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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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1939/3109

28、カースの宴会芸

よし決めた! ちょっと無茶な気もするけど、まあ構わんだろう。


村長(むらおさ)、少し派手に魔力を使いますけどいいですかね?」


「ほう? えらく期待させてくれるではないか。なぁに構わん構わん。いかなる魔物が寄ってこようとも! アーダルプレヒトが始末をつけてくれようぞ!」


「分かりました。じゃあ遠慮なくいきますね!」


少し酔ってるしね。気にせずガンガンやってやるぜ!


「アレク、バイオリン貸してくれる?」


「いいわよぉー! カースの弾く曲って斬新で好きぃー!」


アレクがラリラリのベロベロだ……

しかしバイオリンは手に入った。いくぜ!


らーらそらしー しどーしらそーそそーれーしー しれみ らーらそらしー しーーみーー


ベースラインのみを弾く。と言うかバイオリンだとベースラインか旋律しか弾けない。ギターが欲しいなぁ……


『らーららら らーらら らーらら らら らーららーらー らーららら らーらら ららら ららーーーーー』


拡声の魔法を使って大音量でいくぜ! 声も、 バイオリンも。


『らーららら らーらら らーらら ららーらら らーららーらー らーららららーらら らーら らぁーらぁーーー』


歌の節目に合わせて花火を打ち上げる。歌うリズムに合わせて咲き誇るように。


「お、おお、これは……」


ふふふ。さすがの村長も驚くだろ。こんな魔力の無駄遣いなんて考えたこともないだろう? どんどん上げるぜ。歌いながらだとかなり難しいけど。


『クタナツの 雑踏の中で いえぇぇ

出会った君の笑顔にいぃ』


歌詞は即興でいくぜ!


『瞳奪われ 目を逸らすことすら

できない俺を笑えよおぉ』


いくぜサビ! 花火も特盛だ!


『アレク 胸の奥 愛しさが溢れ落ちて

君の身体を抱きしめる』


『アレク 腕の中 溢れた君の涙に

そっと頬寄せ 抱きしめた』


ほんとはここからギターソロといきたいんだけど……バイオリンでは無理だ……

だから代わりに……


『花火』


打ち上げまくる。ただしイントロと同じリズムで。

ドン ドドドドン ドドン ドド ドン

ドド ド ドン ドドドドン ドドドドン ドドンドンドン

夜空を埋め尽くす花火。全員が上を見上げて絶句している。いい感じだ。アレクは上ではなく私をじっと見つめている。濡れた瞳で。


『うぅ〜いぇえ アレク 胸の奥 溢れた君の愛の歌 僕の心に寄り添おって』


『アレク 腕の中 微睡(まどろ)む君の寝息に

そっと頬寄せ 抱きしめた』


らーらそらしー しどーしらそーそそーれーしー しれみ らーらそらしー しーーみーー


最後はイントロと同じベースラインをバイオリンで弾いて、締めだ。はぁ……我ながら最高の曲だよな。


だが、まだだ。まだ終わりではない。


『金操』


「アレク、来て。」


「ええ。分かってるわ。」


バイオリンは金操で弾きながら、メロディに合わせて踊る。ほぼチークダンス。揺れて揺れてゆらゆらと。


バイオリンは先ほどの曲のベースラインを弾き続ける。花火もリズムをキープしながら打ち上げる。山岳地帯に音が響く。様々な色が私達を染める。


『消音』

『光源』


周囲の音だけを消し、私とアレクにスポットライトを当てる。周囲は真っ暗、世界にもう私とアレクしかいない。踊ろうアレク。二人きりで。バイオリンの音色を頼りに。


「カース。いい曲だったわ。最高の気分よ。」


「よかった。アレクを想いながら歌ったんだよ。アレクのおかげで生まれた曲なんだよ。」


アレクのことを考えたら自然に思いついた歌詞なんだしね。


「うん。酔いが一気に醒めたわ。だから最高の気分なの。さっきまでも気分良かったけど、カースの歌を聴いたらもっと良くなったわ。ありがとうカース。」


「ふふ、そう言われると嬉しいよ。さあアレク踊ろう。他のことなんか忘れてさ。」


「うん。いつまでもこうして踊り続けていたいわ。あぁ私……幸せよ。」


「そのへんにしておいてもらおうかの。あれほどの技を見せられてはボウの音も出ぬわ。」


いいところだったの邪魔するなよ……それより、ボウの()? って何だ?


「皆の者! 最早言うまでもないとは思うが! 先ほどからのカース殿の芸は! 寸分の狂いもない見事なものだった! 視覚でも聴覚でも! 的確な鼓動に流麗な旋律。そして夜空を遍く照らす鮮烈な光。それらを同時に制御しながらも、人間の楽器を弾きつつも歌ってみせたカース殿こそが! 最終的な勝者に他ならぬ! 異存はなかろうな!?」


「異議なし!」

「夜空が輝いてた!」

「いい曲だった!」

「もう一回!」


ふふ、どうやら私の勝ちのようだな。かなり大変だったんだぞ? 一つ一つは大した魔法じゃないのに、同時に使うのは相当ハードなんだからな。特に、花火の魔法を曲のリズムに合わせるのは難しすぎた。あれって『光源』の魔法をベースにしてるから、本来なら音なんか出ないんだよな。我ながらよくやったものだ。あー疲れた。


「よかろう! ならば今回の芸達者選列苦闘(せれくと)杯の総合勝者はカース殿とする! 後ほどカース殿とは褒美の相談をしようではないか! では皆の者! 宴を続けるぞ! もっと宴会芸を見せるがよい!」


終わりじゃないのね。続くのね。

私はちょっとばかり休憩するぞ。さすがに疲れたからな。我ながら見事な演出じゃないだろうか。バイオリンの低音弦を弾きながらアレクとダンスをしながら少しだけ歌いながら各種魔法を使う。それもリズムに合わせて。みんなのグルーブが冷めないように。


「はいカース。飲んで。」


「ありがと。ちょうど喉が渇いてたんだよね。」


さすがアレク。以心伝心だな。旨い! これは村長の酒にリモンやオラカンを混ぜて……その上何やら薬まで混ざってるじゃないか……

アレクぅ……体が熱くなってきたぞ。悪い子だ。


「ねぇカース、ちょっとあっちに行こ?」


行くに決まってんだろ。













〜〜削除しました〜〜














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― 新着の感想 ―
[一言] 久しぶりの〜〜削除しました〜〜キターーー!!!!(大歓喜)
[一言] ではこの曲を作者様がTwitterで実演ですね。
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