86、カース、四年生
もうすぐ春が来て、私達も四年生になる。
ウリエン兄上は領都から王都の近衛学院に無事進学したそうだ。
姉上は魔法学校の四年生、卒業して見事王都に行けるのだろうか。
放課後の算数教室は三日に一回ぐらい行った。アレックスちゃんも覚えが早い方だったが、サンドラちゃんの理解が早すぎる。
もう連立方程式まで解けるようになってしまった。このペースで進んで行くと、一年もしないうちに教えることがなくなってしまう。
困った。数IIBの赤チャートが欲しいぞ。
さてクラスのメンバーだが、珍しく変化なし。三年時と全く同じだ。
なお、授業はどんどん難しくなっている。
一時間目、国語。
四字熟語、慣用句について。
二時間目、算数。
割り算。
三時間目、魔法。
魔力計測、四百まで。
四時間目、社会。
天測について。
五時間目、体育。
槍術。
槍は今日が初体験だ。
これは難しい。私やスティード君は力任せに何とかできるが、みんなバランスを取るのに苦労していた。私の場合、剣も槍も金操で操ると早いのだが、そればかりやってしまうと貧弱な坊やになってしまう。
きちんと身体も鍛えないとね。
剣ではスティード君に勝てないから槍では勝てるよう頑張りたい。槍の達人と言えば、七本槍とか趙雲とか宝蔵院とか? あまりピンとこないな。
むしろ漫画を参考にした方が面白いかも知れない。まあ今は授業通りに槍を振るう。
打ち下ろし、薙ぎ払い、かち上げ、そして突き。先生がするように私達もする。
ちなみに私もスティード君もみんなと同じ槍を使っている。というよりみんな同じ学校の備品を使っている。誰も自前の槍を持っていないのだ。
こうして形稽古で本日は終了。
放課後はスティード君と槍で少し打ち合ってみた。多分互角と見た。
ふぅ、今日もいい汗をかいたぜ。
どうでもいいことですが、この世界の四年生は、入学が一年早いため現代日本の小3と同じ年です。




