No.166 ギガ・スタンピード/自律
(´・ω・`)年内は終わりだといったな
(´・ω・`)アレは嘘だ
(((( ;゜Д゜)))うわああああああぁあぁぁぁぁぁ
(I)これが祝福なのですね…………
メイドインアビス見てみたいけど精神が死ぬ気がして見れてないチキンは私です(多分見たらリョナが増える)
「おっ、鮟鱇と猿がオちた」
『マジかッ!?アレ結構堅くなかったか!?』
「そう簡単にヤられる性能をしてなかったと思うけど…………ボク達が戦った時の推奨ランクとか考えればイケなくもない?」
『プレイヤーの連携力が、予想より高いみたいですね』
『新しい強い子が育ってるといいなぁ〜』
『多分キャンプ地中央の結界に阻まれて裏側にいたプレイヤー達はあまりグレゴリの影響を受けてない。それも大きい』
「裏側という事は、始めたてのプレイヤーやPKプレイヤーが多めのエリアよね。という事は今のところ大まかな流れは貴方の予定通りね」
「そうだな。予想以上にグレゴリが暴れてるっぽいがリソース量的には問題がないみたいだし、其方は目線を引き付ける役をしっかり担ってるとも言えるしまあいいだろう」
ヒュディにより僧侶部隊が壊滅し鬼哭啾啾の戦場となっているとは露知らず、音無く走るキサラギ馬車の中で現状確認するのはノートとユリン、鎌鼬の3人。それ以外のメンバーは森の中に潜伏しグレゴリ経由で打ち合わせに参加していた。
そんな打ち合わせの最中、ノートに来た通知。それは召喚した10体の中級死霊のうち2体がほぼ同時に撃破された事を知らせるものだった。
何方も召喚した中級死霊の中でも比較的弱い部類だが、簡単に倒せる存在でもない。
鮟鱇型百足死霊は高い防御力と生命力を誇り、非常にしぶとい。状態異常系の小技を駆使するがメインは物理。最大の攻撃は捕食だ。
一方、“猿”は深霊禁山に出没する祟猩(真っ青なオランウータンのような猿)を原型とした死霊だ。
この死霊は特にこれと言って秀でたパラメータが無く、むしろ防御力や生命力は低い。その代わり、この死霊はオリジナルの影響かかなり知恵が回り、投擲攻撃を中心とした厄介な攻撃を好む。
非常に面倒な点は前衛を無視して後衛を好んで攻撃する点。ヒーラーは見つけ次第速攻で殺そうとする。
と言っても、猿は撹乱要因としての動員だったのでノートとしてはプレイヤーに負けてもあまり驚きはない。後衛やヒーラーを狙うというこの性質は厄介だが、気付いてしまえば攻略にも利用できる。恐らく猿の性質を上手に利用する賢いプレイヤーがいたのだろう。
中級死霊の中にはプレイヤー達は絶望に追い込み過ぎないように、敢えて知恵を練ればギリギリ倒せそうな部類の奴も用意している。猿もその一体だ。想定より早いが、あくまで予定の範囲内ではある。
しかし鮟鱇はそう簡単にオちる性能をしてない。鮟鱇は突出した必殺技めいた能力はない(当ノート比)が、防御力と生命力、そしてその巨体は動く小さな要塞だ。これを倒したという事は、かなり火力を出すのに長けた人物が集まっていたという事だ。
「いいね、PKプレイヤーがかなりいい感じに育ってる」
「敢えて彼等にはダメージを与えなかったし、活躍できるのは道理ではあるだけれどね」
『街から見てキャンプ地の裏手側という遠い場所にPKプレイヤー達が自然と集まったお陰で色々とやりやすかった』
生産組と攻略組はキャンプ地周辺にバリケードとなる壁を築く上で、プレイヤーが出入りできるように大きな門を3つ作った。
ただしそれは等間隔で3つでは無く、キャンプ地を4等分して北、東、西だけに作った。つまり南側は完全に閉じていた。
これは意図してのもので、南側は街の方向とは真反対、其処から出ようとするプレイヤーは少ないと考えての事である。南側は門を作らず、万が一に備えて梯子だけが設置されていた。
門が無いという事はある程度安全が保障されているという事であり、安全第一なら南方に居た方が安全なのだが、多くのプレイヤーは北側、要するに正門側に陣取った。
理由は単純。多くの生産職が正門寄りに陣取り露天を開いていたからだ。
ボス戦イベントは1週間以上と長期戦が予測される。となれば必要な物資を供給してくれるプレイヤーとできるだけ近くに居たいというのは自然な考えだ。
一方で生産職の多くが正門寄りに陣取ったのも理由がある。
まず一つ目の理由として利益を上げやすいから。
街からえっちらおっちら移動してきたプレイヤーは装備を消耗したり消費アイテムを使ってしまっているだろう。そして正門を潜った先に店が有れば当然覗いてアイテムを補充したくなる。
また、生産職としても素材がなくては何も出来ない。戦闘系のプレイヤーが道中で確保した素材系のアイテムを買い取ればより多くの消費が用意できる。戦闘系プレイヤーとしても無駄にインベントリを使えないアイテムで埋めていたくない。買い取ってくれるならありがたいだろう。
そういう利害の一致で生産職のプレイヤーが正門寄りに陣取りをする。そうなると他の生産職のプレイヤーも市場を独占されないように出来るだけ正門寄りに拠点を置きたくなる。
逆にキャンプ地の奥に店を構えても人が来ない。其処にたどり着くまでに他の店で取引を済ませてしまうからだ。となれば更に生産プレイヤーは正門寄りに集まる。
第二の理由として、生産職は自分達の能力を高く見積もっていたという理由がある。
生産職のプレイヤーの多くは反船イベントの後にあった復興イベントで拠点設営や防御壁を築く為のノウハウを得た。
