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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第3章

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60、キアラ到着

『なまこ×どりる』を書かれておられるGyo¥0-(なまこ)さんよりレビューをいただきました。

辺境伯家に戻ったら、キアラ達が到着していた。ほっ、ひと安心だな。

オディ兄はマリーとイチャイチャしてるし、ベレンガリアさんはパスカル君と話し込んでいる。そして何より嬉しい誤算は……


「父上! 来てくれたの!? 仕事は大丈夫なの?」


「イザベルの実家のピンチだからな。来るに決まってるさ。どうにか有給休暇を取れたのさ。」


「ありがとう父上。嬉しいよ。どうする? ゼマティス家まで乗せて行こうか?」


「いや、歩いて行くさ。久々の王都だしな。街並みを確認したいからな。」


父上はそう言って夕暮れの街中に消えていった。背中がかっこいいぜ。それよりクタナツ騎士団に有給休暇があったとは知らなかったな。


「カー兄! 来たよー! 何して遊ぶー?」


おじいちゃんおばあちゃんにキアラを会わせてあげたいが、今はどこにいるんだろう?


「よーし海に行こう! 大きい魚を獲ってみんなで食べような!」


「うん行くー!」


もうすぐ夕方なのに海に行く羽目になった。私が言い出したせいだけど……まあここからは西に行っても南に行っても海は近いしな。


「アレク、海に行くよ。いいかい?」


「ごめんなさい。ソルと打ち合わせがあるの。行けないわ。」


なんてこった……アレクのスク水が見れない……


「分かった。じゃあキアラと行ってくるね。」


コーちゃんはアレクを頼むね。


「ピュイピュイ」


これから何日も何人も辺境伯家に籠るわけだから食料はいくらあってもいいよな。




やって来たのは王都の南、サウジアス海。比較的波は穏やかだが、強力な魔物も多いらしい。まあキアラには関係ないな。たまにはシーオークやツナマグロも食べたいよね。ワサビもあることだし。


あっ、キアラはいきなり飛び込んだ。いつものように高速で泳いでいる。よーし、魚のことなんか忘れて私も泳ごう。キアラに追いつくぞ。待て待てー。


『水中気』『水中視』の魔法も併用して縦横無尽に泳ぎまわる。海底は深い、そして大きめの貝が多いように思う。あれって挟まれたら危ないやつだな。真珠貝とかいないのだろうか。


それにしてもこの辺りは深いな。軽く百メイルはある。光源の魔法があるから明かりには困らないが。そんな深さにキアラは水圧など物ともせず潜ってるな。負けられん!


『カー兄は何が食べたい?』


うおっと、キアラから伝言の魔法が届いた。


『ツナマグロって分かるか? それが食べたいな。 』


『知ってるー。美味しいよねー』


よーし、キアラの腕に期待だな。私は見かけた魚を片っ端からゲットしておこう。あんまり大物がいないな。まあいいや。サカエニナにウンタンも集めておこう。嗚呼……醤油が欲しい。




そうやって海中で獲物を集めること二十分。南方から大きな魔力が近付いているのを感じた。大物のお出ましか?


『カー兄、強そうな魔物が来てるから私がやるねー』


コンビニに行くからついでにアイスも買って来るねーってトーンだな。さすがキアラ。ならば私は採集を継続するのみだな。




『カー兄、捕まえたよー。まだ何匹か来てるから捕まえるねー』


『よーし偉いぞ。そろそろ帰るからな。後十五分だけな』


光源の魔法を使ってるから分かりにくいけど、もうとっくに日は暮れているんだから。ところで、アレクとソルダーヌちゃんの打ち合わせって何なんだ?





『キアラー、帰るぞー。海上に出ておいでー』


『分かったー』


海上に出た私が見たものは、大きく長い海蛇だった。シーサーペントだったか? それが四匹。キアラの魔力庫では収納できないから凍らせてあるのか。全く末恐ろしい女の子だなぁ。


「よーし、キアラ偉いぞ。よく捕まえたね。さあ帰ろうか。みんなの喜ぶ顔が楽しみだな。」


「うん! 王様はこれぐらいできないとねー!」


やばい……王都でそんなことを言ったら……不敬罪とか謀反を疑われるか? まあいいか。




ゼマティス家に一匹、私の魔力庫に二匹。そして辺境伯家に一匹を提供する。生き残った辺境伯家の料理人のアドバイス通りに解体していった。アレクは当然として、キアラの方が私より解体が上手い……くそぅ。


学生達の唖然とする顔をよそに解体は終わった。さあ、シーサーペントの肉は美味しいのか?




旨い!

まるで自然いっぱいの広い野原で育った天然の鶏。その親鶏の味わい深さに若鶏の柔らかさ。そんないいとこ取りの味わいだった。


これには連日の災難に参っていた学生達も満足したようで、士気の盛り上がりを見せた。やはり食は偉大だな。




「カース君。こんなご馳走をありがとう。とても美味しかったわ。」


「キアラに言ってあげてよ。捕まえたのはキアラなんだから。」


「もう言ったわよ。王様なら当たり前とか言ってたけど、よく分からなかったわ。」


「あはは、何のことだろうね。それより王城だよね。アレクから聞いた? 手の出しようがないよね。」


「そうね。アレックスから話を聞いて思ったんだけど、あの鎧の奴らってもう王城に入り込んでいるんじゃないかしら?」


なるほど。一理あるな。

そんな奴らを外に解き放つわけにはいかないから、未だに結界魔法陣が解かれないのか。ありえるな。あーくそ、早く終わらせてアレクとの夏休みを楽しみたいってのに!


よし、明日はオディ兄を連れてウリエン兄上の所に行ってみよう。果たして兄上は自宅にいるのだろうか。

なまこ×どりる


https://book1.adouzi.eu.org/n3777fc/

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