172、丸投げ
ミスリルボードにはエルフ三人組も乗り込んできた。少し揺れるなぁ。がんばれアレク。
「見てたぜ兄貴ぃ! すごかったよなぁ!」
「マジマジ! どうやったらアースドラゴンに魔法が効くんだよ!」
「そりゃ直接ぶち込んだからだけどさぁ!」
そりゃそうだ。あの手のドラゴンは乾燥とか麻痺とか普通に使っても効くはずないもんな。何かを刺して表皮を突破してからでないとさ。さっきだと麻痺を使ってみてもよかったんだけどねぇ……刺してからでも効く気がしなかったんだよな。やはり乾燥で正解だったと見える。
「それで兄貴よぉ? そのアースドラゴンどうするんだ?」
「もちろん食うんだよなぁ!? 兄貴が焼いてよぉ?」
「おお! 頼むよ兄貴ぃ! 食わせてくれよぉ!」
「いやそりゃもちろん食うけどさぁ。今から解体するのか? そろそろ日が暮れるってのに。」
私は嫌だぞ……ただでさえ疲れてるってのに。
「そんなの俺らがやるって! だからいいだろ!?」
「ダークエルフの奴らだって喜んでやるに決まってるしさぁ!」
「なっ! いいだろ兄貴ぃ!?」
こいつらにしては珍しく一生懸命じゃん。アースドラゴンってそんなに美味いんだろうか?
「それならいいけどさ。魔石や皮なんかの素材はきちんと別にしといとくれよ?」
「もちろん分かってるってぇ! 兄貴の素材に手ぇ付けたりしねーって!」
「俺らぁただアースドラゴンの肉が食いてぇだけだからさぁ!」
「めったに食えねーお宝だからな!」
「そんなら任せるわ。上手いことやってくれ。」
アースドラゴンの解体は希少な機会とは思うが、さすがに今は無理だな。今日は色々ありすぎたよ……
「たぶんサンドラちゃんもスティード君も興味津々で参加すると思うよ?」
確かにあの二人なら……
「セルジュ君はいいの?」
「僕はもう疲れたよ……カース君ほどじゃないけどさぁ。大変な一日だよねぇ。」
「あー、そうだよね。僕も疲れたよ。後はもうのんびりしよう。お腹も空いたし。」
ダークエルフの引越しも終わったことだし誰か夕食作ってくれないかな。それともまだ魔物が片付いてなかったりするのか?
着いた。
うーん、やはりまだ片付いてないようだな。イグドラシルの周辺には私達しか戻ってないし。
さすがに私達だけ先に夕食にするには愛想がないしなぁ。少し待つか。
「兄貴ぃー。解体するからアースドラゴン出してくれよぉー」
「おお、そうだな。」
少し場所を移動して、と。
ここからいいかな。さっきまで三人組が解体してた場所。
では、魔力庫からどーんとね。おお、改めて見ても大きいな。全長二十メイルはあるんじゃないかな。高さだって五、六メイルはあるし。
「んじゃ、後はがんばれ。」
「おうよ。とりあえず今夜の分の肉が取れたら持っていくからな!」
いやー張り切ってるねぇ。私よりだいぶ年上だろうに兄貴兄貴って。便利でかわいい奴らだわ。がーんば。
さて、私は戻ろう。たぶんアレクがお茶の用意をしてくれてるから。まったりしようではないか。
ふぅ。お茶を飲んでゆっくりしてたら日が暮れた。もう春だってのに少し寒くなってきたな。
それにしても……スティード君もサンドラちゃんも遅いな。そんなにたくさん魔物が来たのか、それとも解体に手間がかかってるのか。北からアースドラゴンが来たぐらいだから南から何かドラゴンが来てもおかしくはないが……
コーちゃんが警告とかしてないってことは特に問題ないんだろうけどさ。ちなみに村長はまだイグドラシルの真ん前で座ったままか。大変そうだな……少し寒くなってきたことだし、軽く囲っておいてあげるかな。
『風壁』
少し暖かめにしておいた。
さて、こっちはどうしようかな。さすがに待ってられないし気になるから……見に行くしかないじゃないか!
まったくもう。




