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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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1982/3109

71、幻惑草原の魔物達

「ピュピュピュイーー!」


外縁部への着地を待たずコーちゃんは飛び出していった。カムイもコーちゃんも待てができないタイプなのかねぇ。まあ、待てなんてしたことないけどさ。


「兄貴、あっちに魔物がいる。でもラリってるから放っておけばいいさ」


おお……エルフもラリるって言うんだね。


「ちなみに、あれは……何て魔物?」


見慣れないのが多いよなぁ。まるでステゴサウルスとかハリネズミみたいに背中一面が刃や棘に覆われてやがる。どちらも五メイル超えか。


「あっちのが緑刃蜥蜴(ベレイムリザド)で、そっちのトゲの奴が逆棘大鼠(エピネグロスリ)だな。ちなみに肉はまずいんだよな」


「ふーん。」


蜥蜴(リザド)系に(スリ)系か。


「ベネディクティス、少し私に付き合いなさいな。カース、この子借りるわよ?」


「え、う、うん。いいけど……」


「あー? 何だよ?」


『風弾』


「痛ぇーって兄貴! 悪かったって! お嬢様って呼べばいいんだろぉ!?」


「分かってんならいい。それからきっちり護衛しろよ? アレクの美しい指に傷ひとつ付かないようにな?」


「大丈夫よ。心配ありがとう。さ、こっちよ。」


「はいよー……」


アレクが……舎弟を連れていってしまった……

私に内緒で一体何を……

ちなみにあいつ、ベネ何とかって言ってたな。やっぱアレクはきっちり覚えてるんだなぁ。すごいぜ。




一人になってしまった……

どうしよう? 適当に草でも刈ってみようかな。


『風斬』


うおっと!? びっくりしたなぁもう。刈った瞬間に地面から虫っぽいのが飛び出してきた。それも百匹単位で。キモすぎだろ。


『凍結』


生意気に私の身体を覆いやがるものだから全部凍らせてやった。一応キープしておこうかな。虫系の魔物は魔石は期待できなくても、思わぬ何かを持ってる場合があるからね。


あ、よく見ればさっきの緑刃蜥蜴(ベレイムリザド)だって顔に何かが(たか)ってやがる。そのせいで顔中真っ黒なのに胴体はきれいめの緑なんだよな。虫など気にもせずラリラリしてるんだろうなぁ。うーんキモい。


『ゴビャオォア!』


そうかと思えば不意に魔声かよ。あ、顔が見えた。おおかた虫が目にでも入ってムカついたってとこか。胴体と同じくきれいな緑の顔しちゃって。

で、改めて草をひと齧りか。舌で器用に刈り取るもんだな。それから……数回咀嚼したらぐてーっと寝転びやがった。いい気なもんだぜ。そんなに隙を晒していいのか?


まいっか。私は私で草刈りしよっと。とりあえずまっすぐ進んでみようかな。だいたい半径五メイルぐらいを刈りながら……そして収納しながら。


それにしてもここの草って……大麻っぽくない?

背丈は三から五メイル。細長い柄の先には手の平のように葉が広がっている。これがカンナビ草なのかな。こいつが地平線の果てまで……これはひと財産どころじゃないよな。闇ギルドでなくても、真っ当な薬屋でも大喜びだろうね。


おっと、蛇が襲いかかってきたけどタイミング悪かったね。ちょうど風斬で首チョンパだわ。これは草刈りあるあるだな。

コーちゃんには内緒にしておこう。わざとじゃないし。


一面の草原かと思えばぽつぽつと木も生えている。そこまで高くはない。せいぜい十メイル程度の細い木だ。木のくせに生意気に蔦をシュバっと伸ばしてくるじゃないか。やめろよな。私にそんな趣味はないぞ。


『風斬』


マジかよ斬れない。しなやかで丈夫みたいだな。


『風斬』


だから左右から挟み込むように撃つ。うん、さすがに斬れるね。


おっと、木から煙が出た。煙ってよりむしろ霧かな? 何がしたいのか知らないが待つ気はないぞ?


『水鋸』


悪いね。容赦なく斬り倒すよ。

懸命に蔦や枝、霧で襲ってくるが私の自動防御は無敵だ。はい終わり。収納して……と。

この木は何て木なんだろうね。少しは気になるかな。よく見れば数キロルに一本ぐらいの割合で立ってるなぁ。


「ピュイピュイ」


おっ、コーちゃんいつの間に。え? 来て欲しい? もちろん行くとも。


『風斬』


コーちゃんはいくら草が繁っていてもお構いなしに進めるんだろうけどさ。私は無理だ。草を刈りながらでないとね。

そういや昔はグリードグラス草原もこうやって刈りながらでないと攻略できなかったそうだね。しかも三日もすれば元通りに生えるそうだし。つくづく魔境だよなぁ。


「ピュイピュイ」


え……あれを……?

うげぇ……マジかよ……


コーちゃんが首差す先にあるのはさっき斬ったような木。あれよりは低いね。七メイルぐらいかな。しかし問題は……その木を毛虫のような魔物がびっしりと覆っていることだ。コーちゃんはその魔物を持って帰りたいと言っている……

木の表面をうぞうぞと這い回る何百何千もの毛虫……キモすぎるぜ……


とりあえず全部凍らせればいいかな?


「ピュイピュイ」


凍らせると質が落ちる? この場合の質って何だよ……ナイストリップ度数かい?


「ピュイピュイ」


弱い雷の魔法なら大丈夫? なるほど……弱く弱く……まずは実験ってことで半数だけ狙って……


『落雷』


「ピュイー!」


まだ強い? だめになった? ごめんごめん。じゃあこの二割で……


『落雷』


「ピュイピュイ」


おお、合格ね。残った毛虫の半数が地面に落ちた。もう半数はこっちに襲いかかってきたけどね……毛虫のくせに飛ぶんじゃねえよ。キモいなぁもー。

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― 新着の感想 ―
[一言] コーちゃん、食べるんですか?
[良い点] (((;°Д°;))))ギャーッ 毛虫ヤダー!
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