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異世界転生変奏曲~転生したので剣と魔法を極めます~  作者: Moscow mule
第十七章 青少年期・王城決戦編
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第214話:英雄の記憶



「――はぁ―――はぁ――急げ!」


 塔の低層で―――トトスは声を張り上げていた。


 彼の周りには、ピュートンと、黒髪の少女エトナ。

 

 そして―――大量の王国民。


 道すがら、トトスが解放して回った――『人攫い』に遭った王国民たちだ。


 『神聖教』最強の戦力である『神聖騎士団』、そして『鴉』のいない今ならば、トトスに敵う神聖教徒などいない。


 だが…内心、トトスは焦っていた。


 この人数を無事にこのまま王国まで逃がしきることができるのか―――。

 

 そもそもこの塔を抜ける事すら難しいかもしれない。


 だが…見捨てるわけにも行かない。


 トトスはユースティティア王国に仕える騎士。

 王国民を守る義務がある。


 …早く…早くしないと…。


 なにせ、上階で奮闘しているアルトリウスがどれほど持つのかなどわからないのだ。


 最上階で目にした――《最強》。

 歴史上の英雄。

 伝説の王。


 あれを相手にしたら、流石の烈空と言えども――劣勢は必至。

 一目見てわかった。

 あれは人間の挑んでいい域を超えている化け物だ。


 先ほどから上空では、この距離でもわかるほどの激しい力のぶつかり合いが続いている。


 ――とにかく、急いで何とかしないと。

 

 様々な不安と、責任を感じる中―――不意に、「上」の動きが止まった事がわかった。


 頭にガンガン響くほど激しかった魔力の動きが止まったのだ。


 ―――まさか…決着がついたのか?


 冷や汗が垂れるのを感じる。


 決着がついたということはつまり…。


「―――嬢ちゃん、どこ行くんじゃ!」


 そこで――そんなピュートンの焦るような声が聞こえた。


「―――!?」


 慌てて振り向くと――視界の端で、全速力で走り去っていく黒髪の少女の姿が目に入った。


「――ピュートン老、いったい彼女は…?」


「さぁ、よくわからんが…そっちの窓を見て―――ハッとした様に『アル君が落ちちゃう』…とか呟いて、急に走っていきおった」


「……窓?」


 それに――落ちちゃう?


 一体どこに?


「―――まさか…」


 慌ててトトスは――その窓…塔の中では珍しい外を見る事ができる窓へ駆け寄る。


 そして――


「―――!」


 確かに――見えた。

 

 夜空を背景に、少し遠目。

 重力に負けて、今にも湖に墜落するという――動かぬ少年の姿。


 ―――アルトリウスだ。

 塔の頂上から落ちたのだ。


 そして―――遥か上空を――『飛行』していく2つの物体。

 あれは…王都の方角。


 あの2人だ…。王都へ向かっている…だと?


 ――どうする?

 

 奴らがいないということは、この場は安全か?

 

 彼女を1人で…いや、しかし…。


「ええい! 我々も早く行くぞ!」


 地団太を踏みながら、トトスは走り出した。




● ● ● ●




「――だからさセントライト。君が強いのはわかるけど――この間みたいに下っ端兵士を殺したところで何も変わらないんだ」


「そんなこと言われてもよぉ…目の前で、まるでユピテル人を家畜かのように扱う『帝国人』の傍若無人な態度、捨て置けねぇって」


「勿論、気持ちは分かるよ」


 ここは――先ほどの逃亡劇からは少し日が経った頃だろうか。


 オルフェウスとセントライト。


 その2人は見慣れぬ酒場のカウンターで話していた。


「――ユピテルがイオニア帝国に負けて60年。自治権なんてものはあってないような物。統治は帝国騎士団の管理下に置かれ、ヤヌスのメインストリートは奴らが大手を振って闊歩している。俺たちゃ親の代から奴らの奴隷さ」


 ため息を吐くかのように――いや、むしろ怒りで息巻くかのように、赤銅色の髪の少年――セントライトは言った。


「――ユピテルの上層部――いや、大人は誰も頼りにならねぇ。誰もが奴らに媚を売って生き延びることしか考えていない。もう――支配される事に慣れちまったんだ。俺がやらなきゃ誰がアイツらに罰を与えるってんだ」


「そうだ。だからこそ――俺達が…数少ない反撃の意思を持つ人間が、あんな下っ端に構ってる場合ではないんだよ」


 諭すようにオルフェウスは答える。


「―――倒すべきは大本、イオニア帝国皇帝――ガルガンチュアだ。奴を倒さぬ限り、この腐った世界に終わりはない」


「…本気か?」


「本気も本気さ。ユピテルだけじゃない。圧政に苦しむ全ての都市を――国を――世界を――俺達の手で救うんだ」


「オルフェウス…」


 その言葉は、絵空事のようにしか聞こえない。

 でも、その少年の金色の瞳を見ていると――どうしてもそれが不可能には思えないような、そんな不思議な感覚に襲われる。


「帝国軍は、このユピテル近辺だけでも合わせて10万。帝都には30万もの軍勢がいる。皇帝に辿り着くまでにはこいつ等を相手にしなければならない。それを俺達2人だけでどうにかできるはずがないだろう?」


