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No.29 Pr〇ject X『ALLFOの自由度の限界に挑む者達』

本日のゲリラ投稿3rd

いつも誤字脱字の報告して下さる方々、誠に感謝しております。

「通算30体目終了。最速タイム更新、アイテム消費もかなり抑えられた」


「パターン入っちゃえば後は煮るなり焼くなり、だからな。相変わらずヌコォのパターン構築のスピードは真似できん」


「ブイッ」


 提灯鮟鱇の巨大な体がポリゴン片になり、ヌコォはそれをバックにピースでポーズを決める。


 提灯鮟鱇型撃破からメギドのもっと上手な運用をしようと鮟鱇にリトライしたノート達。提灯鮟鱇が格上のMOB故かステータスの伸びもよく、メギドもかなりの成長(頭脳以外)を見せていた。


 メギド主体の攻撃も20回目以降はユリンとヌコォの攻撃の割合もかなり増えていた。というのも、今までは『狂戦士』の性質が強く出ていたメギドも『守護者』としてのスキルが増えてきたため、凄まじいカウンター持ちのガードとしての運用ができるようになってきたからだ。

 挑発系のスキルで相手の攻撃対象を自分に集中。『辛狂復讐者』で獲得した〔ルナティックダメージチャージ〕は発動時点から自分が受けたダメージ分を攻撃力に加算するという恐ろしいスキルであり、ただでさえセルフでダメージを受けるメギドに最高の相性を見せ、ハルバードでスキルをぶっ放せばほぼ100%対象のダウンを取れるという鬼仕様である。


『JIJIJIJIJIJIJI!』


「はいはい、どうぞ」


 加えて、メギドにより上手く指示を聞かせるには好物を与えればいいことも判明している。


 大雀蜂の頭には花、天牛虫には樹木、リオックには大きめの昆虫(敵性MOBではなく、虫網などで捕まえる。虫籠を買っておけば生きたままインベントリにしまっておける)をあげると喜んだ。

 ノートはだんだんブリーダーでもやっているつもりになってきたが、見た目がもう少しどうにかならないかな、と虫を貪るリオックの頭にジト目を向ける。なぜなのか、餌として与える際はポリゴン片にならないのでグロテスクさが倍になっているのだ。

 実のところこの育て方の難しさも含めてクリーチャー型なのだが、ノートはまだ知る由もない。



「うまいか、それ?」


『JIJIJI!JIJIJI!』


「わかったわかった。丸々太ったタランチュラが気に入ったのね。今度また見つけたら捕まえておくから落ち着け」



 ALLFOはとても細かいので、昆虫が好みといっても更に殊更好物な昆虫が設定されている。中でもリオックヘッドは悪食でデカい昆虫が大好き。甲虫を生きたままバリバリ砕いて食べる様はもはやホラーである。


「お前は……まずフルフェイスの鎧が完全同化してるから餌の与えようがないんだよな」


 メギドのメインの頭部は鎧が外れず中身が見えない。故に何が好物とか全くわからない。強いて言うなら戦闘が大好きで、戦闘中は生き生きと咆哮している。メギドは戦闘以外の間は目に入ったMOBを惨殺したり、餌を拾い食いしたりしている。それと屋内があまり好きではないのも判明している。メインの頭部は戦闘バカすぎてハルバードを研いでいる時が一番楽しそうと言う有様で、ジッと観察しているとたまに餌を拾い食いしたいリオックの頭部と肉体の主導権争いをして面白い挙動をしている時がある。

 なのでメインには餌というより研磨剤などを貢いだ方がいいことが分かっている。


「(しかし、お前を加えても般若面には未だ1回しか勝てないのは悔しいな)」


 提灯鮟鱇には勝てども、15回のリトライのうち撤退14回勝利1回と般若面蟷螂人相手にはかなり厳しい戦績。勝利した一回も、いきなり乱入した別MOBをメギドがすかさず跳ね飛ばした先に丁度そのタイミングで般若面蟷螂人が移動していて衝突。それにより派手にズッコケてわずかにスタン状態になったところを、メギドがちょうどフルチャージ状態だった〔ルナティックダメージチャージ〕をcriticalで炸裂させダウンを初めて取ることに成功。ユリンとヌコォが猛攻してなんとか討伐と…………完全にマグレの勝利である。


 般若面蟷螂人は提灯鮟鱇より兎に角、ストレイ○・クーガー張りに速い。HPも防御力も提灯鮟鱇より大きく劣るが、こちらの攻撃に『当たらなければどうと言うこともない!』、と言わんばかりに高速立体起動を披露。トラップを悉く回避しメギドの攻撃も当然回避。デバフ魔法をかけて対象の防御力を下げ、更にバフをセルフでのせて攻撃力を上げた一撃は、ヌコォ達も直撃すれば一撃で沈むレベルなのもその討伐難度を引き上げている要因だ。


