30.【調理】成功
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評価も感謝です。更新がんばります。
さて、料理に戻りますか!
みんなで割った卵に、牛乳を入れて混ぜ卵液を作る。
それを半分に分け、片方にはグラニュー糖を。
もう半分には塩コショウを入れて味付けし、混ぜあわせた。
そして、例の固ーいパンを2cm幅くらいに切り、作った卵液に、それぞれパンをじっくり浸す。
これで、一旦放置。
次に、ナポルとペシェル。
ナポルとペシェルの皮を剥き、種と芯を取り除いたら、それぞれ薄切りにする。
鍋に切った果物を敷き詰め、グラニュー糖、白ワイン、そしてレモニ……というレモンのような柑橘類の絞り汁を加えて煮立たせる。
煮立ってきたら弱火にし、しばらく煮たら完成。
【生産】で【ナポルとペシェルのコンポート】を作った。──成功!
さらに、どんどん作っていく。
【生産】で【コーンスープ】と【細切りのフライドポテト】【ブロッコリーとベーコンのマヨネーズ焼き】【ソフトナッツクッキー】を作った。──成功!
コーンスープもハンドブレンダーがないので、おろし金でおろした。生クリームもしかり。
ハンドミキサーやブレンダーが無いと大変……と思いきや、例のごとく軽々と混ぜられた。
スキルって、すごい!
ブロッコリーとベーコンのマヨネーズ焼きとソフトクッキーはオーブンが無かったので、フライパンで作った。
本当はチョコチップ入りにしたかったんだけど、チョコレートは見つからなかったので、アーモンドにした。
フライドポテトも油を節約したくて、フライパンで。
……それでも、フライドポテトの為にフライパンへドボドボ油を入れたら、貴重な油をそんなに!? って驚かれた。
ここまでやって、最初の方にやった卵液につけたパンを確認する。
よし、かなり柔らかくなった!
卵液がパンにしっかり染込んだら、焼く。
フライパンに油とバターを入れ、焦がさないように溶かす。
バターが溶けたら一旦火を止めて、パンをフライパンに並べた。
弱火でゆっくり両面を焼いていく。ある程度焼けたら塩コショウした方には、チーズとハムを挟んで、追加で焼くと中からとろけてきた。
ランチのメインなので、塩コショウ+ハムチーズの、甘くない物。
王道のグラニュー糖を入れた甘い物。
【生産】で【フレンチトースト(基本)】【ハムとチーズのフレンチトースト】を作った。──成功!
(基本)って……。
普通の甘いフレンチトーストは、『フレンチトースト(基本)』て、名前らしい。
甘いフレンチトーストには、グラニュー糖を更に変化させた粉砂糖を振り、ペシェルのコンポートと生クリームを添えた。
「うわぁ……美味しそう……!」
テーブルに並べた料理たちを見て、目を輝かすマイカちゃんとルークくん。
ぜひ! とお誘いして、昨日会ったマイカちゃんのお母さん、マリーさんと弟のルークくんにも来てもらった。
「こんな料理を初めて見ました。
ですが……本当に僕達まで頂いても良いのでしょうか?」
オリバーさんは戸惑い気味だ。
オリバーさんはずっと調理の様子を見ていたので、当然、高級食材を惜しみなく使っていたことも知っている。
その為に気が引けてるようだ。
「オリバーさんはもちろんの事、皆さんにも感想を教えて欲しいのでぜひ食べて欲しいです。
厨房をお借りしましたし、あとこの料理を作るのを、マイカちゃんが色々手伝ってくれましたから」
「お母さん!
マイカね、卵を上手に割れたし、材料をはかったり、混ぜたり、このフレンチトーストの上にお砂糖とクリームをのせたのもマイカなんだよ!」
そうなのだ。卵を割ったあと、ちょこちょこマイカちゃんができそうな簡単な作業を手伝って貰ったのだ。
ずっとやってみたかったらしい料理を手伝えマイカちゃんは嬉しそうだ。
そしてその話を聞いたマリーさんは、例のごとくマイカちゃんが卵を割れた事にとても驚いていた。
「さ、冷めないうちに食べましょ!」
私のかけ声で、マイカちゃんとルークくんが凄い勢いで、甘いフレンチトーストのペシェルと生クリーム添えにナイフとフォークを刺した。
うん。やっぱり子供は甘い物が気になるよね?