「ああ、確かに――2人は…無理だな」


「だったら…」


「あと5人…いや6人、実力者が必要だ」


「は?」


「やはり仲間を集めよう。何者も比類しない最強の8人を」


「オルフェウス…」


「セントライト―――一緒に世界をひっくり返すぞ!」



● ● ● ●




『これが――世界の救済を目指した男の立志だ』


 頭に――声が響く。


『そしてその男――オルフェウスの言った事は、次第に現実となっていく。あるいは彼が教え育て、あるいは彼に導かれ、あるいは己が本能のまま――彼の周りには実力者が集まった。《摩天楼》、《翠嵐》、《軍神》…いずれもが一騎当千の猛者だった』


 それは、俺も知っている話だ。


『そして、オルフェウスは苦難の果てに、イオニア帝国と皇帝ガルガンチュアを打倒した』


 そう、それが歴史。

 初代八傑と、オルフェウス。

 『八傑英雄譚』で読んだ記憶がある。

 700年前にあったと言われる――英雄の生きた時代の話だ。


『だが…その皇帝の残した《力》―――《ニルヴァーナの滴》を巡って、オルフェウスとセントライトは争うことになった』


 ――力?


『そう―――人を《神族》に昇華し――『永遠の命』と『絶望へ(いざな)う力』を与える――()()の作った災厄の力だ』


 …じゃあ……。


『――人々に請われなくなった《神族》が――人間に混乱と混沌をもたらすために作ったのが《災厄の力》――《ニルヴァーナの滴》であり、イオニア帝国皇帝――ガルガンチュアだった』


 まさか…。

 じゃああのピュートン老人の言っていた…《災厄の力》と神々を倒した英雄っていうのは――


『そう、それが…オルフェウス。世界を救おうと――運命に抗い続けた男だ』




● ● ● ●




 再び――景色が…場面が変わった。


「―――ハァ…ハァ…チッ…引き分けか―――」


「――そのようだな」


 それは、彼らの成長した姿だ。


 息を切らせて――地に横たわる2人の青年。


 彼らが寝そべる背景――周りの植物は死滅し、岩肌が丸出しの巨大なクレーターを見ると、その戦いが凄まじい物であったことがうかがい知れる。


「ハンッ、よく言うぜ…手加減していたくせによ…」


「――そんなことはないさ」


「…そうかよ」 


 悪態を吐きながら――赤銅色の髪の青年が立ち上がる。


「なぁ、どうしてだオルフェウス。《ニルヴァーナの滴》を封印するなんて…」


 青年――セントライトが投げかけるのは、そんな疑問だ。


 オルフェウスは答える。


「――アレは人の営みの外にある物だ。アレを使ってしまっては…俺達が倒したガルガンチュアと同じだろう」


 対する赤銅色の髪の青年は、欠片も納得するような顔ではない。


「…それは違ぇよオルフェウス。帝国が失敗したのは――《力》を持ったのがガルガンチュアだったからだ。ちゃんと人のことを考えれて、優れた人間が使うならば―――人類の未来は永劫に続くことになる」


