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アーマード勇者育成記 最強強化外骨格チートで異世界蹂躙! 男の娘勇者を育てて神をぶっ殺す件  作者: からくり8


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第141話 俺、エルフの森へ赴く

 豪雪の空をゆっくりと進む。

 目の前はブリザードのおかげで何も見えない。


「何も見えんな。そろそろ着いてもいい頃合いなんだが」

『ゲイン様、先行しておりましたビーディ様が15キロ先で停止致しました』

「おっそうか。どうやら着いたようだな」


 輸送機を列車の近くに着陸させる。


 輸送機の窓から鬱蒼とした木々が確認できる。


 操縦席を立ちエルフ達の前に立つ。


「どうやら着いたみたいだ。皆外に出ていいぞ」

「あの……よろしいでしょうか?」

「ん? 何?」


 男性のエルフが畏まった様子で俺の前に立ち一方を指差す。


「彼女は私がおぶっていっても?」


 指差を指した先にいたのは精神が崩壊した女性エルフだ。虚ろな目をし口からよだれを垂らし口は半開きのまま椅子に座っている。微かにだが、うわ言の様に何かの言葉を呟いている。


「あぁ、任せる」


 俺がカーゴドアに近づくと、自動的に開き冷たく鋭い風が吹き荒れる。


 俺は外に出てビーディの元へと歩いていく。


『ねぇけんちゃん見てよこれ』

「こいつは……」


 エルフの森全体が黄色い色をした膜の様なものに覆われているのが木々に近づいて初めて認識できた。


 これはエネルギーフィールドか? しかもこの色の薄さはかなりの高密度の証拠だ。


「これお前がやったの?」

『んな訳ないじゃん。俺が来た時から既に張ってあったんだよ』


 エネルギーフィールドはロボットとフルメタラーが貼ることのできる所謂、バリアーだ。それが森全体を覆っている。


「ここまで薄くそして巨大となると――」

『同郷の仕事だね。間違いない』

「どうかなさったんですか? なんですかこの膜は? こんなもの前はなかった筈……」


 女エルフがエネルギーフィールドに触ろうとするのを、俺は彼女の手を掴みやめさせる。


「絶対にこの膜に触ろうとするな。あんた達の防御力じゃ黒こげになっちまうぞ」

『黒こげで済めば良いけどね』

「大人しく少し離れて待っていてくれ。あと絶対に膜に触るなと行っておいてくれ」

「ハ、ハイ……わかりました」


 女エルフは仲間達元へと戻っていった。


『どうする?』

「そうだな。バリア貫通できれば良いが……」


 そういうと彼がインベントリからマグナムを取り出し3発撃ち込むがバリアに変化はない。


『こりゃ相当だね。当たる瞬間にバリアブレイク付与させた劣化ウラン弾が蒸発するとは』


 こいつの弾丸をいとも簡単に蒸発させる程か。


「お前の銃弾の弾道係数は?」

『んースコアは大体340k辺りを行ったり来たり』


 かなりの高さだ。弾道係数の数値はそのまま銃弾のクオリティに直結する。彼の高さは十分最上位と相違ないと言ってもいい高さだ。


 それを安々と蒸発させてしまう程のエネルギーフィールドと言う事になる


「なるほどな……。あれで行くか」

『あれって何?』

「昔よぉ、鍔迫(つばぜ)り合いで遊んでた頃に対消滅した事が一度だけあっただろ」

『あぁ互いのエネルギーフィールドぶつけあってバリバリってさせて遊ぶ奴?』

「そうそれだ。展開!」

『なるほど〜展開!』


 俺と彼の周りに蒼い膜が出現する。

 そしてそのまま森に張られたエネルギーフィールドに接触。凄まじい轟音と共に目の前がまるで爆竹でも炸裂させたかの様な小さな光が幾重も発生する。


「ビーディお前は出力を上げ続けろ。俺は徐々に下げていく」

『了解』


 エネルギーフィールドは何も出力を上げればいいというものではない。上げすぎると、それだけ強靭になる可能性があるが範囲が狭まる。逆に下げると範囲は広がるが脆くなる場合がある。


 このエネルギーフィールドと言うスキルは死に要素の側面が強く、使うのにコツが必要である上使おうと思っても出力を強めればいいのか弱めれば良いのか非常にわかりづらく、わざわざ使うプレイヤーはまずいない。しかし何度もトライアンドエラーを重ね、最強ならぬ最防の出力を見つけ出せた場合はその限りではない。


 閑話休題。


 エネルギー出力を下げていくとどんどんこちらの覆っている膜が薄くなる。そしてある程度下げ続けて、向こうの膜にヒビが入った。


「ストップ! 見たか今の!」

『見た見た! ヒビ入ったねー』

「よしこっからは簡単だ。思いっきりぶつかっていけばそのうち消え去るはず」


 そうして俺とビーディは膜との接触を続け、俺のバリアが消え去ると同時に森を覆っていたエネルギーフィールドは消え去った。


「よし、いざ鎌倉!」

『いえーい』

「『ウイ〜』」


 俺はバリアを張ったままの彼に向かって握りこぶしを向けるが一瞬で弾かれてしまった。


「出力がでかすぎる」

『いや、上げろって言ったのけんちゃんだからね!?』


 エネルギーフィールドを解除した彼とエルフ達を伴い、エルフの森へと足を踏み入れる。


 気温こそ極寒地と変わらないが木々のおかげか、雪は一切積もってない。


「今度は我々が案内致しましょう。どうぞこちらです」


 俺達は先を行くエルフの団体の後に付いていく。


 流石エルフの森、木が青々としてるな……。これもバリアに守られたおかげなんだろう。


 そんな事を思っていると、エルフ達は一斉に立ち止まった。


「この先が、我らの故郷である里です。どうぞお進み下さい」


 エルフ達に催促され俺は先陣を切って里に入ろうとした瞬間、銃声が鳴り響き俺の足元に銃弾が着弾した。


 弾が来た方向に目をやると、木の上にドラグノフ狙撃銃(SVD)等のスナイパーライフルを構えた数人のエルフが俺に銃口を向けていた。

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