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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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216、春の散歩道

さすがに楽園(エデン)では真似する意味がないよなぁ。確かにうちでも北の方に森はあるけど、だいぶ遠いもんな。あそこを伐採してまで開拓が必要な事態って人口が万単位で増えた時ぐらいだろうさ。そもそもわざわざ開拓しなくても東西も南も平原が広がってるんだし。

ノルドフロンテで北の森を伐採してるのは開拓がメインなんじゃなくて木材ゲットや魔物対策が目的だろうね。平地は広ければ広いほど魔物の監視がしやすくなるんだからさ。


さて、そんな森の目の前まで来てみた。これ、どこから入るんだろ? 倒木だらけで森に分け入る道がないじゃん。ここの開拓を始めてからもう数年経つのにこの様ってことは、単に片づけてないんじゃなくてワザと置きっぱなしにしてるんだろうな。それこそ魔物対策か? 魔物がここから出て来にくいようにとかさ。

ということは、どこか他の所に道があるはず。


「よーし、セルジュ君に問題。ここから森の中に入るにはどうしたらいいと思う?」


「え? このまま真っすぐ?」


「真っすぐでもいいし他の道でもいいよ。」


質問に意味はないんだよね。単にセルジュ君ならどうするか知りたいだけ。


「じゃあ素直に別の道を探そうかな。ないわけないもんね。」


「さすがセルジュ君。いい答えだと思うよ。」


「ちなみにカース君ならどうする?」


「いやー、僕も別の道を探すよ。倒木だってノルドフロンテの財産だからね。迂闊に手は出せないよ。」


だからって飛んでまで行く気分じゃないしね。あくまで今は散歩したいから歩いてるだけだし。


「あ、やっぱりカース君もそう思う? だよねだよね。普通の貴族領だと木は領主の財産だもんね。うっかり切ったは通用しないよね。」


さすがセルジュ君。私達の中で一番の良識派だけあるね。楽園に欲しい人材だねぇ。


「まあ他の道があるかどうかは足跡でも探してみよっか。」


「それもそうだね。ここらって全然足跡ないもんね。じゃあどっちにしよっかなぁ……」


そう。人がしょっちゅう森に入ってるんなら足跡どころかもう道になってるはずなんだよね。それがノルドフロンテから真っすぐ北に行く足跡なんて全然ないでやんの。まあ城門から出たわけじゃないから当たり前かも知れないが……


「任せるよ。セルジュ君が選んでみてよ。」


右か左、東か西しかないからね。


「そう? じゃあこっちかな。もしかしたら海が見えるかも知れないからね。」


左だね。確かにこのまま真西に進めば海だね。百キロルはあるけど。でも南や南西だと三、四十キロルぐらいかな?

正直もっと海に近くてもいい気はするけど、海は怖いもんなぁ……津波が起きたとか聞いたことはないけど百メイル超えの魔物とか普通にいるからね。

それも踏まえてここにノルドフロンテを築いてんだろうなぁ。


「よーし! じゃあ行こうか。で、森に入る道があったら入ってみようよ。あ、リーダーはセルジュ君ね。森に入る時は先頭だよ。」


「ええっ!? そうなの!? そりゃあまあいいけどぉ……」


特に意味はないけどね。セルジュ君が通れるような道なら私達だって楽々通れるだなんて思ってないんだから。


ちなみに今は横に五人並んで歩いてる。街の中ではできないけど、だだっ広い外なら関係ないよね。


「あっ、あそこじゃない?」


おお、セルジュ君たら早速発見したのね。あ、本当だ。めっちゃ広くない? 馬車だって通れそうじゃん。


(わだち)ができてるわね。馬車が通ってるんだわ。意外ね。」


サンドラちゃん目ざといな。


「結構奥深くまで入ってるのかもね。とりあえず行けるとこまで行ってみようよ。」


「そうだね。じゃあ僕先頭行くよ。」


この広さなら一列で歩かなくてもよさそうだけど左右の魔物を警戒しないとね。

ならば私は最後尾を歩こうかな。アレクと二人並んでさ。


ふむふむ。轍がある割には歩きやすいな。波うってるってほどでもないから?


「そういえばここ森ってノワールフォレストの森だよね? 端っことはいっても僕来たの初めてだよ。ドキドキするね。」


「そうだね。ノワールフォレストの森であることに間違いないよね。この辺はまだ安全だと思うけど。」


馬車が行き来してるぐらいだからね。しかもその馬車には校長や組合長みたいな化け物が乗ってるわけだし。襲ってくる魔物なんて行きがけの駄賃ってとこだろ。


「あっ、前から馬車だ。みんな寄って。」


セルジュ君がリーダーシップを発揮してる。いいね。


ほぉ。馬車と言っても私達がよく乗るような客室付きのやつじゃないのね。荷馬車って感じか。人間なら詰め込めば二十人は乗れそうな荷台だな。


「止めろぉ!」


おや、馬車のガタガタ音よりでかい声が響いた。もちろん聞き覚えのある声だ。さてはあの人か。

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