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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第3章

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56、罪と罰

夜も更けた。少し眠いがまだ寝るわけにはいかない。最後に残ったエルフを誘き出さないとな。


私とマリーとお兄さんで焼け落ちたギルドまでやって来た。アレクには見せられないことをするからな。


死にぞこなったエルフ、ガブ何とかをミスリルボードに乗せて五メイルほど浮かべる。


「命令だ。そこで踊ってろ。」


「くっ……」


「それから大声で助けを呼びな。拡声を使ってもいいぞ。三十分経過して男が現れなければ……」


『テーゲンハルトぉー! 助けてぇー! お願いぃー! 私まだ死にたくないのぉー!』


「心配するな。絶対死なせねーからよ。」


夜だが光源の魔法を使っているので、女エルフの姿はよく見える。ひょろひょろと無様な踊りだ。アレクの鋭いステップを見習いやがれ。


十五分経過。男エルフは現れない。


「おい! 来ねーじゃねーか! もっとしっかり呼べや! それとも捨てられたか? 可哀想にな! でもまあそんな貧相な体じゃ捨てられても仕方ねーな! この腐れブスエルフが!」


『うわぁあぁん! だずげでよー! デーゲーン! ごんなのってないよぉおおーー!』


「そうそう。せいぜい大きな声で助けを呼びな。」


「さすが魔王……よくこんな手を思いつくもんだ……」


「同性、しかも同郷の私としては見るに耐えないのですが、あやつの罪を思えば……致し方ないかと……」


お兄さんもマリーもドン引きしてる。私だって好きでやってるわけないだろ。姿を現さない最後のエルフが悪いんだ。おっ、生き残った冒険者がちらほら現れたぞ。こんな時に何やってんだって気になるよな。

ならばせっかくだからこいつらに……








〜〜削除しました〜〜









「さーて、そろそろ時間だ。どうやらお前は捨てられたようだな。まあ心配するな。俺が飼ってやるからよ。時々餌もやるから死にはしないさ。」


そう言ってミスリルボードを少しずつ降ろす。


「マリー、現れる気配はない?」


「ええ……ありません……坊ちゃん……」


そんな悲しそうな顔をしないでくれよ。あいつらの所為で何人死んだか分からないレベルなんだから。


そしてミスリルボードは地上に降りる。目を剥いて女エルフを取り囲む冒険者達。









〜〜削除しました〜〜









それから五分。伝言の魔法でこっそり命令を送る。

『………………』









〜〜削除しました〜〜










二十分は経った頃だろうか。現場にコーちゃんがやって来た。


「ピュイピュイ」


え? 何だって?


「ピュイッピ」


何と! 最後のエルフがゼマティス家を襲ったのか! 人質交換でも狙ったのか? それにしてもツイてない奴だな。母上に敢え無く制圧されたと。さすが母上、エルフだろうと敵じゃないな。


よし、それなら帰ろう。今さら吐かせる情報なんかなさそうだけど、落とし前は必要だもんな。


「おい、兄さん方よぉ。お楽しみのところを悪いがそろそろ時間切れだ。」


文句を言いたそうな奴の方が多かったが、知ったことではない。お時間五分前でーす。延長できませーん。


「お待たせ。さあ帰ろうか。まだまだ解決とはいかないだろうけど、少しは前進だよね。」


「そうですね……」


マリーには悪いが同胞の犯した罪が大き過ぎるよな。遊びで王都をぶち壊して大勢の人間を死なせたのだから。


それにしても、母上がいてくれるから守りを気にせず動けたのは大きいよな。まだまだ油断はできないけど。白い鎧と紫の鎧の奴らがいるだろうし、教団の幹部もいるだろう。狂信者なんか何人いるか分かったもんじゃない。その上盗賊まで来るとか。王宮は何やってんだよ。まああっちはあっちで大変なんだろうけどさ。


ちなみにエルフ女は歩けないようなので這ってこいと命令した。そして臭いので十歩離れて付いて来させている。外道にはそれが相応しい。せいぜい罪の重さを感じながら這い蹲ってやがれ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] マーティン家無双が始まってしまうのでしょうか? わくわくです! イザベルが頼りになるのは言わずもがな、キアラが本気だしたらやばそうです。 でも、無事に王都に来れるのかな?(笑) [気にな…
[一言] 王家の権威も失墜したね
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