58、基礎の嵩上げ工事
楽園ではコーちゃんとカムイが出迎えてくれた。
「ピュイピュイ」
「ガウガウ」
すっかり仲良くなったようだな。今回も侵入者なしか。小山と堀が効いたのかな?
さて、今日からは基礎を高く積み上げる作業だ。豪邸が乗るわけだから私の自家製コンクリートのみで嵩上げするわけにもいかない。なるべく岩を積んで丈夫に仕上げないとな。すでに作った分は仕方ない。
そのためには岩を切ろう。なるべく直方体になるよう切断して隙間なく組み上げていくべきだ。いつも通り岩石砂漠から巨岩ばかりを収集する。これを加工すれば丈夫な基礎ができそうだ。
三日後、切断しつつ岩を組み上げている。そこで分かったことだが、大きい岩を中心に組んでしまうと端の方でバラつきが出るなどして安定性に欠けるようだ。
非常に面倒だが岩の大きさをなるべく揃えて、外側、それも角の部分を大きい岩にした方が上手くいくようだ。中心は小さい岩でも問題はなさそうだ。
さらに三日後、元々地面より二メイル低かった基礎は今では地上一メイルほどの高さになっている。どこまで高くするか悩みどころだが、高過ぎて困ることは多分ない。基礎の広さは百メイル四方、それに乗る建物は二十五メイル四方なので不安定になることもあるまい。水平出しにはかなり気を使う必要はあるだろうが。現時点ではあちらこちらではみ出した岩が多く、全く水平ではない。
さらに三日後、地表からの高さは四メイル。ここで止めておくか、それともまだ上げるか。実は悩んでいる。高さも気になるが、重量も気になるのだ。かなりの重さが地盤にかかってるよな? 問題ないのか?
後回しにしよう。その間に隙間に自家製コンクリートを流し込もう。隙間なくびっちり詰めたつもりだが、全くないわけではない。隙間を埋めてしっかり固めておかねば。
悩んだ時は遊ぶに限る。フリスビーの数を増やしてコーちゃんとカムイ、みんなで遊ぼう。カムイはなんと、咥えたフリスビーを首の回転で投げ返すこともできた! それを見たコーちゃんが真似をしようとするも、中々難しいようで苦戦していた。
あ、排水も考えないといけない……
どうしよう……
ならば東西南北にメインストリートを通して、その両脇に排水溝を作るか。その排水溝の行き先は堀、堀に排水できるよう工夫してみよう。
クタナツからバランタウンまでの石畳を参考に、広めの道を作ってみよう。城門などの入口すらないってのに。
道幅はバラついても構わない。岩は大量にあるから厚みぐらいは均一にして大量に用意できる。それらを適当に敷き詰めれば石畳の道となるだろう。道の端がカッコ悪いかな……まあいいか。
三日がかりで基礎を中心として南北に道ができた。いつもながらあっという間の二週間だよな。アレクと過ごしている時より時間の流れが早いとさえ思えてしまう。
では領都に向かおう。基礎と排水溝はまた来週ってことで。
今回はコーちゃんも来てくれるそうだ! 少し嬉しい。カムイはいつも警備ありがとな。またお土産持って帰るからな。
週末〜 そうだまた
アレクに会えるからぁ
僕は幸せぇ〜
「ピュピュイピュイ」




