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スキルをよみ解く転生者〜文字化けスキルは日本語でした〜  作者: よつ葉あき
クリスディアへの道程

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41.目玉焼きの作り方


ブクマ・評価ありがとうございます!

今日、2回目の更新です。


「では、まずは目玉焼きから。

もう割っちゃったけどこの様に、まずはボウルに卵を割ります」

「え?フライパンに直接、割らないんですか?」


……やっぱりね。そう思いながら答える。


「慣れて、上手に出来るようになったら、直接フライパンに卵を割ってもいいけど……。

慣れてないと黄身が崩れちゃったりするから、小さめのボウルなどに割ってからフライパンに入れた方が失敗しませんよ」

「へぇー。初めて聞きました!」


なんか……はじめての料理!

って、本にしたら売れそうな気がしてきた。


「ただ目玉焼きって言っても、焼き加減で出来上がりが結構変わりますからね。

半熟、固焼き、両面焼き……でも半熟にする時は、新鮮な卵を使ってくださいね」


私が言った事をメモするマリーさんが、メモ帳で顔を隠しながら気まずそうに言う。


「以前……、卵は主人に割ってもらって半熟目玉焼きにチャレンジしたんですが……表面は生焼けで裏は真っ黒になっちゃいました……」

「では、その半熟の目玉焼きを作りましょうか」


そう言って私は目玉焼きを作り始めた。


「まず、生卵ですが家で食べるならカラザ……この白い塊は栄養もあるのでとる必要はないですが、お店で出すとか見た目があまり良くないので取った方がいいですよ」

「あ……」


マリーさんの声が聞こえたので見てみると、スプーンでカラザを取ろうとし、なかなか取れなかったせいで黄身を潰してしまったようだ。

私は新しい生卵を用意し声をかける。


「大丈夫ですよ。潰れたのはスクランブルエッグに使いましょう。

カラザはフォークを使うと取りやすいですよ。フォークの隙間に絡ませて持ち上げれば簡単です」

「本当だ! 上手に取れました」

「では、焼きましょうか」


そう言って私はフライパンと濡れた布巾を用意した。


「……? 布巾なんて、何に使うんですか??」

「前やった時には、裏が焦げちゃったって言ってたのでその対策です」

「油を薄くひいて、中火でフライパンを熱します。

手をかざして熱くなってきたらボウルの卵が崩れないようにそっと流し入れるようにフライパンへ。で、3秒くらいしたら、フライパンを濡れ布巾の上へ」


ジュー!と音をたてるフライパン。

その様子を見て、瞳を見開くマリーさん。


「そんなことして、本当に大丈夫なんですか?」

「フライパンの温度が上がりすぎると黄身に火が入る前に、白身だけ焼けてしまい焦げる原因になります。

なので濡れ布巾に置くと、フライパンの温度が下がるので焦げ付き防止になるんですよ。

フライパンはコンロに戻したら火を弱火にしてください」


テフロン加工のフライパンであれば濡れ布巾も必要ないかもしれないけど、テフロン加工なんてものは、ここにはなかった。

だったらこの方法の方が安全だろう。


「半熟にしたいなら、5分くらいで白身が焼ければ出来上がりです。

黄身に少し火を通して中心部だけを半熟にしたいなら8分くらい。好みの焼き加減で調整してください。

固焼きにしたいなら、濡れ布巾からコンロに戻したらフライパンに蓋をして、2.3分は中火で、その後は弱火で8分くらい。

ただ蓋をすると、黄身の表面が白くなってしまうので、見た目を気にするなら蓋をせず、弱火でじっくり12分くらい焼くのがオススメです」


ちょうど5分くらい焼き、いい感じになったので火を止め、お皿に乗せ、マリーさんの前に置いた。


「完成です。では……

マリーさんもやってみましょう」

「は、はい!」


緊張した様子で、フライパンに油を入れ熱する。

やり易いように小さなボウルに移した生卵を1つ、そーとフライパンに流し入れた。


「ちゃんと綺麗に入った!」

「そうしたら、濡れ布巾にフライパンを置いてくださいね」


マリーさんが濡れ布巾にフライパンを移し、ジューッという音が響く。

もう良いだろう。


「では、コンロに戻して弱火で焼きましょう」


5分程経ち、いい感じに焼けたところでコンロの火を止め、マリーさんがそっとお皿に目玉焼きを置いた。



「できた……?」

「はい、完璧です」

「私にも……私にも料理ができた!

貴女のおかげよ! 本当にありがとう!!」


マリーさんは私の手を両手で握り、満面の笑顔だった。

そんな様子を私も嬉しくて、笑顔で見ていたがハッ! とした様子で手を離し言う。



「嬉しくて思わず……っ!

言葉遣いまで、つい……ごめんなさい……」

「大丈夫ですよ。言葉遣いも私の方が年下なんだし、喋りやすい話し方で構いませんよ?」


慌てた様子がおかしくてクスッと笑いながら言うと、マリーさんが恥ずかしそうに顔を染めた。

年下なんて言ったけど、中身は私の方が年上なんだけどね。


「ありがとう。では、お言葉に甘えて……。

でも、それなら私がタメ口なのに、先生の貴女が敬語なんておかしいから、私にも敬語は無しにしてくれないかしら?

それにティアナさんは、しっかりしてるせいか、なんだか年下とはあまり思えなくて……良かったら名前もマリーって呼んで欲しいわ」


年下とは思えないとは……感が鋭いね!

とは言えず、私は笑顔で答える。


「わかったわ。じゃ、マリーって呼ばせてもらうね。

だったら私の事もティアナって呼んで?」


お互い呼び捨て、敬語なし。にすることにし、

そのままスクランブルエッグを作り、ついでにオムレツの作り方まで披露することになった──。




41.目玉焼きの作り方

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