82、代表選考前
そうかと思えば……
「カース! なぜ参加してないの!? カースほどの魔力があれば五年生にも勝てるんじゃないの!?」
アレックスちゃんが朝から叫んでいる。
「いやいや、無茶言わないでよ。勝てるわけないよ。所詮僕は魔力が多いだけなんだから。」
そんな面倒くさいことなんかやりたくないんだよ。評定も関係ないし。
「そんなことよりアレックスちゃんは頑張ってよ。君の魔力こそ五年生に勝てるんじゃないの?」
三年生の代表に選ばれて当然って物言いだけど、多分間違いないだろう。なぜなら基本的に上級貴族ほど魔力が高いからだ。
我らが一組から魔法部門にエントリーしているのは……
・アレックスちゃん
・エルネスト君
・フランソワーズちゃん
・サンドラちゃん
・平民組から二人
剣術部門は
・スティード君
・グランツ君
学問部門は
・サンドラちゃん
・フランソワーズちゃん
・平民組から一人
ここから一組、二組合同で三年生代表を決めるのだ。
その結果、三年生代表は……
・魔法、エルネスト君
・剣術、スティード君
・学問、サンドラちゃん
となった。
うーんアレックスちゃん、残念。
貴族の格としてはアレクサンドル家の方が余程上だが、エルネスト君には敵わなかったようだ。まあ私が見たところ僅差だったようなので、今後の努力次第でいくらでも逆転できるだろう。
スティード君とサンドラちゃんは楽勝に見えた。さあ上級生のお兄さんお姉さんを相手に勝負になるのか!?
クタナツ代表選考は明後日だ!
ちなみに二組とは残酷なぐらい差があるようだった。下級といえども貴族か。血筋の差って残酷だよな……
これが現実か……




