表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

627/3107

267、アレクサンドリーネとティタニアーナ ※

兄上は意外に早くアレク達を連れてきてくれた。この広い王城でよくもまあ。


「王太子殿下。初めて御意を得ます。フランティア辺境伯領はクタナツ騎士長アドリアン・ド・アレクサンドルが長女、アレクサンドリーネにございます。この度は私までお招きにあずかり恐悦至極に存じます。」


「クレナウッド・ヴァーミリアン・ローランドだ。よく来てくれた。」


「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


アレクの挨拶は完璧だな。かっこいいぜ!

コーちゃんとカムイもきちんと挨拶できたな。えらいぞ。


「フォーチュンスネイクのコーネリアスと、フェンリル狼のカムイです。」


「うむ。よく来てくれた。ほほう、指輪を首輪に加工しおったか。罰当たりめ。」


そして食事、次々と料理が運び込まれてくる。ついでだ、頼んでみるかな。


「お酒をいただいてもいいですか? うちのコーネリアスはお酒が大好きなんです。」


「いいだろう。用意してやれ。」


「かしこまりました」


ありがたい。コーちゃんも嬉しそうだ。


「ピュイピュイ」




そして和やかな雰囲気で昼食をいただく。さすがに美味い。これで毒入りだったら泣くぞ。


「そう言えばカースよ。その首輪はどこで加工したのだ? 王都にそのようなことができる鍛冶屋がいたとはついぞ知らなかった。ぜひ(よしみ)を通じておきたい。」


「これは僕がやりました。金属を操る魔法は得意だったものですから。」


もうカース呼ばわりか。グイグイ来るのな。


「ほおぉ。金操(きんくり)か。そう言えばアレクサンドリーネ嬢も武闘会で金操を使っておったな。つくづく惜しいな。」


「もったいないお言葉です。」


「姫様がご到着されました」


そんな風に話をしていたら来客か?


「父上、珍しい客が来ていると。」


「うむ、こっちだ。カース、アレクサンドリーネ嬢。紹介しよう。二女のティタニアーナだ。」


私とアレクは立ち上がり挨拶をする。


「カース・ド・マーティンです。」


「アレクサンドリーネ・ド・アレクサンドルでございます。お目にかかれて光栄でございます。」


「ティタニアーナ・スカーレット・ローランド。貴方がウリエンの弟。ならば私の弟になる。姉上と呼ぶといい。」


「は、はあ、どうも……」


「それにしても大きな狼。きれいな毛並みをしている。フェンリル狼、名前は?」


「カムイと言います。」

「ガウガウ」


二女はカムイを撫でながら話を続けるようだ。


「エリザベスはよく助かった。エルフの飲み薬もよく手に入った。貴方はいい弟。」


「はあ、どうも。」


口数が多いのか少ないのか分かりにくい喋り方だな。表情も変化にとぼしいし。でも兄上の方を見るときだけ全然違う。露骨に嬉しそうな顔をしている。

たしか姉上と同じ年齢だよな。なのにシャルロットお姉ちゃんより出るとこが出てない。身長も私と同じぐらいだしとても年上に見えないな。


「ウリエン争奪戦は近い。もうすぐ参加者も締め切りとなる。貴方も見に来るといい。」


「はい。もちろん行きます。」

「私も行きます。」

「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


「アレクサンドリーネ。カースが私の弟なら貴方は私の妹になる。いつでも遊びに来て欲しい。」


「もったいのうございます。実現するなら喜ばしいことかと存じます。」


「実現する。エリザベスは強い。しかし弱点だらけ。私の勝ちは動かない。」


「ティタニアーナ姫様の勝利を応援しております。」


アレク……思ってもないことを……


「面白くなってきたな。カース、賭けをせぬか?」


「賭けですか? 優勝者でも当てますか?」


「そうだ。優勝者を当てた方の言うことを聞くというのはどうだ?」


実現可能な範囲を考えると私の方に旨味が大きい賭けだ。まあいいか。


「ある程度なら構いませんが何でも言うことを聞くとはお約束、できません。それでもよろしければ。」


「当然だ。私としても不可能なことを言うつもりはない。さあ誰に賭ける?」


「もちろん姉、エリザベスに賭けます。」


「私は……ウリエンだ。」


え!? 何それ!?


「実は今回の争奪戦、ウリエンにとっては得るものがない。よって父上、国王陛下はウリエンの希望により参加を認めたのだ。これによりウリエンが優勝したなら父上がウリエンに褒美を与えることになっている。」


何だそりゃ。兄上もいい加減鬱陶しくなったのか? 優勝して誰も近寄れないようにしてもらうとか?


しかし……そんなの兄上が優勝するに決まってんじゃねーか! 参加者を確認する前に賭けた私が間抜けだったか……


「男性の参加者は兄上だけですか?」


「そうだ。と言うよりウリエン以外は参加不可だ。」


兄上を狙う男までいるのかよ……アレクも参加するって言うし、兄上や姉上と当たらなければいいけどな。




帰りの馬車にて。気になったのでアレクに聞いてみる。


「あのお姫様の魔力はどうだった?」


「それなりに大きいと思うわ。たぶんエリザベスお姉さんと同じぐらいよ。さすが王族ね。」


へー。王族も小さい時から経絡魔体循環を受けてるって話だったな。そりゃ大きくもなるか。

姉上には負けて欲しくないが……兄上は一体何を考えているんだろう……

挿絵(By みてみん)

ティタニアーナ・スカーレット・ローランド©︎秋の桜子氏


Picrewの「レトロ風メイドメーカー」にて制作。

https://picrew.me/share?cd=2G85RE0epq #Picrew #レトロ風メイドメーカー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