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アーマード勇者育成記 最強強化外骨格チートで異世界蹂躙! 男の娘勇者を育てて神をぶっ殺す件  作者: からくり8


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第156話 俺、試合に参加をする。

 俺はカタカタと震える猫の後頭部を鷲掴みのまま例の受付前までやってきた。

「嫌だにゃ! 嫌だにゃ! 痛いの嫌だにゃ! 死ぬのはもっと嫌だにゃー!」

「るせーなったくよー。まだ何も始まってねぇだろうが。んな事より受付とかねーのか」

『あれじゃない?』


 ビーディが指をさす先に鋼鉄の壁に鋭い爪で傷をつけ何やら喋り散らす、蝙蝠(コウモリ)が天井にぶら下がっている。


 俺はそいつの元へ行くとどうやら賭博の斡旋を行っているようだ。


「大番狂わせ大歓迎! 1番人気はもちろん黒の城壁! 大穴狙いで新入りチーム勇者もいいぞ!」


 ん? 勇者がなんだって?


「おい、コウモリ1つ聞かせろ」

「ハイ旦那。どうです? 貴方も当たればスチームコインたくさん手に入りますよ!」

「チーム勇者ってなんだ?」

「へぇ、最近メキメキと頭角を現す人間のチームでしてね。あの変身する女や即回復させるヒーラー、特に金の髪の人間が強いのなんのって――」


 金の髪……アーサーの事か。


「そんなに強いのか?」

「えぇそりゃあもう」


 ここの奴等が弱いだけなのか? 聞いてるだけでは判断できんな。


「俺も参加したいんだが、受付がどこにあるか教えてくれ」

「なんだ参加希望か。それならそうと言ってくださいよ。俺が上に伝えておきますよ」

「俺、この震えてる黒猫、それと後ろにいるダークエルフのチームでいく」

「いいですけど旦那、その猫はやめたほうが……」

「良いんだよこれで」

「そうですか、んじゃ軽くルール説明させて貰いやす。ほとんど無いようなもんですが、基本弱肉強食って感じでどんどん殺してオーケーって感じです。勿論、サレンダーを促す事もできます。所持してるスチームコインをどうするかも勝ったチームが決めます。奪うもよし、そのままにするも良し」

「とにかく勝てばいい。そういう事か」

「そうッスね。あぁそうだ。青と赤に別れて戦います。あと二つ名を付ける事。これは絶対。まぁ後注意するのは戦ってる途中で味方を客席に戻したりする事だな。これをやると試合放棄とみなされ一発で失格になる」


 あのゴリラが黒の城壁と呼ばれていたのも、その二つ名って訳か。

 プロレスでいう所のリングネームのような物か。


「ところで勇者はどっちのチームだ?」

「勇者は赤です旦那」

「そうか……。では俺達は青でいこう」

「よろしいのですかお兄様? いずれ戦うことになりますが……」

「良いんだよ。それに最近忙しくてバタついてたからな。あいつがどれだけやるのか確認もしたい」

「フフ、強いですよ彼は。いい剣士だと思います」

「お前から見てもそう思うか」

「ハイお兄様」


 あの言い方からして、俺に黙って2人で組み手でもしていたのか。まぁいい。研鑽を積む事はいい事だからな。この2人なら特に問題はないだろう。


「で、チーム名は?」

「そうだな……死を望む者(デス・ウィッシュ)でいく」

「チーム、デス・ウィッシュね」

「死……!? 死ぬのは嫌だにゃーッ!」


 マジムカつくわこいつぅ〜。


『次俺の番ね〜名前どうしようっかなぁ』

「わ、ワイトの化けもんか……」

『ここの獣人達ってホラー耐性強いよね。普通だったらビビると思うんだけど』

「あぁ、序列3位……いや今は2位か。あんたとよく似てるからな……。ただあっちはスカルじゃなくてレイスだが」

『へぇ〜幽霊がいるんだ』

「あぁ、メロデスって名前だ。ところであんたソロで参加するのか? やめたほうがいい。ここでソロはただの自殺志願者って認識されてる。正直メリットがなさ過ぎる」

『いいよ。ソロの方が色々気楽だから』

「そうですかい……二つ名はどういう名前にします?」

『赤ずきん』

「は?」

『だから、赤ずきん』


 赤ずきんってより、もはや巾着袋なんだよなぁ。


「レッドフードにしときやすね……」

『まぁどうでもいいよ。名前なんて。早く撃ちたいな〜。あ、俺チームは赤ね。アーサーきゅんと一緒がいい』

「ま、いんじゃねーの。そんときゃそん時よ」

『やる気満々じゃんこわ〜』

「ほいじゃ、俺は今から上に伝えるんで、旦那達は青だから左の通路の奥に進んで貰えれば、後は道なりに進めば他の参加者と一緒に待って貰うことになるって感じッスね」


 コウモリの目線を追うと、左に薄暗い通路が目に入った。


 あれ……物資搬入用のエレベーターシャフトじゃねぇか……。


「髑髏の旦那は右奥手前の通路を行ってくださいッス」

「世話になったなコウモリ」

「ガッポリ稼がせて貰いやすから、これ位何でもないッスよ。試合を盛り上げてくれること期待大!」


 俺は左の通路の通路を行こうとビーディに肩を掴まれた。


 彼は自身のこめかみ辺りをトントンと叩く。あれはシークレットチャット開始の合図だ。


『冗談抜きで戦うってなったらどうする?』

『適当に戦って負けてくれりゃいいだろ』

『えーやっぱし俺がサレンダーするのぉ?』

『別にいいだろ、お前俺と違ってただの遊びなんだから』

『エスカちゃんに流れ弾当てたらごめんね』

『心配すんな。そん時は全身スクラップにする』

『だっ大丈夫だよ! けんちゃんだけ狙う様にするから!』

『まぁ気張るなよ』

『100歩譲って、もしもエスカちゃんに傷がついたら?』

『殺す』

『うーんこの』


 俺はチャットを一方的に切り上げる。


 俺はそのまま通路を通り搬入用のエレベーターへ向かうのだった。

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