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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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247、命の値段

『水壁』

『麻痺』

『氷壁』


やることは毎度お馴染みセルフギロチン。立たせた状態のまま腰から下を水壁で固定。今だけ全身を麻痺させておく。どうせ足の甲に剣がざっくり刺さってるから動けないだろうけどさ。

氷壁で頭上にギロチン台を作ってロープを通したら輪っかにして首にかけて、と。


『氷壁』

『浮身』


ロープの片方は今作った氷塊に繋いで浮かせておく。酒場の天井は三メイルもないけど今回は勢いが必要ないタイプだからな。

では『麻痺解除』


「て、てめぇ何を、しやがるっ!」


「ほれ、これ持ってろ。ちゃんと頭の上でな。見れば分かるけど、これが落ちたら死ぬぞ?」


首がキュッとね。この氷塊はだいたい四十キロムぐらいかな? 意外と手を離しても即死はしないかもね。


「あぁ!? ざ、ざけん『浮身解除』なっぐおっ、おお……くっ、そが……」


四十キロムって重さは頭や肩に乗せて持つ分にはそこまでキツくないが、体から離して持つとかなりハードだと思うぞ?


「じゃあしばらくがんばれ。氷が解けるまで耐えたら助かるぞ?」


私の氷って一日は解けないけど。運が良ければ手の熱で少しは解けるかもね。どちらにしても手の平が凍傷になるのは間違いないけど。


「ぐっ、くそっ、くそったれがぁああ……」


くそったれはお前だろう。

さて、本題はここからだ。


「こいつと同じパーティーの奴、いるか?」


姿は見えないがもう二人ほどいただろ。

周囲はざわつくが名乗り出る者はいないな。


「なんだよ。もう消えちまったのか。それならお前らでもいいぞ。誰かこいつの命を買うって奴はいるか? 今ならたったの金貨二十枚でいいぞ?」


奴隷として売り飛ばしても金貨十枚だしね。そもそも今回は騎士団に捕まえてもらうには弱い案件だし。少しばかり売り飛ばすのは難しい。だから倍額なら勘弁してやってもいい気分なんだよね。


「いないな。じゃ、しばらくこいつの頑張りを見守っててやろうぜ。もちろんだけど邪魔はするなよ? こいつが助かるには金貨二十枚払うか氷が解けるまで耐えるしかないからな。」


どうだいこの完璧な作戦は。見てるだけで苦しそうだろぅ? ちょっと手を滑らせるだけでも死んじゃうぜ?

もっと氷塊を重くしてさ、落としたら首が捥げるようにしてもよかったんだけどさ。そうすると今度は見せしめとしての時間がすぐ終わりそうだからね。四十キロムぐらいがベストなんじゃないだろうか。

身体強化なし、腕力のみで頭上に氷塊だもんなぁ。私なら三十分と持たないだろうなぁ。

ん? ああ、こいつ身体強化使ってやがるな。別にいいけど。こいつ程度の魔力なら誤差でしかない。たぶん浮身を使っても似たようなもんだろ。ふふ、見逃してやるよ。今だけな?


「ごめんごめん。待たせたね。あ、もうないね。アレクはお代わりどう?」


「そうね。いただこうかしら。」


「カース殿、儂も頼む。」


「分かった。ちょっと待っててね。」


さて、次の酒は何にしようかな。同じのでいっか。なかなか美味しかったし。支払いはインダルだから高い酒でもいいんだけどね。


「ま、魔王……お前すげぇな……」


「いきなりどうした? おっと、払っておいてくれよ?」


「お、おお、もちろん。いや、あれよ。あんなえげつねぇ事よく思いつくなぁ……」


「そうか? 千杭刺しの話とか聞いたことあるだろ? あれと似たようなもんだろ。」


しかも室内だから汚さないよう配慮してるんだぜ。


「そ、そりゃまあ聞いたことぐれぇあるけどよ……あれマジなんか……?」


「まあな。あの時は外だったからこの台がもっと高くてな。吊ってるのも氷塊じゃなくて氷の槍だったし。だから誰も即死しなくてさぁ。少し可哀想だったぞ。」


その代わりほとんどの奴は心が壊れてたからな。意外と苦しまなかったんじゃないかな?


「そ、そうかよ……」


「そんなことよりお前も飲めよ。盛り上がっていこうぜ?」


「そ、そうだな……」


「ああカース君。僕が払うよ。金貨二十五枚。」


なん……だと?


「別にいいけど、その五枚は何だよ?」


「なに、大したことじゃないよ。ちょっと彼に契約魔法をかけて欲しくてさ。」


「分かった。払ってくれるなら問題ない。で、内容は?」


「それこそ大したことじゃないよ。彼が僕に絶対服従するだけでいいよ。」


おーおー、えげつねぇなぁ。お手軽な奴隷でも欲しくなったか? 小間使い的なさ。こんな奴が役に立つとは思えないが……まあいっか。


「いいだろう。じゃ、前払いな。」


「意外に厳しいんだね?」


普通だろ。後払いが許されるのは信用のある奴だけだろ。ほい毎度ありー。


「おいお前、聞いてたか? 副長様が助けてくれるってよ。お前ごときのために金貨二十五枚も払ってくれるんだとよ。で、どうだ? 助かりたいか?」


おやおや。もう腕がぷるぷるしてるじゃん。まだ魔力は切れてないだろうに。


「た、たすけてくれぇええ! も、もううでがぁ!」


「いいぜ。なら約束な。お前は副長に絶対服従だ。それなら助けてやるぜ?」


「わ、わかったがあっばばががぎっぴっの『浮身』びぎっ、は、はぁ……はぁはぁ……おぉ……」


バッチリかかった。

そして予想通り。こいつは馬鹿なので契約魔法の衝撃で氷塊を落としやがった。首が締まる寸前で浮身を使ってやる私の優しさと魔法発動のスムーズさが光る一瞬だったね。もう一秒遅れてたら頸椎が折れてたんじゃないかい?


「ああそうだコルプスさぁ。こいつの仲間がもう二人いたじゃん? あいつらまた来ると思うぞ? そしたらまた金貨払ってやるつもり?」


「いやいやいや。まさかまさか。ちょうど手足になる者が一人欲しいなーって思ってたところだからさ。だいたいこんなむさ苦しい男は一人でたくさんだよ。」


そりゃそうだ。だいたいこいつだって自前で金貨二十枚も用意できない程度の奴だし。使いものにならんだろうに。

副組合長は辛いねぇ。

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金貨二十五枚で奴隷を買った。
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