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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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131、リモンチーノ

そもそも発端はドワーフ達が酒の味を覚えたことからだった。


長年の地下暮らしで酒など飲めなかっただろうからね。それがセティアニアやバルバロッサで酒の味を覚えて虜になったのは分かる。しかしそれだけでなく王都でセンクウ親方なんかと話して酒造りの方法を聞いていたとは……


それより、聞いただけでここまでの酒を造れるのかよ……つーかよく教えてくれたよな……ああ、私との関係もあったからか。私って一時的にドワーフの身元引受人みたいなもんだったからね。一時的にだけど。


もちろんリモンチェッロの元となる酒はセンクウ親方から貰ったらしい。それと引き換えに面白い魔道具を作ったとか。酒の量がやや減る代わりに酒精が強くなるって? それ蒸留機と何が違うの? ドワーフすげえよ……


そして肝心のレモン、いやリモンだけどなんと楽園(エデン)で育ててるんだって? 南側の城壁の外側。堀との間にある広くもないスペースにリモンの木があるらしい。

どうやってそこまで……よくよく聞いてみれば、なんと二ヶ月前にアレクからリモンの果実を一つ貰っていたらしい。で、その果汁があまりにもドワーフ好みだったもんで種を捨てずに植えたとか。その結果、一ヶ月で成木になり実がなるようになったと。で、次の一ヶ月でその実を使ってリモンチェッロを作ったわけね。

意味が分からん……だれか『成長促進』でも使ったんだろうか。

ドワーフが言うには「リモンはやたら魔力を食う」とのことだが。


まあ何にしても私としては美味い酒が飲めたんだから文句などあるはずがない。むしろドワーフ達の優秀さに驚くばかりだ。来てくれてよかったわー。


「ちょっとカース君飲んでるの!? 飲みが足りないんじゃない!?」


「えぇ……そんなことないよ。ちゃんと飲んでるよぉ……」


ちびちびとね。希少なリモンチェッロをがばがば飲むわけないだろ?

でもサンドラちゃんたらハイペースすぎない? やばくない?


「ほんとにぃ? 全然減ってないわよぉ?」


目ざといな……


「本当だよ。あ、ほら、もうなくなった。お代わりはあるのかな?」


「あるとも。さあ飲んでくれ」


フレッグことフレッグヴィズルヨルゲンがすぐに注いでくれた。なくなっても知らんぞ?


「おっとっと、悪いな。いただくぜ。」


レモンが効いたハイボールを飲みたいと常々思っていたのだが、こんなレモン味たっぷりの酒を飲むのも悪くないよね。

あれ? そういやリモンチェッロって砂糖もいるんじゃなかったっけ? こいつには砂糖入ってないよな? だからフルーティーでがばがば飲めてしまうんだろうか……うーむドワーフ恐るべし。


「ところで魔王よ。明日あのエルフの村に行くと聞いたが?」


「ああ、行くよ。なによ、興味あんの?」


サンドラちゃんのリクエストだったね。私は私で用があるからちょうどいいんだけどさ。


「我も連れていって欲しい。どうだろうか?」


おやおや。どういう風の吹きまわしだろうね。


「いいよ。一人だけ?」


「ああ。我のみだ」


「分かった。で何よ、エルフに興味でもあんの?」


「あるに決まっている。遥か北方に存在すると謳われた伝説の種族エルフ。それが実在すると聞いたからには行くしかないであろう。実のところ全員が行きたがったのだがな、あちら様に迷惑をかけるのは本意ではない。だから我だけというわけだ」


エルフはそんなこと気にしないと思うけどなぁ。つーか違う大陸の違う種族にまでエルフのことは知られてるのか。伝説の種族なのね……


「ちょっとフレッグぅー! 私にも注いでよぉー!」


「おお、これはすまぬ。さあ、お飲みなされ」


「ふひひぃーありがとぉー!」


サンドラちゃんの酔いがやばい。ドワーフにお持ち帰りされたりしないよな? まあ、あいつらが人間に性的な興味を持つのか知らないけどさぁ。


スティード君もセルジュ君も冒険者連中と楽しく飲んでるみたいだが、サンドラちゃんを放置してていいのか?


「ところで魔王よ。エルフの村に行くならば、手土産は何がいいだろうか?」


知るかよそんなの……


「酒でいいんじゃない? このリモンの酒なんか最高だと思うよ。かなり美味いし。ところでこれ名前は何て言うの?」


「ああ、リモンチーノだ。リモンに(マナ)を注ぎ続けた同胞から名をとってな」


へぇ。リモンってそんなに魔力を食うのね。ならヒイズルではどうやって育ててんだ? 明らかに平民が育ててたと思うが……


「大したことはしておらぬ。ただ求められるままに(マナ)を注いだだけのことよ」


おっ、こいつがチーノか。求められるままにってこれまた意味が分からんけどね。植物と話せるとでも言うんだろうか。


「それがどれだけ難しいことか。お前はよくやった。これからも頼んだぞ」


「おおよ。任せておけ。この地はやたら(マナ)が芳醇のようでな。いくらでも力が湧いてくる気さえする。さすが魔王の治める土地よの」


そりゃあ南の大陸と比べたら、ねぇ……

自然回復するだけでも超ありがたいよね。

しかも私に限ってはこの楽園内では無敵なんだよね。ドワーフの秘宝血醸之星(ちじょうのほし)を設置してるからね。

化け物ハイエルフ村長がイグドラシルから魔力を無限に引き出すのと似てるよね。こっちは無限じゃないけど。

それでも魔力は満タンだぜ?


そんなこともあってドワーフにも自然回復以外の恩恵があるんじゃないかと睨んでるんだよなぁ。だってやたら絶好調みたいじゃん? 絶対ノリノリだよな。


さあ、夜はまだまだこれからだ。

酒がある限りどこまでも飲もうじゃないか。

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― 新着の感想 ―
一年で種が果実をつけるのは無茶苦茶です。
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