実際にテイマー系のプレイヤーに協力してもらい壁を突破出来るか試したが、飛行系以外の魔物は殆ど跳ね返す事ができていた。
それに加えて門周りは上位のプレイヤーが守ってくれる事が予想される。彼等は生産組にとってはお得意様だ。近くに居て損は無いし、万が一魔物が少し流れ込んでも彼等が足止めできるだろうと考えていた。
そうしてプレイヤーの多い場所と少ない場所ができる。南方は閉じているので防衛力も高いから上位のプレイヤーもあまり防衛に回らなかった。
となると、陣取りで弾かれた初心者・駆け出し組や、上位勢と折り合いが悪かったり多くのプレイヤーには害虫に近い扱いをされているPKプレイヤーは自然と人の少ない場所、南方へ集合した。
こうして図らずも人知れず上位勢に匹敵する面々が何人もいるPKプレイヤーの集団が1番安全である奥に陣取るという不思議な状態が出来上がった。
そしてこの裏には外道達の誘導があった事は言うまでも無い。
表情筋死んでる系猫ガールは生産組スレにてイベント中正門寄りに陣取る事のメリットを根気良く説き、他のサクラ(堕天使や魔女)もそれがいいと囃し立て流れを作る。一方で何故カウンセラーができているのか周囲の女性からも若干不思議がられている外道はPKプレイヤー達にキャンプ地の配置を予想して奥へ集団で陣取ることを提案する。
ナポレオンの言葉を引用しながらも一方で入念な準備を、複雑怪奇な搦手を使いまくるのがノートという男である。
やれる事は全部やる。できうる限り不確定要因を減らす。彼を知り己を知れば百戦殆うからず。勝敗は勝負の前に既に決している。
全てを計算して、ノートは開戦と同時に正門をネオンに壊滅する様にお願いした。
これで一気に有力な戦闘職、生産職のプレイヤーを葬り去る事ができる。他のプレイヤーが活躍できる場を作り出せる。
そして奥に陣取った事で無傷だった駆け出し組やPKプレイヤー達は他のプレイヤー達よりも当然大きな戦果を上げられる。
これでノートの狙い通りPKプレイヤーの発言力は増すだろう。元々PKプレイヤーは性根は捻じ曲がっているが強い連中が少なくない数いる。場を与えれば、他のプレイヤーと協力せざるを得ない環境を作れば、きっと動き出す。
駆け出し組も脇役状態から一気に主役へ躍り出る。正門含め三方の門がほぼ同時に落ちたら多くのプレイヤーにとっての逃げ場となるのは駆け出しプレイヤーがいた場所。蚊帳の外に置かれていたと思えばいつの間にか騒動の1番激しい場所へと変化する。
イレギュラーイベントによる臨時結界の出現でプレイヤーの損害が予想より軽度になりはしたが、グレゴリの影ヒュディが大暴れしているのでトントンと言ったところだろうか。
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【中級死霊の成長値が限界に達しました。自己進化を開始します。中級死霊が上位個体にランクアップします】
【白奇霞蝙蝠の変異値が限界に達しました。特攻/人の性質を獲得。形態変化を開始します。白奇霞蝙蝠の増殖率が上昇しました。自律権の付与が可能です。付与しますか?】
【Yes/No】
【黒死撒疾鬼の眷属が一定数を突破しました。長の資格を獲得。特殊上位個体へランクアップします。自律権の付与が可能です。付与しますか?】
【Yes/No】
【憤舞螂禍人の殺戮数が一定数を突破しました。殺戮者の称号を自己取得。自律権の付与が可能です。付与しますか?】
【Yes/No】
―――――――――――――――――――――――――――
そんな事を考えてると続けて通知が来て、ノートは言葉を失った。
自律権の付与、それは【賽ヲ投ゲル者】の能力の一つ。どういう条件で使用可能になるのか、そもそも効果は何なのか、どれ一つとして不明だった能力。
その能力が今になって急に使えるようになってしまった。
「(待て待て、これは予想以上のペースだぞ。猿と鮟鱇が倒されたのは許容範囲内だが、3体がほぼ同時に上位個体化だと?やはり中級死霊でもトップ3レベルの種族は強いのか。だが…………)」
自律権は字面でなんとなく何が起きるのか予想できなくもないのだが、オリジナルスキル絡みという所とそもそもオリジナルスキルの全ての効果が開示されていないという事がノートの不安を煽る。
だがここでテストしておきたいという知的好奇心も抑え難い。
「(ま、まぁ?今回は予告したし?誘導に逆らって結界破壊まではしなかったんだからこれぐらいは許されるよな?……ダメか?うーん、まあいいや取り敢えずヤってから考えよう!)」
そして考える事が多すぎて面倒くさくなったノートは、全てのYesを押してしまった。
◆
【External program:¥Ð¡¼¥¹¥Ç¥¤】
【:I:プロトコルに従い自律権の付与を¥²¡¼¥à¥Þ¥¹¥¿¡¼¡¡にオーダー】
【µ¿»÷¿Í³ÊÀ¸À®¡¦ÉÕÍ¿¡¡開始――――完了】
【資格を満たした3体に自律権を贈与します】
【Installed】
『白奇霞蝙蝠・黒死撒疾鬼・憤舞螂禍人への自律権の贈与に成功。特殊進化を実行します』
【ワールドシナリオΩが進行しました】
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お年玉の量はモチベで決まるのだぁ…………
【超どうでもいい小話】
「魂」とか普通はあまり使わない言葉をよく入力するから変換でもよくでるんだよね
「卵」って入力するつもりのところを「魂」って入力してて、あとで買い物メモみて5分ほど悩んでしまった
という事でよいお年を