と思いつつリズとマイカちゃん達の隣のテーブルにつき、小声で「いただきます」と言い私達も食べはじめた。
まずは、甘くないフレンチトーストから食べる。
……うん! とろとろチーズにハムの塩気が美味しい。パンもあのカッチカチが嘘のようにちゃんとフワフワになってる。
本当は1晩漬けてトロットロにしたかったけど……。それはまた今度時間がある時に。
リズもフレンチトーストを食べたようで
「これ……いつも食べてる固いパン何ですよね?
それが信じられないくらい美味しいです!」
おお。いつも冷静なリズが興奮気味だ。作って良かった。
そして普段から感情豊かな、マイカちゃんはというと……
「凄いよこれ! フワフワで甘くて、おいしーーーい!! ペシェルもトロトロだよ?
ルーク! この白いのも凄い甘くて美味しいよ!
白いのだけでも美味しいけど、フレンチトーストやペシェルにつけて食べると、もっと美味しい!!
お母さんも早く食べてみて!?」
大興奮だ。
白いの、というのは生クリームの事のようだ。
一方、オリバーさんはフライドポテトを食べた後にエールを飲んで気付いたようだ。
「エールがいつもより……旨い!?」
フライドポテトにビールは鉄板だもんね。
私はマイカちゃん家族の方に近付く。
私に気付いたマイカちゃんは、興奮冷めやらぬ感じで言ってきた。
「ティアナお姉ちゃん!どれもすっごく美味しいの!!
フライドポテトはカリカリだし、ブロッコリーのは……ブロッコリーもあまり好きじゃなかったけどマヨネーズかかってると美味しいし! コーンスープもトウモロコシのスープなんて初めて飲んだけど凄い美味しい!
特にねフレンチトースト! フワフワなの!!
いつも固くて美味しくなかったパンが……魔法みたい……っ!
ハムとチーズのも凄い美味しいけど、甘いフレンチトーストはパンもペシェルもクリームも甘くて凄く美味しいの!!」
全部の説明をありがとう。
興奮気味に凄く美味しい!! と、何度も伝えてくれた。
「良かったら、こちらもどうぞ」
小さな瓶と小皿に盛った2種類の調味料を出した。
「マヨネーズだ! と、ケチャップ?」
「正解。お好みでポテトにつけると美味しいよ」
嬉しそうに、パクリとマイカちゃんは食べる。
「本当だケチャップつけると美味しいんだね!でも、やっぱりマヨネーズが凄い美味しい~!」
ケチャップも良いが、マイカちゃんはマヨネーズ派らしい。
元日本人の私としては、あまりフライドポテトにマヨネーズをつける習慣はなく、ケチャップ派だ。
でも、フランスとかではマヨネーズをつける。
と聞いた事があったので、ヨーロッパっぽいこの国ではウケるかも。と考えて出してみたが、正解だったようだ。
「あと、これはね?」
私はルークくんのお皿の甘いフレンチトーストに瓶の中身をトロ~とかける。
「ぱくっ。……甘い!! これ甘くてトロッとしてて美味しい!」
「よかった。美味しかったのなら、メープルシロップも自分で好きなだけかけてね」
かけたのは甘いフレンチトーストに定番のメープルシロップだ。
マイカも! とマイカちゃんも急いでメープルシロップをかけて、また「すっごく美味しい!」を連発してくれた。
どうやらメープルシロップを口にした事はあったが、高いからあまり使うことがない上に、後からかける。
という習慣が無かったらしく、大好評だった。
子供達が、感想を言い合いながら食べているのを見て、作ってよかったなぁ。と改めて思った。
自分が美味しいものを食べたいが為に、料理したい! と思っただけだったけど、こうして喜んで貰えたことが嬉しかった。
次回、食後のお茶と思わぬ食いしん坊