「いや、違わないさ。人類は――誰かが導かなければいけないほど弱くない」


「なに?」


「歴史はまだまだ続くんだ。俺やお前なんかよりも凄い奴なんて、この先いくらでも出てくる。別に俺やお前が人の域を越えて――永遠に面倒を見なくたっていいんだ」


「だから…《民主制》か」


「別に…そういうわけじゃない。ただ、今のユピテルをまとめるには――帝政じゃ民に受け入れて貰えない。それだけだ」


「あーそうかいそうかい。ったく…いつも何でも知ってるように言いやがって…」


 そう言いながら――セントライトはオルフェウスに背を向けた。


「…どこへ行くんだ?」


「さぁ? 知らねぇよ」


 セントライトは振り返らずに答える。


「――オルフェウス、覚えておけ。俺は――いつか俺のやり方が正しかったってことを証明してみせる。人類を導くのは――この俺だ」


「そうか…」


「へっ!」


 そして――足を引きずりながら、獅子は去って行った。




● ● ● ●




 ――再び景色は変わった。


 それは――漆黒の塔。


 見覚えのある…。

 いや、先ほどまで見ていたこの塔だ。


 だが、天候がやけに悪い。


 嵐と言ってもいい。


 雨と風が吹き荒れ、この塔の頂上の高度では、その風圧は目も開けていられないほどだ。


「―――オルフェウス!」


「なんだ…来たのか」


 そんな空間で、2人の人影があった。


 片方は――先ほども出てきた金色の髪の青年だ。

 先ほどよりは幾分か歳も取っているように思える。


「どうして…どうして行ってしまうの?」


 そう、訴えるように叫ぶのは―――灰色の髪の少女だ。

 俺にとっては見覚えのある――あの少女。


「―――どうしてもさ」


 少女の言葉に、そのオルフェウスはそう答えた。


「貴方が…やる必要はない。貴方は充分頑張ってきた。死に物狂いで帝国を倒し、平和な時代を築いた。これ以上いったい何をするっていうの?」


「…《ニルヴァーナの滴》は、俺にしか封印できない。他に任せるわけには行かないだろう?」


「でも――そうしたら貴方の命は…」


「大丈夫。確かに俺の命は尽きるだろうが――きっと君は、また俺と会える」


「嫌だ! 私も――私も一緒に…」


 少女の言葉に、オルフェウスは答えない。

 これ以上は無駄だとばかりに、そして、どこか優し気な表情で、彼は言った。


「―――最後の《契約》だ」


「――!」


「君は残り―――俺の…俺達のやったこと、俺達のやりたかったこと。その意思を、歴史を、紡ぎ続けろ。アイツに――分かるようにな」


「――待って!」


 しかし―――少女の声が掻き消えるように―――オルフェウスは魔力の―――光の奔流の中に消えていく。


 ―――静寂。

 光と魔力は塔に吸収されたかのように、儚く消えていった。


「――どうして…私を――置いて行くの…オルフェウス…!」


 うずくまる少女に――答える者はいなかった。




● ● ● ●




 ―――。


 元の場所だ。


 真っ暗な――何も見えない暗闇。


 動くことのできない――全てを失くした空間で、声だけが響く。


『そして――世界を救いたかった男は消えた』


 …オルフェウスは――死んだのか?


『そうだ。今まで見せたのは、この塔に残された記憶の一部』


 じゃあ…お前は――


『オルフェウスの――残滓さ。ほんの少しだけ塔に残った――僅かな自我だ』


 そうかよ。


 それで……これを見せて、俺にどうしろと?


 過去の英雄――オルフェウスが、命を懸けて帝国を打倒し――神の力を封印したなんて……そんな成功した―――世界を救えた奴の話をされても、俺にはどうしようもないさ。


 俺は負けた。


 セントライトに、調停者に、絶望に負けた。

 もう――終わったんだ。


『…オルフェウスは、世界を救ってなどいない』


 なんだと?


 さっき…見せたじゃないか。

 《災厄の力》を持った皇帝を倒し…命を賭して《ニルヴァーナの滴》を封印したその姿を。

 

『……もう一つだけ、彼の死後の――塔の記憶を見せよう』




● ● ● ●




 そして―――再び場面は変わった。


 場所は先程と同じ塔の頂上。


 だが、雰囲気は先ほどと少し違う。


 天気が悪いということは同じだが、色々と風化している部分が見られるのだ。


 随分時間が経った後らしい。


「――クソ…何故だオルフェウス! ―――ようやく…ようやく《ニルヴァーナの滴》を見つけたと思ったのに…命を賭してまで封じるとは…」


 その頂上で――地面を殴りつけるかのように叫ぶのは――見覚えのある男。


 赤銅色のやけに伸びた長髪に、長身…セントライトだ。


 しかし――先ほど見た青年の姿と違い、随分年老いているように見える。


「――これでは…使うことができない…。死してなお―――我が覇道を阻むのか…」


 セントライトは苦悶の表情を浮かべる。


 まるで、長きに渡る全てが無に帰したとでもいうような、そんな慟哭が響き渡る。


 どうやら彼は、オルフェウスがここに封印していた《ニルヴァーナの滴》を探しに来ていたらしい。

 しかし、いざ探し当てたはいいが…封印されていて使えなかったということか。


 そこに―――。


「―――随分お困りのようだね、英雄の片割れよ」


「―――貴様は…!」


 どこからともなく現れたのは、橙色の髪に、赤ローブの少年だった。


 瞬時にセントライトは立ち上がり――警戒するように腰の剣へ手をかける。

 

