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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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30、二匹の魔猿

よし。背骨沿いに半径四メイルほどが空洞になった。当然頭も焼失してる。終わりだ。

骨のみのボーンワイバーンの頭部だけ人骨、しゃれこうべであるスカルワイバーンか。なかなかキモかったなぁ。


おっと、待て待て。体が落ちるのはいいが魔石はゲットしておきたいぞ。骨しか残ってない体は……一応収納しておくかな。末端部分だけだが使い道あるのかな?


よし、ゲット。


それにしても魔石も不思議な物質だよな。少しの炎で容易く燃えるものもあれば、私の炎ですら燃えないものまである。だいたいゴブリンとかコボルトなどの手強くない魔物ほど燃えやすいよな。いやー不思議なもんだ。


確かこの村ってイグドラシルの加護と村長の何かの魔法のおかげであんまり魔物が寄ってこないって話だったよな。それでもやって来るのはそれなりに手強い奴だとか。なら先ほどのスカルワイバーンがそこそこ強かったのも納得かな。


よし。周囲をぐるりと見渡しても魔物の影なし。アレクのところに戻ろう。




「…………という感じだったんだよね。」


「さすがカースね。スカルワイバーンの頭部って魔法を吸収するそうなのに。見事だわ。」


「やっぱアンデッド系に火柱はよく効くんだろうね。」


だいたい普通なら一瞬焼いただけで骨が焼失するはずがない。人間や雑魚魔物が相手ならともかく。ワイバーンのようなそこそこ強い魔物は骨まで頑丈だもんな。やはり火柱を選んだ私の判断が良かったのだ。ふふふ。




そしてイグドラシルの根元でアレクとイチャイチャしながら番をすること数時間。


「もういいぞ。交代だ。」


アーさんがやってきた。


「はいよー。ところでアーさん調子はどう?」


「問題ない。変わりはなかったか?」


「ないね。スカルワイバーンが来たぐらいかな。骨はとってあるけど、いる?」


「ほう? スカルワイバーンか。珍しいな。お前が必要ないなら貰うが?」


「いいよ。ちなみに何に使うの?」


「粉々に砕いて畑に撒くだけだ。少々浄化方法にひと手間必要だがな。」


ふーん。カルシウムか? そのままじゃなくてひと手間いるのね。アンデッドの骨だもんなぁ。


「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


おおっと。コーちゃんとカムイもやって来た。コーちゃんはカムイの首に巻きついてる。


「じゃあアーさん。ちょっと遊びに行ってくるね。夕方には戻ると思うから。」


「好きにしろ。」


それにしてもアーさんってタフだよなぁ。ほとんど寝てないんじゃないの? 見た目は普通のエルフと同じでスラッと細いイケメンなのに。目つきは鋭い方かな。いつかのダークエルフの村でも何十人も相手をして、そのうち二人を妊娠させてたもんなぁ。これが若き長老衆の実力なのね。




さて、蟠桃が成ってるエリアに到着。するやいなやカムイが板から飛び降りて駆け出した。そっちにカカザンがいるのか?


『グオオオオオォォォォ!』


おっ? カムイめ。いきなり魔声かよ。魔力は少ししか込められていない。到着を知らせるためだけに使いやがったな。そんなことしなくても蟠桃エリアに立ち入ったら出てくるだろうに。

ほら来た!


『キキィギャオオオオオオオォォォ!』


へぇ。魔声で反撃かよ。範囲を絞ってカムイを狙いうちね。でもカムイったら避けないのね。お前の魔声なんて効かないぜ? 余裕だぜ? とでも言いたいのだろうか。あんまり余裕かますなよ。前回は勝つには勝ったけど、それなりに怪我してたじゃん。


「ガウッ!」


「キキッ!」


おっ、見えた。蟠桃エリアから少し離れて対峙している。じゃ、その間に蟠桃いただきー。十個だけにしとくから勘弁しろよな。


「ウキィィー!」


おっと危ない。もう一匹いたのか。でも変だな? ここに立ち入ることができるのはエンコウ猿の族長だけじゃなかったのか? しかもこいつカカザンより大きい。三メイルはあるじゃん。

太い腕をぶんぶん振り回して攻撃してきやがる。みたところ爪が鋭いって感じはないな。が、掴まれたらアウトだろうな。握力がかなりヤバいって聞いたことがある。


「カース、この子メスね。きっとカカザンの(つがい)なんだわ。だからここに立ち入りを許されてるんじゃないかしら?」


「メス? あー言われてみれば。どことなく表情が柔らかい気もするね。」


言われて気付く程度だけど。アレクは胸とか股間を見て判断したのかな?


「じゃあ私が相手をするわ。カースは上から見ててくれる?」


えぇ……


「うーん……分かったけど、危なくなったら容赦なく手出しするからね?」


「ええ、私が合図をしたら頼めるかしら?」


「おっ、楽園防衛戦での立場が逆になったね。いいタイミングで合図してね。」


なるほどね。一対一で勝負すると見せかけて頃合いを見計らって私から強力な一撃をぶち込ませる作戦だね。さすがアレク。容赦ないね。


「ええ……」


『氷散弾』


私の自動防御を解いた瞬間にぶっ放した。ダメージ目的ではなく目眩し目的だろうな。そのまま着地しカムイ達とは反対方向へと走っていった。蟠桃にダメージが行ったら最悪だもんね。


「ウキィィッ!?」


えーいこっちを見るな。キョロキョロするな。お前の相手はあっちだよ。大人しくしててやるから気にするな。


『浮身』


メス猿を置き去りにして急上昇。さあ、アレクを追いかけろ。


「ピュイピュイ」


カカザンより大きいけど強くないって? そうだね。パワーだけはあるみたいだけど、それだけじゃ勝てないよね。


よし。こちらをじーっと見ていたが……ようやく無駄だと気付いたのだろう、アレクの後を追っていった。


んー……どっちを見よう……カムイも気になるし……

でもアレクに決まってるよね。ごーごーアレク!

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― 新着の感想 ―
[一言] カカザンにも幸せが訪れたようで何よりw
[一言] カムイとカカザンは強敵と書いて「とも」なんでしょうが、アレクの方はどうでしょう。
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