には三つくらい解散してるくらいには理不尽な存在だ。

 本人が最前線に立つことを頑なに拒まなければ、彼女の知名度はもっと高かったはずだ。


 戦闘部隊を纏めるバーボンさん、ムラサマサさん、炬燵ムリさん、パンツ皇子さんなど。個人戦闘能力、指揮能力、そして指導力を兼ね備えた稀有な隊長格で、個々でフォロワーやシンパを抱えている。


 カイチョーさんとその秘書であるプリヴァドさん。

 生産組組合で行うイベント事を直接取り仕切る彼女達は生産組組合の外にもファンを抱えている指導者だ。

 その少女と見紛う存在が民意の操作に長け、生産組組合のヘイトコントラーとも言える存在である事に気づいている人が果たして何人いるのか。


 組合の中でも上層の中だけに渡す戦略上の価値が高いアイテムを生産しているメンバーを取りまとめるレッドナインさん。おちゃらけた人だがゲームセンスが非常に高く、昔相当な悪質PKプレイヤーとして活動していたという嘘がある。

 表では噂話レベルだが、私はその噂が真実だと知っている。

 と言うのも“アサイラムの彼”と他のゲームで幾度となくGvGしている映像があるからだ。GvGの参考映像として何度も私は見ている。

 少し不思議なこだわりを持ってる人で、指揮センスも戦闘能力もあるのに今は生産に専念している。それは戦闘に嫌気がさした訳ではなく、単純にダイスの結果らしい。新しいゲームを始める前にどう振る舞うかをダイスで決めて、それを一心に極めると言う不思議なゲームスタイルをしている。


 生産組組合と言う巨大な組織の財政を管理する紅葉会の米泥庵さん。アサイラムの彼の師匠陣営の1人でもあるとの事で、私も最近弁舌などの指導をしてもらえるようになった。

 指導は厳しいが的確で、非常に勉強になる。

 紅葉会の皆さんはその呼称通り、私のように額から鼻までを覆う仮面をつけている。大抵は紅葉、あるいはそれに類するデザイン。

 見えているのは口元だけなのだが、私にはメンバーの何人かに既視感があります。

 例えば米泥庵さん。昔、親の付き合いで参加したとあるパーティーでお会いした大企業の元会長に似ているが、私は深く踏み込む気はない。


 裏方にいてあまり表に出てこない蛇蝎もうええさん。常に鵝毛扇(鳥の翼で作った扇)をトレードマークとして持ち歩き、スレなどの情報収集、情報戦を得意とする方々の取りまとめです。

 スレでの情報操作も得意としており、生産組組合の表の印象操作をカイチョーさんが成しているなら裏の印象操作を担っている人だ。

 この方が出席している案件というだけでその案件が表に出しにくいとわかる。


 蛇蝎もうええさんより珍しいのは無銭LANさんとししゃももんがさんだ。

 レッドナインさんが表の生産プレイヤーまで面倒を見ているなら、この2人は本当に裏方。アサイラムの正体を完全に把握している古参の生産組メンバーだけを見ていて、ほんとに一切表に出せない物を作ったり、それを利用して資金調達をしている裏方生産プレイヤーの取りまとめ。一芸特化型のプレイヤーのスカウトもこの2人の選定が大きく影響していると聞きます。

 所謂天才肌のプレイヤーの担当です。

 私が懇意にしている百さんとデビさんも彼等が面倒を見ているとの事です。


 検証チームの取りまとめである魔人バブぅさん。

 とある惑星の宇宙生物をモチーフにした仮面に狩衣というファンタジー基調の世界ですら目立つ衣装をしている私が言えた口ではないが…………それでも40代後半の筋肉質な見た目で、ピンクのナイトキャップ、黒いサングラスにピンクに染めたサンタの様なヒゲと、紫色のヨダレかけ、サイズが明らかに合ってない小さめの黒いベストに、昔のヤンキーや応援団が履いていそうなドカンという太いズボン(何故か白染め)に、チャンピオンベルトみたいな物に金色の長靴というあまりに異様な見た目の方です。