「僕はリード…まぁ知っての通り《神族》だよ」


 赤ローブの少年はニヤニヤと笑いながらそう名乗った。


 セントライトは目を細めて答える。


「――ああ、知ってるよ…。だが貴様ら《神族》はあの時――ガルガンチュアを倒した時に、この世界から去ったはずだ。どうして――ここにいる?」


「ふ、確かに――君たちのせいで随分やられたよ。もう――残っているのは僕を含めて3人だ」


「なに?」


「はは、安心してくれ。今の僕らに大したことはできないさ。正直――ここに現界しているのもギリギリなんだ…」


 笑うリードに対し、セントライトは警戒を解かない。


「そう警戒するなよセントライト。今日は君にいい話を持ってきたんだ」


「いい話だと?」


「―――《ニルヴァーナの滴》、使いたいんだろう?」


 その言葉に――セントライトの表情が変わる。


「―――使えるのか?」


「…今は無理だね。僕らの力も弱いし…この塔に眠る《力》の根源はともかく、オルフェウスの仕掛けた《鍵》の行方も分からない。でも――」


 そこで、リードの口元がニヤリと歪む。


「――この封印に、君を紛れ込ませることはできる」


「……どういうことだ?」


「君をここに封じれば――次にこの《力》を解放したとき、その《力》が全て――君の物になるということさ」


「―――!」


 一瞬―――セントライトの表情が緩む。

 まるで待ち望んだ物を目前にした獣のようだ。


「――君が望むのは、君という優れた《個》による永遠の人類の支配だろ? それは――《ニルヴァーナの滴》なくしては不可能だ。君も――もうあと十数年もしたらこの世から去っていくんだからね。それが人間という種の限界だ」


「……」


「永遠の命と、全てを支配する力―――まさに《神》ともいえる力を手にするんだ。あのオルフェウスにもできなかったことだよ」


 その言葉にピクリと――セントライトの眉が震えた。


「君は――ずっと思っていたはずだ。ガルガンチュアでなく自分ならもっと上手くやるのに―――と。オルフェウスさえいなければ、自分が世界の頂点なのに―――と。僕と契約すればそれが現実になるんだ」


「……」


 セントライトは、黙って――吟味するかのようにリードの言葉を聞いている。


「――もちろん…いつ解放できるかなんてことはわからない。数十年…いや、数百年は必要だろう。でも――確実にその時はくる」


「……」


 少しの間、セントライトは、じっと…考え込むように目を閉じた。


 そして、


「―――リードとか言ったな」


「うん?」


「――契約の条件を聞こう」


「ハハッ…そうこなくちゃね!」


 少年、リードがやけに邪悪な笑みを浮かべたところで―――景色は変わった。




● ● ● ●



『セントライトは――リードと契約をした。《全人類を絶望に(いざな)うこと》を条件に、《ニルヴァーナの滴》の受け皿となるというな』


 絶望…。


『そうだ。人の最も嫌な部分を突き付け、心を壊す――最低の力。まさに今、お前を襲っている力だ』


 ……。

 

『オルフェウスは―――救えてなどいない。世界も、友も、何も救えなかった。《ニルヴァーナの滴》による絶対王権を信じたセントライトを――《神族》にそそのかされたセントライトを――止められなかった』


 その…《神族》って…何者なんだ?


『――今代では調停者を名乗る…神を気取った連中さ』


 じゃあ…アイツ等――リードやラトニーは…。


『そうだ。奴らは《神族》。神を求めなくなった人々を――混沌と混乱に陥れようとした超常の存在。オルフェウスは、奴らを完全に倒しきることはできなかった。彼にできたのは精々全てを先延ばしにして――未来に託すことだけだった』


 未来に託すって…。


『――お前を待っていた』


 ―――!


『《調停者》――《神族》の野望を阻止できるのはお前だけだ』


 …そんな事言われても…無理だよ。


 俺はもう負けた。

 

 全ての技で負けて、唯一の取り得だった「飛行」も、大した物じゃなかった。


 あの英雄―――オルフェウスで無理だったなら、俺なんて余計無理だ。


 俺は弱くて、嘘つきで、偽善者で――そんな期待されるような奴じゃないんだ。


 元々は臆病で…なんの度胸もなく、何の取り得もない――中年男だよ。 


 今までは運が良かっただけ。

 このアルトリウスという身体に助けられただけ。


 俺には何もできない。

 誰も俺が何かをすることなんて望んでいないんだ。


 この絶望の中、立ち上がる事なんて…できやしない。 


『――本当にそんな物か?』


 ああ、そうだ。

 俺は皆の言うほど大した人間じゃないんだ。


『お前の築き上げてきた物が――友が、仲間が、その程度で君から離れていくと?』


 そうだよ。


『本当にか?』


 何を…知ったような口を…。


『――直接――彼女に聞いてみろ。それからでも、遅くはない』


 彼女?

 いったい何を言っている?


『…塔に残った残滓の力を全て使い――傷は治した。あとはお前が絶望に打ち勝つだけだ』


 おい、聞いているのか?

 何を余計なことを…


『…託したぞ、アルトリウス。奴を――セントライトを止めてくれ―――』


 ―――おい…。


 やめてくれよ…俺に何を―――。



 ―――そこで声は途絶えた。




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