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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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237、突撃アレクサンドリーネ

ふむふむ。さすがはアレク。最上級貴族のご令嬢がやることじゃないよね。

幻術で撹乱した隙に一気に近寄って心臓付近をナイフでひと刺しとはね。

もっとも、アレクの目的はその一撃で即死させることじゃないんだよね。なんせ全長八メイルにもなろうかって魔物だ。アレクのナイフ、サウザンドミヅチの牙製のあれでは心臓まで届かないんだよな。かといって他の武器、例えば愛用の杖なんかじゃあ奴の表皮を貫けないしね。

つまり、アレクの目的は私がアースドラゴンにやったことと同じ。刺したナイフの先から魔法を撃ち込んで決めることなんだな。ちなみに渾身の『麻痺』を使ったらしい。さすがアレク。大抵の魔物、それも大物は魔力抵抗がかなり高いからね。普通に使っても麻痺なんてまず効かないもん。深々と刺さったナイフなら魔力抵抗もほぼすり抜けるよな。お見事。


後は麻痺が解けないよう注意しながら首を一本ずつ切っていったんだね。サウザンドミヅチのナイフは刺しっぱなしだったもんでちょいと苦労したみたいだけど。


ああ、先に心臓を潰しちゃうと血が回らなくなっちゃって血抜きがしにくくなるもんね。そりゃあ場合によっては敢えて血抜きをしないってパターンもあるらしいけど。

今回のキーリムは初めての魔物ってことで無難に血抜きできることを優先したわけね。さすがアレク。どこまでもちゃんと考えてるねぇ。


で、どこが連携かと言うと幻術のタイミングらしい。二人同時に使ってしまうと魔法同士が干渉して上手く作用しないらしいんだよね。分からんでもない。一本の杖に二人が同時に魔法使うと爆発するようなもんかな。


なんせそこそこ大物であるキーリムだからな。たかが幻術だからって魔力を省エネで済ますわけにはいかないわな。二人ともかなり魔力を込めたんだね。そしてその維持。そりゃあ神経使うわな。

だから片方の幻術が切れるタイミングに合わせてもう片方が新たな幻術を使ったわけか。遅れると奴にバレるし早いと干渉する。絶妙のタイミングが必要だったわけだね。

やるよなぁ。練習なしでいきなりだろ? ぶっつけ本番のステージなのにばっちり息の合ったセッションできちゃったみたいなもんだよなぁ。ちょっと妬ましいぜ……

いや、私だってアレクと共闘する時は最高のコンビネーション発揮するし!


「その最中に他の魔物が現れなかったのは半分運ね。正直助かったわ。」


「きっとアレクの日頃の行いがいいからだね。」


うん、間違いない。


「カース君ったら冗談が上手いんだから。キーリムが近隣の主だったからに決まってるじゃない。まあそれにしたって解体の最中に来なかったのは確かに運かしらね。かなりの血の匂いだったもの。」


「あはは、それもそうだね。さすがサンドラちゃん。」


し、知ってたし……ボスが現れると大抵のザコが現れなくなるのって魔境あるあるだし……


「でも勝てたのはほぼアレックスちゃんの功績よ? 私のナイフじゃあいつの羽毛を突き通すなんて無理だもの。それに、いくら麻痺させてるからってあんな大物に突撃する度胸なんてないわよ。」


羽毛? ああそういや胴体は大鷲(イーグレス)って言ってたっけ。


「さすがアレックスちゃんだね! 大型の魔物に突撃するのってかなり勇気がいるよね。あいつらがちょっと動いたら僕ら人間なんて一瞬で潰されちゃうんだもん。」


おっ、スティード君も話に入ってきたね。セルジュ君は肉に夢中みたいだけど。


「スティード君までいやだわ。なるべく傷をつけずに仕留める方法が他になかっただけじゃない。ねっ、カース?」


いやいや私に聞かれても……アレクの手札からすると、うーん、確かにそうかも。いや、そういやアレクってあれ持ってたよな? 最近全然見ないけど。


「今ふと気になったんだけど、アレクってムラサキメタリックの短剣待ってたじゃん? あれどうしたの?」


そういや南の大陸に行く時も腰に携えてなかったような。あれがあればスパスパ斬れちゃうよね。


「やだ、カースに言ってなかったかしら。魔力庫に入らないものだから母上にお土産として渡しちゃったわ。クタナツで生きるにはかなり役に立つと思ったのもあるけど。」


「ああ、そうだったんだね。確かにその方がいいかもね。お義母さんがますます無敵になっちゃうね。」


私もムラサキメタリックの短剣を持ってたはずなんだけど、いつの間にか失くなってたんだよな。まあ、色々あったから仕方ないと言えば仕方ない。やはり魔力庫に入らない装備は扱いが難しいよね。


「うふふ、カースったら。無敵なのお義母様の方じゃない。うちの母上だってお義母様の前で上級貴族の対応をするのは神経が擦り減るって言ってたもの。」


「あ、あー……それはそうかもね。」


確かに今だとうちの母上は平民でアレクママは男爵夫人とは名ばかりの最上級貴族だもんなぁ。でも元々はうちの母上って子爵家の出だしアレクママは男爵家だもんなぁ。まあそもそもそんな身分とか母上の前じゃあ関係ないよなぁ。あんな女王のような貫禄ある平民がどこにいるってんだ。つーか早く降りてきてくれよなぁ。神域で遭難されたら探しに行くことだってできないんだぞ? 無事だといいんだけど……


「あ、そういえば素朴な疑問なんだけど、キーリムって心臓は一つだったの?」


おや、スティード君が本当に素朴な疑問を。


「いい質問ねスティード。解体したからこそ分かったことを教えてあげるわ。」


ここからはサンドラちゃんの独壇場かな。任せたぜ!

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