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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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228、うっかり村長

楽園(エデン)に向かうミスリルボードの上で少しばかり関節技談義をしてたらもう着いた。四、五百キロルはあると思うんだが……さすが私。


「さすがにもう日が沈んだね。風呂でも入ってさっさと寝ようか。」


腹はへってないしね。


「ほう。風呂があるのか。それは良いのぅ。」


村長んちにだってあるじゃん。あ、ついでに聞いておこう。


「そういや村長(むらおさ)さぁ。イグドラシルで湯船作ったりできない?」


「くはっ! なんと無茶を言うものよ。だが、面白いのぉ。考えたこともなかったが、案外できるのやも知れぬな。帰ったら試してみるかの。」


「さすが村長。期待してるよ。」


無理と言わずに試そうとするところがさすがだよね。このじいちゃん好きだわー。


さて、館の玄関前に着陸。


「では改めて村長。楽園(エデン)にようこそ。先に風呂でも入ろっか。」


「うむ。ぜひにも。それにしてもこれがカース殿の家か。人間とはこのように大きな家に住むものなのか? やけに大人数が集まってるようだが。」


あ、説明してなかったか。かくかくしかじか。




「ほう。ますます面白いではないか。つまりカース殿は人間の本能に手をかけておるわけか。ということは儂に人間の女を当てがうこともできるのか?」


え? マジで?


「うーん、たぶんできるよ。でも空き次第かな。ここの代官に相談してみるよ。」


「お帰りなさいませ旦那様。」


うおっ、すごいタイミングじゃん。


「やあただいまリリス。また賓客が来ちゃったよ。何度か話したことあるよね。こちらフェアウェル村のハイエルフ村長。普通に村長(むらおさ)と呼んであげて。」


「エルフの方……いえハイエルフのお方、なのですね。初めまして村長様。リリス・キスキルと申しましてこちらの代官を任されております。ようこそお越しくださいました。どうかごゆるりとお過ごしくださいませ。」


「世話になる。エーデルトラウトヤンフェリックスと申す。もうちと気軽に村長と呼ぶがよい。代官というのはよく分からぬが、ここの(ぬし)ということかの?」


「はい。便宜上ではございますが。取り仕切らせていただいております。それでは旦那様、夕食はいかがされますか?」


「ああ、全員食べてきたから必要ないよ。で、相談。村長に女の子を付けてあげたいんだけど今夜って空いてる子いる? いないならいないでいいよ。」


それにしても意外と俗なところあるのね。同じエルフの女には興味ないんだろうか?


「そうですね。もう三十分ほどお待ちいただければ空く可能性がございます。それでもよろしいでしょうか?」


「わがままを言ったようですまんなリリスよ。もちろん対価は払うゆえ良しなに頼む。」


「いやいや村長。対価なんていらないって。気にせず楽しんでよ。なんせすでにいっぱい貰ってるんだからさ。だからリリス、俺の奢りってことにしておいて。」


「かしこまりました。」


「そうか。それはすまぬな。ありがたく呼ばれようぞ。」


当たり前だぜ。どんだけ世話になってることか。


「じゃあみんな風呂行こうよ。フレッグもさ。」


「うむ。だがすまんな。先に仲間に帰着を知らせてくる。あいつらも村長殿に興味を抱くだろうしな。」


それもそうか。ドワーフとエルフかぁ。面白い組み合わせだよね。




ふぅーー。いい湯だねぇ。やっぱマギトレントの湯船は最高だねぇ。ふぃーい。

ちなみにアレクとサンドラちゃんはちゃんと湯浴み着を着て湯船の角っこに行ってしまった。私達は中央あたりだ。時間がまだ早いせいか冒険者達は数人ぐらいしかいないなぁ。


つーか村長ったらいい体してんのね。ムキムキではないけど脂肪も贅肉もない整った体って感じ。


「おお……マギトレント材か。贅沢をしておるではないか。さすがはカース殿よの。うぅむ心地良いのぉ。」


「がんばって切ったからね。最高の湯船だよね。それより村長、人間の女に興味があったの?」


「いいや? ここは娼館というのであろう? ならば体験せねば分かるまい?」


んん? もしかして学術的興味、知的好奇心的なやつ?


「無論人間の女を抱くなぞ初めてだからの。そういった意味でも興味はあるぞえ?」


「おお、そうなんだね。だったら空きがあるといいね。」


三十分後に分かるってことはキャンセル待ちか何かかな? まっ、リリスにお任せだね。


「んん? お、おい魔王か!? もしかして今夜ぁ宴会やるんか!?」

「おお本当だ魔王だぁ! こいつぁ宴会で決まりだろぉ!?」


おお、一般客にバレてしまったか。


「悪いな。今夜はゆっくりしたい気分なもんでな。それにもう酒ないぞ?」


そりゃあ私らが飲む分ぐらいはあるけどね。


「はあぁーー? そいつはノレねぇなぁ……じゃあ明日はやんのか?」

「なぁなぁやろうぜぇ魔王よぉ……」


「ほう? カース殿は随分と慕われておるようだのぅ。ならば宴の一つや二つぐらいしてやってもよいのではないか? んん?」


村長がえらく楽しそうな顔してる。このじいちゃんってこんな祭り好きだったか? 無類の酒好きってわけでもないだろうに。


「おっ! じいさん話ぃ分かるじゃねぇの! 見ねぇ顔だけどえれぇ歴戦の雰囲気出してんなぁ。実は元五等星とかだったりすんのか?」

「実は現役の四等星かぁ? でもそしたら知らねーわけねーしなぁ。あれ? こいつはすまねぇ、てっきりじいさんかと思ったら兄さんだったんか。わりぃわりぃ。湯煙のせいかよ」


こんな場所でも鋭いなぁ。さすが楽園の常連。眼力も確かってわけかい。

つーか村長……変化の魔法使ったの今だろ。湯で顔をパシャっとやったタイミングでさぁ。人間の国に来たら使うとか言ってたのにすっかり忘れてたんだろ? 気が緩みまくってて面白いわー。


「ん? 儂か? 四等星とか五等星とかよく分からぬが歴戦かと言われれば確かにその通りだのぅ。ほう、お主らもそれなりに強者のようだわえ。」


「おっ? 兄さん分かるぅ? 俺もこいつも六等星だぜぇ?」

「つーかここに来てる奴で弱ぇ奴なんているかぁ? つーかそんな声だったかぁ? 喋りはじじ臭ぇな……」


ワンテンポ遅れて声も変えたのね。若々しく凛々しいイケボに……口調との違和感が面白いな。ロリババアならぬイケジジイ? ショタジジイじゃないことは分かるが。


「村長。一応解説ね。この場所ってさ、結構危険な所にあるのよ。そりゃもちろんフェアウェル村ほどじゃないけどさ。なもんだからここまで来れるってことは腕利きの冒険者ってことなんだよね。」


「ほう。そういうものか。おお、そうそう。儂の名はフェリクスだぞえ? 面倒な役職など忘れようではないか。」


あらまぁ。そういう設定にしたのね。エーデルトラウトヤンフェリックスだし?

それならリリスにも改めて伝えておかないとね。つーか楽園に着いた時にやっておいてくれよぉ。


うおっ!? 村長その顔……マジかよ。

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