 そのベルトから吊り下がってる赤ちゃんのガラガラ……正規名称はラトルというそうですが、アレが幾つも吊り下がってるのも異様です。移動するだけでガラガラうるさいです。

 殴打用ラトル、手榴弾ラトル、閃光弾ラトル、音響弾ラトル、煙幕弾ラトルなど色々な用途があるそうでただのファッションではないのですが、まるで歩く熊鈴です。

 何が釈然としないかと言えば、その出立ちで対人ではトップクラスに強い事です。


 何度も手合わせしてもらってるが、戦闘に常に何か検証要素、大体は何かしらの新しいアイテムや武器を持ち込むので対戦するたびに手札が変わります。その為決まった対策ができない。

 判定も性能も小型殴打武器とは言え赤ちゃんのガラガラで頬を殴り飛ばされて倒される屈辱は筆舌にし難く、何かしら検証で失敗して魔人バブぅさん自身が自爆する以外でまともにダメージを入れられないてないというのが尚更無念です。


 その上私がアサイラムの彼に対抗心を持ってるのを見透かしていて、何かしら検証の為のアイテムを持ってきては「アイツならやってくれた」「アイツなら使いこなした」と言い私に何かしら危ないことを試させようとする人です。


 生産組組合でもトップクラスに頭がキレる人で、その才能のリソースをゲームの検証に割いている一度接したら決して忘れない強烈な人ですが、多分、悪い人ではない、と思います。PvPでは信じられないほど悪質な戦法を平気で取ってきますが、ええ。

 この人は先生というよりアサイラムの彼とGBHWという本当に何一つとして碌な噂を聞かないゲームからの知り合いで、後々に偶然別ゲーで再会してから行動を共にするようになったという経緯を持ってるそうで、先生よりもアサイラムシンパな事を隠しもしない人ですが、彼の取る戦術に近い事ができると評判なので練習台として悪くないのです。

 

 その魔人バブぅさんと非常に仲が良いトリニトロトルエンさん。

 掴みどころのない人だが、先生の表の懐刀が抜刀斎さんなら彼は裏の懐刀。

 具体的なポジションは私もまだ把握できてないですが、大幹部の誰もが軽視しないのできっと何かしら重要な役割を担っているのでしょう。

 


 かなり大きめのイベントの会議でも私用で欠席していることも多いですが、この人はとある案件が絡むと必ずいます。

 それはアサイラムが関わっている時。

 アサイラムが何かしら絡むと必ずトリニトロトルエンさんはいます。


 このメンバーを見れば、今回の議題は確定したようなものだ。

 

Q.魔人バブぅってどれくらい強いの?


A.純粋な刀剣とか銃器の扱いだけならバーボン達の方が圧倒的に強い。

ただアイテムやスキル魔法など何でも使用してOKのガチバトルなら勝率55%以上を確保できる程度には強い。

所謂ゲーマー的に強い人。

手数が増えるほど手がつけられなくなるのでノート型に近い。

GBHWでは同郷のノートを気に入って度々手を貸していた。なおその時には既に変なコスプレ癖はあった。

マッチョマイクロビキニという視界の暴力で相手の視界を殺す禁断の技を生み出した張本人。

異様な出立ちはPKの為。常に奇抜で騒々しい姿であると普段から刷り込む事で、実際の戦闘では全く違う格好をしたり、ラトルの音を使ってフェイントをかけるなど色々な策を繰り出す。


PKとは既に勝負を行う前から始まっているという教えをノートに授けたのもこの人。

戦術や指揮、カウンセラーとしての師が先生なら、ノートのPKプレイヤーの師は魔人バブぅと言えなくもない


ちなみにゲーム内の声は敵対者の調子を狂わせる為に赤ちゃんみたいな声にしているが、リアルの声はめちゃくちゃ渋い。

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― 新着の感想 ―
最新話が2ヶ月前、活動報告が1ヶ月前、、次を楽しみに待ってますね(圧)
蛇蝎もうええが、本編に格上げだと!? 本編の組合のキャラになってかなりあげぽよ!(死語) >>裏方にいてあまり表に出てこない蛇蝎もうええさん。常に鵝毛扇(鳥の翼で作った扇)をトレードマークとして持ち…
自分が5秒で考えついた魔人バブぅがちゃんと使われてるのを見るとやっぱ嬉しいですね。使ってくれてありがとうございます!
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