表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3125/3159

232、ある春の日

それにしても珍しいなぁ。熊系は熊系でも爪梟熊(オウルベアー)とはね。熊の体に梟の頭部。嘴は鋭い上に熊の牙並みの強度。両手両足には熊より鋭い爪、だったか? 魔境で出会いたくないランキングのまあまあ上の方だった気がする。


でも残念。二メイル級が一匹か。勝負への影響は少ないだろうなぁ。オーガベアとか獣の方の熊より肉は旨いって聞いたことはあるが……


ほう、なるほどね。身が軽いもんだから十メイルの高所にも余裕で登れるってわけか。そして木の上から飛び降り様に一撃で獲物を仕留めるスタイルってわけか。直撃したら私の自動防御にも傷ぐらい付いたかもね。


さて、初撃が失敗したら木の上に逃げるのがこいつのやり方なのか。熊らしくないなぁ。そのまま襲ってこいよ。こっち見たままじーっとしちゃってさぁ。


狙撃(スナイプ)


ほらぁ。逃げても無駄なんだよ。ごめーんね。額に一発。さて、収納っと。さすがにオーガベアと違って私の狙撃を弾くほどの防御力はないねぇ。

次行こ……




魔物がいない……

まさか、さっきのオウルベアーってここら辺のボスだったんだろうか……

防御は薄くても攻撃は鋭いから有り得なくはないんだろうけど。


うーん困った。全然魔物が出てこないじゃないか。もうちょっと歩いてみるか……せめて新しい爪痕が見つかるまで。


ん? 妙な感触が……げえっ!? 嘘だろ!? 最悪ぅ……何かの糞を踏んじまった……私の頭よりデカい。うげぇ……くるぶしまで埋まってんじゃん……

前と上ばっかり見てたからなぁ。

くっそぉー気分悪いぞ。そりゃあ体表密着型の自動防御を張ってるからブーツが汚れるなんてことはないけどさぁ。そもそも私の装備には防汚が付いてるから関係ないんだけどね。

関係ないけど誰が糞なんか踏みたいもんかよ……


くっそぉ……でもこの感じだとまだ新しいよな。てことは近くにいるんだろ? さっさと出てこいよぉ。

あ、でも糞をしてるってことは(ねぐら)は少し離れてるってことだよな? 魔物だって自分の寝床に糞なんかしないだろ。


うーん、どうしよ。仕方ないから素直に誘ってみるかねぇ。


『火球』


そこら辺で焚き火でもしてよう。今日はちょっと暖かいけど、たまには森の中で焚き火ってのも悪くないよね。火でも見ながらのんびり休憩といこうか。

もっとも、この火力はどう見ても焚き火ってレベルじゃないよな。炎が白いもん。なんせ魔力大盛りにしちゃったからね。魔力の向きをきっちり制御できてないと近くにいるだけで大火傷しちゃうぜ?




ふぅ。何もせずぼーっと火を見るだけってのも悪くないね。こんな危険な森の中で気を抜くのもどうかと思うけどさ。だって今日に限って全然魔物が出てこないんだもん。

でも、こんだけ魔力使ってんだからそろそろ来てもいい頃だろ?


そりゃあさ、化け物みたいなとんでもない魔力を垂れ流すと魔物でも逃げることがあるのは知ってるよ? いつだったかヘルデザ砂漠で見たもんな。クラウディライトネリアドラゴンから逃げる魔物を群れをさ。あの時感じた魔力は今の私から見てもまだ大きいよなぁ。今なら大差があるとは思えないけど。当時は私の全力の軽く二十倍はあったかな。

それとも魔物が逃げる条件は魔力の大きさ以外にもあったりするのかな?


うーむ、まだ来ないな。魔物が気づくものかどうか分からないけど隙だらけなのに。どこから襲われても反撃できないレベルだぞ? 普通こんだけ魔力使ってたらクタナツ近辺でも魔物に囲まれてるってのに。


ちなみに今は炎の色が普通の濃いオレンジ色、いやオランゲ色になってる。もう魔力を注いでないからね。マジで普通の焚き火だよ。燃えてるのはそこら辺に倒れてた太い木。これだけ太ければもう二時間は燃えてそうだなぁ。まあさすがに二時間も待てないけどさ。勝負に負けちゃうじゃん。

だけどさぁ、こうやって一人でぼーっと火を見るのって意外と悪くないなぁ。アレクどころかコーちゃんもカムイもおらず一人きり。昼間っから薄暗い森の中で一人で呑気に焚き火。気温はちょうどいいし腹もへってない。何ならうとうとしてきたぐらいだし。そりゃまあいくら私でもこんな所で居眠りなんかしないけどさぁ。


よし決めた。体感でもう三十分だけぼーっとしよう。それまでに魔物が出てこなければ場所移動だな。どこか遠くまでぶっ飛ぶことにしよう。

錬魔循環も魔力垂れ流しもなし。ただ何もせずにぼーっとしてよう。たまにはそんな時間があってもいいよね。ある種の命の洗濯ってことで。

うーん、そう考えると木漏れ日も美しいね。薄暗い森だけに日差しのありがたみを感じるじゃないか。


あー……今日もいい日だなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
>何もせずぼーっと火を見るだけってのも悪くないね。 何か実感がこもっています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