練習1
取材に時間が掛かりました。
「なんで女の子の服を着せられるんですか。」
「魔除けだよ。赤い服の方が良いんだが。」
「どうして魔除けがいるんですか?」
「これから私の力を私に代わって使う練習をしている時に無防備になるからな。」
なんか神様の力を使わせてくれるらしい。座右の銘「ただ程怖い物は無い」が思い出される。
聞いてみる。
「対価は?」
「要らんよ。」
ヤバい気がする。
「こき使った上に対価取ったらあんまりだからな。」
「『こき使う』は対価では無いのか。」
「対価では無い。当然のことだ。」
価値観が違う。
諦めよう。
「練習を始めて下さい。」
「座れ。」
目を真っ赤に光らせないで欲しい。
「頭の後ろに感じる力を手に誘導してみろ。」
頭の後ろがぬるく暖かい。「手に抜けろ」と念じると、なんか流れを感じる。
掌の親指の付け根が熱くなる。
「放て。」
力を込める。
音も無く光が放射される。
「これが雷撃だ。」
当たったところを見ると焦げている。
ドテッ。
見ていた人が腰が抜けている。
小便をこぼれさせている。
また、頭が温かい。
手に導く。放つ。
青い光が出た。おしっこが消えている。
「ありがとうございます。」
礼を言われた。
「初歩の練習終わり。」
神様は上半身裸ででっかい瓢箪から酒を呑んでいる。
まだ続きます。