 ステータスの総計で言えば提灯鮟鱇と変わりないはずだが、性能がピーキーで行動は多彩と言う厄介さ。同じ鎌腕持ちとしてかメギドも強くライバル視していて、対峙するといつも以上に指示が通らない。


「(でも報酬は美味しい、かなり美味しい。次の死霊レシピがいくつも解放されるぐらいには美味しい敵には違いないが…………)」


 般若面の攻撃は、HPだけなく耐久値もゴリゴリ削ってくる。ユリンは「絶対ぶっ殺す」と息巻いているのだが、リアリストのヌコォは「効率が悪すぎる」と苦言を呈するのも仕方ないだろう。



「ノート兄さん、欲しいものは揃った?」


「ああ、鮟鱇の提灯の部分な。ようやくドロップしたよ。これがまた使い道が多くて困るが嬉しい悲鳴だ」


 餌やりを終えて休憩に入ったノート達。野原に胡座をかいてメニュー画面を操作していたノートの顔をヌコォが覗き込む。


「ならよかった。頑張った甲斐がある。ただ進言させてもらうなら、やっぱり武器のレベルが追い付いてない。ゴヴニュも今のような戦闘が続くようなら武器を強化した方がいいかも、と言っていた」


「つまり、鉱石を掘らなきゃダメか」


「Exactly」


「またボクを酷使する気?」


 ノートの後ろから抱きついて話を聞いていたユリンはヌコォにジト目を向けるが、ヌコォは首を横に振る。


「それに関しては対策を練ってきた。主にアテナとの話し合いで問題点はクリアできた。アテナが成長して生成できる糸の種類も性能も上がったおかげ。大工も家具を作らせて成長させてるから可能になった」


「具体的にはどうする気だ?」


「昔、人力で高層ビルの窓を拭いていたように、クレーンの要領で簡易ゴンドラを作れば安全」


「でもそれは重さとかの問題でヌコォ自身が無理って言ったじゃん」


 糸が耐えきれないと言うのもあったが、「木のゴンドラの重量に幽霊馬車でも耐えきれないと計算してゴンドラ案を否定したのはヌコォ自身だ」とユリンは指摘する。だがヌコォは構うことなく楽しそうに研磨剤でハルバードを磨いているメギドを指差す。



「『重戦士』にはノックバックを喰らわないために自分の重さを増やすスキルがある。加えて素の重さもパワーも途轍もない。メギドなら余裕でゴンドラを操作できると計算した。実はアテナに既にゴンドラのプロトタイプの設計図を与えて作らせてみたけど、ユリンの重量の4倍の重りを乗せた木製ゴンドラをメギドは軽々持ち上げた。アテナの作り出せるようになった糸も耐久実験では全く問題なし」


「相変わらず出来そうなことはすぐやってみるその姿勢は見習いたいところがあるよ、ほんと。俺の方でもゴヴニュの方に野盗戦で大量に鹵獲し死蔵していた『錆びた剣』とかの処分を任せたんだが、どうやら錬金術と複合するとリサイクルできるみたいでピッケルを作ってもらってるんだよね。アイテム自販機のより性能は上だ。

 それでだ、もしそのゴンドラが実用化可能なら、召喚した死霊に代わりに採掘作業を任せられないか?ゴヴニュの召喚のお陰で、インスタント召喚に鉱夫系のゾンビが追加された。そいつをゴンドラに乗せて、ピッケルを持たせて採掘してもらう。万が一失敗してもそれならほとんどダメージもない。俺はメギドとゾンビに指示出しがいるから戦闘は任せきりになるが、ヌコォとユリンならもう余裕で渡り合えないか?」


「死霊術師………検証しがいがある。やってみる価値はある」


「ノート兄の案なら賛成。やってみる価値はある」


こうして、ノート達のALLFOの限界に挑むプロジェクトが開始された。


ブクマも評価点もPVもびっくりするぐらい増えております。皆さまありがとうございます。

度々繰り返すようですが、感想頂けると非常に嬉しいです。ゲリラ投稿率上がります。レビュー?即刻レビュー感謝ゲリラ投稿しますよ、もちろん。



追記:No.28より先に投稿するポカをやらかしたので、お詫びにNo.30も今日中にゲリラ投稿します

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― 新着の感想 ―
[一言] もはやゲリラ投稿が運営の詫び石みたいになってきててワロリ
[一言] 28話は?
[気になる点] もしかして一話分跳ばしてない? ナンバリングもそうだし、見た覚えの無いキャラクターがいきなり登場してたんだけど?
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