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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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19、リリスのおねだり

「あ……あ……い、一体何が……」


パッと見、生き残ったのはこいつと他に数名ぐらいか。魔力探査してみればもう少し生き残りが見つかるかな?


『カムイ………………めてくれ』


「よう、お前らどこから来たんだ?」


「あ、へ?」


楽園(エデン)に攻めてきたんだろ? どこから来たんだ? 何なら送ってってやろうか?」


「う、うわああぁぁああぁああぁぁあ!」


あーあ。錯乱しやがったよ。よだれ垂らして剣を振り上げちゃって。キモっ。


『狙撃』


剣だけ撃ち抜いた。


『水壁』


いつものように閉じ込めて……


「うぐっ!? な、何を……」


『消音』

『拘禁束縛』


おっ、少し落ち着いたか。どちらにしても尋問は後でいい。リリスのお望み通りに生捕りできたし。なんなら尋問はラグナにやらせてもいいし。うーん……ラグナがやると、とてつもなくえげつないことになりそうだけど……


「ガウガウ」


おっ、カムイありがとよ。生き残りを集めて引っ張ってきてくれた。八人か。このおっさんを含めて九人。三百人ちょいいたとしてこの人数……生き残れてラッキーだったね。私の楽園に攻め込もうだなんて舐めたこと考えたくせにさ。


リリスはなるべくたくさんって言ってたけど九人もいれば上等だよな?


『水壁』

『浮身』


戻ろう。アレクのところへ。


「お待たせ。絶妙のタイミングだったね。」


「カースの指示がよかったからよ。もう戻るんでしょ? このまま私が板を動かすわね。」


「うん。頼むね。」


うんうん。アレクもなかなか速く飛ばせるようなってきたね。慣れって大事だよね。




到着。さて、まだまだ腹へってるし、続きといこう。タンが食べたい。


『おーい! 戻ったぞ!』


一応先に知らせておこう。


「もう終わったんかよ!?」

「まさか逃げてきたんじゃ?」

「バーカ魔王だぜ? そんなわけあるかよ!」

「おっ、何人か連れてんぞ? 生きてんのか?」

「騎士じゃん……」


ソフトな着地。最後まで気を抜かない見事な制御だったね。アレク偉い。


「リリス、九人だがいいか?」


「ありがとうございます。充分かと。では旦那様、こやつらに契約魔法をおかけいただけますか? 内容はこの私の奴隷となることでお願いします。」


おお……リリス容赦ねぇ……自分用の奴隷が欲しいから生捕りにするよう言ったの?


「分かった。じゃあ端っこからいこうか。」


他の冒険者達もめっちゃ注目している。そんなに私の契約魔法が珍しいか? 珍しいかも。


「えーボスぅー。アタシにも奴隷一匹おくれよぉー。」


「ダミアンに頼めばいいだろうが……」


一匹って……ラグナらしい、のか?


「ダミアンにアタシが奴隷で遊ぶようなふしだらな女って思われちまうじゃないかぁい……」


バカかラグナ。今さら何を気にしてんだか……

そういえばネズミを見てキャーキャー言うような女になるとか言ってたもんなぁ。


「せめてリリスに頼んで遊ばせてもらうだけにしときな……」


それに遊ぶも何もこいつら放っておくと死ぬけどな。でも治癒は後回し。ちょっと面倒だがリリスのおねだりだもんな。叶えてやりたいじゃないか。




ふぅ。アレクが『覚醒』を使い私が契約魔法を使う。間に多少の拷問は入るが。

契約魔法がきっちりかかった奴から治していく。リリスお抱えの治癒魔法使いが。さすが代官。いい人材を揃えてるのね。




そして最後の一人。


「後はお前だけだな。ここの代官リリスの奴隷となるか、それとも故郷に帰るか。どっちがいい?」


「ぐっ、き、貴様ぁぁ!」


「どうかしたか? お前だけ無傷で故郷に送り届けてやろうって言ってんだ。お前以外ほぼ全員死んだぞ。まあわずかな生き残りは奴隷落ちしたけどな?」


「くっ、こ、殺せ! 最早我々に故郷などない! 起死回生を狙いはしたがそれも潰えた……殺せ!」


「バカだな。殺して終わりなわけないだろ? せっかくここまで連れてきたのにさ。ラグナ、来い!」


私は面倒だからやらないが……


「何だぁいボスぅ?」


「こいつを痛めつけろ。後遺症が残らないようにな。」


「えぇ……面倒だよぉボスぅ。そりゃあやるけどさぁ……」


私だって面倒なんだよ。だから丸投げだ。よし、タンが焼けた。うっま。


「くっ! 拷問などに誇り高き我ら……騎士団が屈するものか!」


「くっくっく……どこの誰かぁ知らないけどさぁ? アタシのことぉ知らないのかぁい? 王都の裏道(うらみち)裏街道(うらかいどう) 闇の世界を統べる者 ニコニコ商会四つ斬りの 殺戮姫(さつりくひめ)ことラグナ・キャノンボールをさぁ?」


「なっ!? き、貴様があの……!?」


「もっとも剣鬼にぶっ潰されて王都からぁ逃げ出して、今じゃ魔王の配下さぁ。で、どうすんだぁい? アタシぁじわじわ嬲る趣味なんかないんだけどねぇ? スパッと殺す派だからねぇ……でもボスの命令だからさぁ。ほらよぉ!」


「ふぐっ! お、おのれぇ……」


何かやってる。よく見えないけど。お任せって楽でいいよね。


「ラグナ、そいつが素直になったらやめていいからなー。」


「分かったよボスぅ。あんたも聞いたねぇ? まっ、せっかくなんだからこの四つ斬りラグナさんの刃物さばきを味わっておくんなぁ。ほぉらここかぁい?」


「いぎぃあああ! あがっががぁ!」


うーん、おっさんの悲鳴ってのは飯が不味くなるな。


「ぐがぁあああぁぁ『消音』……」


これでいい。冒険者に囲まれて姿は見えないしね。タン食べよう酒飲もう。ほれ、リリスにも注いでやろう。


「ありがとうございます。お……おぉ……研ぎ澄まされた味わい……まるで剣鬼様の一閃のようです。」


おお、いいこと言うじゃん。飯が美味くなった。よーし、もっと焼こう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] この状況で美味しくご飯が食べられないと、楽園では生きていけませんね( ・ิω・ิ) ラグナの動きがちょっと気になります…… 何か企んでいるような?
[一言] 今回はまさに「いせきん」という展開ですね。
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