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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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1968/3108

57、新装備とカムイのブラシ

カムイを手洗いしてアレクとイチャイチャした翌日。

今日は特に用もないんだよな。よって何もしない。朝食後は村長宅の客室で朝からのんびりダラダラするのさ。なんせ私達は働き過ぎだからな。


「おお、ここにおったか。」


「おはようございます。ようやく姿を見せてくれましたか。」


村長が現れた。アレクに膝枕されたまま挨拶する私。


「来てもらおうか。大まかな形はできたからの。少々調整が必要じゃて。」


「おお、もうですか! 行きます行きます。」


すげぇなこの村長。さすがハイエルフ。仕事が早いわー。




村長について歩く。着いたのは地下室だった。


「まずはこれからだの。」


籠手だな。見た目は飾り気のない湾曲した木。それを前腕に当てて……


「やっぱ重いですね。」


鉄板を腕に巻くようなもんだからな。


「よし、では軽く魔力を流してみよ。」


「分かりました。」


どれどれ……


「うっわ! めちゃくちゃ軽いじゃないですか! イグドラシルとは思えないですね!」


「うむ。術式は正しく動いておるな。では次だの。」


そうやって全装備のチェックが終わった。どれも身につけていることが分からないほどの軽さだった。しかも消費した魔力は全然大したことない。これならアレクの分も頼んでおくべきだったか……


「ほれ、こいつはおまけだ。嬢ちゃん持ってみるがいい。」


「え? 私ですか?」


おっ、村長気が利くね。盾か、さすがハイエルフ。年の功だね。


「ここを握って魔力を流してみよ。」


「は、はい!」


おお、直径三十センチはある円形の盾が軽々と持ち上がった。これならアレクの防御も鉄壁だね。


「どうだ? 取り回しに不安はないか?」


「え、ええ、大丈夫みたいです。」


「うむ。そうやって魔力を流した後は左腕に固定することもできるでな。状況によって使い分けるがいい。」


「はい! ありがとうございます!」


おお、こりゃ便利でいいな。私が以前持ってたオリハルコンの盾を少しだけ薄くした感じか。普通に盾として使うこともできるし、握り込んでぶん殴ることもできるな。これの縁で殴られたら私の自動防御すら破れそうだ。やったねアレク。


「よし。ではこれより仕上げに入るでな。おおそうだ。はぐれ共の件、アーダルプレヒトより聞いておる。さすがはカース殿、よくやってくれた。」


「いえ、大したことでは。」


なんせ追跡も戦闘もほぼカムイだもんなぁ。頼りになる召喚獣だねぇ。まあ、今となっては召喚獣だなんて微塵も思ってないけどね。コーちゃんもカムイも大事な家族だよなぁ。うーんファミリー。


「あ、ついでのおねだりなんですけど。カムイにブラシを作ってやってもらえないですか?」


村長に頼んでやるって約束だったもんね。


「ふむ、それぐらい大したことではないが……」


「で、どうせなら最高品質のものが欲しいんですよね。こいつって贅沢なもんですから。ちょうどいい素材ってあります?」


「そうさなぁ。それならばやはり赤雷猪(ルアジュレーキボア)がよかろうな。探すのにやや難儀するやも知れんがの。」


赤い……猪の魔物か。ヒイズルでもそうだったような。やっぱ猪の毛ってブラシに向いてるんだな。


「どこら辺にいるとか分かります?」


「所詮は猪の魔物だからの。そこら辺におるわい。てっとり早く見つけたいなら狼殿の鼻に期待してはどうかの?」


「ガウガウ」


なるほどね。


「そうなると匂いの元となるものってありますか?」


「これでどうかの?」


村長が魔力庫から取り出したのは楕円形のブラシだった。そういやエルフってみんな綺麗な髪してるもんなぁ。細くてさらさらのさ。カムイの毛並みとはタイプが違うが……まっ、それぐらい製作過程であれこれ調整してくれるよね。


「ガウガウ」


村長の匂いがするのね。当たり前か。私にはよく分からないけど。エルフって体臭もなければ加齢臭もないよなぁ。たぶん全員魔法でどうにでもできるからと見た。


「おお、ついでに柄の部分はエボニーエンツォで作ってやろうかの。繊細な作業ゆえ少々難儀するが。なぁに、儂が作るわけではないしの。」


おお、それはかなりの贅沢だ。贅沢すぎる。そして村長も秘技丸投げの使い手なのね。村長には必須のスキルだよなぁ。


「ありがとうございます。じゃあ行ってきますね。」


「うむ。最初は北西に進んでみるがよかろう。大きめの谷を二つ越えた次の山がおすすめだからの。」


「分かりました。ありがとうございます。」


今日はのんびりするつもりだったんだけどなぁ……

まいっか。可愛いカムイのためだ。それに約束したもんな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] カムイったら…… 私より高級なヘアブラシを使ってますね(笑)
[一言] 普通の猪毛のヘアブラシは現実でも売ってますね。 まあ、カムイのは最高級なんでしょうが。
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